サラダそば。世界遺産・日光からもほど近く、餃子の聖地・宇都宮はもっと近い栃木県鹿沼市で売り出し中のヘルシーなご当地そばである。鹿沼はそばの産地として有名であるという。
ある夏の終わりの遅い午後。東京都内の立ち蕎麦屋で本日一食目だった「鶏から揚げそば」のボタンを押す。生卵をトッピングで追加。から揚げ、かなりのボリュームである。関西ではまず見かけないタネ。出汁に染みてなかなか旨いが、サラダそばとは対極に位置している。
東北新幹線で宇都宮へ。その日は豪雨で、山形以北は大雨で新幹線運休という。宇都宮乗換で安堵する。さらに日光線に乗り換えて鹿沼へ。鹿沼一愛されているオトコ・商工会議所M越氏に迎えに来て頂き、JR鹿沼駅真ん前の旅館にチェックイン。なかなかシブい旅館である。
鹿沼にはとにかく人柄が良いらしい。一方で慎重でもあるという。皆さん(私と出会った商業者+α)本当に仲が良い。交通網は便利で、良かれ悪かれ都心に近い。宇都宮は近すぎる。ユネスコにも登録された彫刻屋台の祭りはさぞ圧巻だろう。
ミッション終了後、懇親会に。会場は「パブリックハウス 六本木」。倉庫を改装した居酒屋かスナックかパブか分類不可能な不思議空間。イチゲンがドアをくぐるのはかなりの蛮勇がいる。
スナックのママと店のレディと割烹着を着た板さんが忙しそうにしている。料理も評判であるというが、店名は意味不明だ。
生ビールが染み込むように旨い。呑み放題なので、私の前には生ビール、ハイボール、赤ワイン、焼酎の4種のグラスが並ぶ。交互に干していく。
小鉢、漬物、絶品の熱々ジューシーなから揚げ、玉子焼。さすが料理自慢のパブリックハウス。酒とカラオケが進む。Y市女史とロンリーチャップリンをデュエットさせていただく。
私は鹿沼訪問2回目だった。鹿沼名物は数あれど、「サラダそば」を押している。定義はよくわからないが、かなりの店舗数が参加している「鹿沼サラダそば」ポスターを拝見すると、店独自に様々な工夫が凝らされている。サラダゆえに、百花繚乱で華やかだ。初回訪問時はタイミング合わず、サラダそばとの邂逅は叶わなかった。
縁もたけなわの3歩手前のタイミングになり、「鹿沼サラダそば」一人一皿降臨してきた。量もあえて小ぶりでちょうど良い。麺偏愛者の私にとって、ご当地名物が麺類であれば絶対にスルー出来ない。恋焦がれていた彼女に出会えた。一気にテンション上がる。
さっそく啜る。……。フレッシュである。爽やかである。冷やし中華とは当たり前だが全然違う。そばが旨い。寝る前の〆として毎晩サラダそばを啜れば痩せてしまいそうだ。
さらに呑んでいると、〆の〆が出てきた。焼そばである。……。サラダそばで〆るつもりが、我が0.1トンBODYは、アッサリよりもコッテリでないと〆ることはできないようである。
鹿沼の夜のパブリックハウス。
分類不能の空間。
ヘルシーで旨しなサラダそば。
昼に啜った旨しだがあまりヘルシーとは言いにくい立ち食い鶏から揚げそば(生卵投下)。