2018年11月05日

第2067夜:ムーラン定食【小倉(北九州)】

 定食。夜は酒を飲み、朝は旅館で宿泊した時以外めったに口にせず、昼はたいてい麺類(ラーメンかうどんか立ち蕎麦)、カツ丼、カツカレーなのであまり定食を口にする機会はない。たまにレラニバや餃子、鯖塩焼などでワシワシ白飯を頬張りたい昼もあるが、夜は皆無だ。

 ある夏の朝。首の裏側のコリがひどく、北九州若松の定宿の温泉大浴場を朝から独り占めして揉み解してから小倉へ。

 小倉の昼は駅構内<フジヤマ55>、魚町<資さん>、旦過<黒兵衛>が我が3大ランチ聖地。たまには河岸を変えるべく駅構内の多店舗展開豚骨ラーメン店へ。

 何を血迷ったか芸人とコラボした「小峠らーめん」なるものを選択。海苔に芸人さんの似顔絵がプリントされている。ゆで卵がK峠氏っぽいということか。お値段は880円。定食もあったが、単品で十分。首を傾げながら鳩啜。

 半年以上ぶりの旦過市場ミッションを終え、<ムーラン>へ。M渡アニキと合流。マスターのツマミを喰いながら持参した缶ビール、アニキのプレミアム焼酎、私が2週間前に持ち込んでキープした4g業務用ジムビームを交互に呑む。ジムビーム、さすがに減らない。

 マスター日替わりツマミのメインディッシュ「豚生姜焼き」が運ばれてきた。実に旨そうである。豚生姜焼きはビール、ハイボール、日本酒、焼酎、どんな酒にも合うが、最も相性良いのは白ご飯である。

 この夜はミッション終了後、直接ムーランへ駆け込んだので、空腹は激しかった。白ご飯があればいいのに……。めったにない定食モードが発動してしまう。

 すると、マスターがモード発動とほぼ同タイミングでライスと漬物を添えた。……。思わず目を疑った。ガン見する。……。どこからどう見ても、紛うことなき白ご飯。ライトに照らされ煌めいている。

 パブで、白ご飯。圧倒的にシュールである。味噌汁代わりに、4g業務ジムビームのロック。まさかの即席「ムーラン定食」である。

 生姜焼きを口に運ぶ。……。酒場らしく濃い目の味付けが嬉しい。すかさず白ご飯で追いかける。……。はふぅ。くぷぅ。うにゅ〜ん。私の空気頭にこれまで感じたことにない擬音が飛び交い始めた。目尻から温度を持った雫が流れてしまいそうな究極。私は、理性が飛んだ。

 マヨネーズを絡め、口に運ぶ。ジャンク感が増す。今度はバーボンで追いかける。野趣と洗練が高難度でクロスし始めた。時折箸休めにポリポリする漬物の歯ごたえと酸味も極上だ。

 ムーラン定食、完食。大満足だが、私の中で椅子に根張りモードのスイッチも入った。それからのなんやかんやツマんでは呑み、結局夜中1時まで。定食屋で4時間も居座れるものでないし、店の人から怒られるだろう。しかし`定食ムーラン´は時間無制限である。

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ムーランにて。

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芸人とのコラボラーメン。

posted by machi at 12:01| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする