<与作>。店名も店構えも激シブな、北九州市若松区に屹立するうどん屋である。2018年夏、若松の麺友・U島氏と足を運ぶ。店内は意外なほど広い。昭和の時間が流れている。
私はどんな暑くても冷やし系ではなく、ホットである。珈琲しかり。ゆえに肉うどんにごぼう天と月見(生卵)追加。天かす入れ放題だったが、ゴボウのコクは捨てがたい。
出汁は甘めで北九州の王道系。うどんのつるふわ感も精妙。肉の旨味が出汁に溶けこんでいる。野趣あふれるゴボウの歯ごたえが嬉しく。衣が溶けて油膜が散る。コクが倍加する。
後半は黄身をつぶして絡めながらの一気呵成。麺1本、汁1滴残さず熊啜。暑い夏こそ、暑い料理だ。汗が噴き出るが、それが収まると涼しさすら感じさせる。
若松は半年ぶりである。しかも真昼間はいつぶりか覚えていないほどである。商店街だけでなくその周囲を変化が如実に視覚で判別できるほど様変わりしてきた。
マンションや建売住宅がどんどん立ち上がっている。開発の勢いを感じる。懸案だったあやどり市場跡地も再整備されることに。宇宙最強天ぷら「丸窓」も移転していた。
平成最後の師走、悲願の若戸大橋無料化が実現する。小倉方面への消費流出よりも企業や住宅の進出が抜群で、明らかな追い風が吹いている。
ミッション終了後、久々に愛してやまぬ<TOMATO>へ8人で襲来。コーンフリッター、ステーキ、悶絶。言葉なしの旨さ。水餃子鍋はスープが担々麺風で絶品。麺を入れたくなる。
ドンK山氏が「麺を入れろ」と叫ぶ。先ほどまで全員で店内TVの録画で流れていた「相席S堂」で、C鳥からKナオコ氏との絡みで「一番ヤバい奴」と評されたオーナー氏が奥から出てきて、満面の笑みで「黙っとけ」。すかさず「瓦そば」降臨。
ホットプレートで焼きながら味わう。パリッとした食感と香ばしさ。焼いた麺を麺つゆに浸す。思わず刮目する。酒にも合う。8人(実質7人)でハイボール60杯以上空いたのではないか。当然、ビールや日本酒もたっぷりと消費してからだが。
1年以上ぶりに<ショコラ>。ママが激安アヅマ価格でボウモアをキープで入れてくれる。
若松は様々なロケやドラマ・映画の撮影が多い。アカデミー賞助演男優賞を受賞したハリウッドスターも普通に若松で呑んでいたという。
数年前、豪華俳優陣共演のN●K地域発ドラマ『オヤジバトル!』にも感動したが、再び若松を舞台にしたN●K地域ドラマが発信された。タイトルは『ユー メイ ドリーム』。青春時代を若松で過ごしたシーナ&ロケッツの物語で、現役商店主も出演しシブい演技を披露していた。
‘may’には様々な意味がある。若戸大橋無料化は昔なら‘maybe(もしかすると・〜かもしれない)’だったかもしれぬ。今は‘may≒can(できる)。夢は叶ったのである。
新しき元号の新世界には、叶った夢が続き、覚めぬようロケットを放ち続けねばならない。夜のロケットだけでなく。
肉ごぼう天月見うどん。
仮囲いがついに外れた旧あやどり市場消失跡。
ステーキ。
坦々風水餃子鍋。
酒のツマミにもなる絶品の瓦そば。
御縁をいただき8年目。ありがとうございます。
ボウモアをキープ。
ママ、ありがとうございます。