2018年09月29日

第2041夜:雨のから騒ぎ【八尾(大阪)】

 スライダー。直球の軌道からいきなりグイッと左(左投手なら右)へ落ちながら曲がる必殺の変化球である。2018年7月下旬の台風は、関東からいきなりスライダーのごとく西日本へ鋭く寄せてきた極めて珍しい台風だった。

 そんな台風が関東へ直進し、激しく西日本へスライダー軌道を描こうと描こうとした土曜の朝。西川口駅構内<いろり庵きらく>で朝食そばを熊啜し、京浜東北線でへ東京、9時半の新幹線で新神戸へ。台風上陸前の脱出に成功し、13時前に神戸に帰宅する。

 台風が東海から近畿へ近づいてきた。電車はまだ動いているが、翌日は早朝から運休かもしれない。そして、翌日は大阪府八尾市で「八尾あきんど起業塾2018発展編」がキックオフする。

 私は司会&起業希望者の個別面談担当だが、設営を含め9時に会場入りせねばならぬ。ちなみに我が自宅から八尾の会場まで2時間かかる。電車が遅れるだけでもアウトである。

 予報では、台風は夜半に近畿へ上陸する。念のために八尾に泊まるべきか。駅前ホテルを検索すると、空室があった。帰宅して5時間も滞在できなかったが、八尾へ向かう。

 近鉄八尾駅前ホテルにチェックインし、荷を解いてシャワーを浴び、21時頃食事&一人呑みのためにホテルを出る。外は幾分風は強いものの小雨である。

 <えん>を覗くと満席。すかさず<わっちょい>へ。カウンターもびっしり。4人掛けしか空いておらず、そこに座らせてもらう。

 ハイボール2杯に八尾枝豆。小ぶりだが味が濃く爽やかで塩加減絶妙。止まらない茹でたての旨さ。看板娘のI井ちゃんをはじめこの店の接客にいつも感動。

 会津坂下の銘酒でなかなか手に入らない「飛露喜」2杯と黒豚とんかつ。塩、しょうゆ、おろしポン酢を駆使。前乗りしてよかったとシミジミする。細やかで心憎いサービスに感動する。

 22時に<えん>へ。生ビールがなくなるほど満席ぶりがいったん引き、店じまい中だった。

 瓶ビール2本にツマミを出してもらい、マスターや賄い中のバイトちゃんらと談笑しながら呑む。大阪北部地震の夜もだったらしいが、台風直撃で避難勧告が出され避難所も設置されているのに、飲み屋はどこも流行っている。災害の際に八尾っ子は外呑みしたくなるのか。

 23時過ぎに部屋に戻り、ホテル横のコンビニで買い出して缶詰晩酌。缶詰というあたりも非常感があって風情がある。

 目覚めれば晴れ間が。雨も上がり風も収まっている。8時のアラーム音が避難勧告も解除され避難所も解散したと知らせる。

 「よし、八尾あきんど起業塾決行、がんばるぞ!」とFBに上げようとしたら、主催者から中止の判断が。受講生が避難所にいたかもしれない可能性と、電車のダイヤ乱れを考慮してのこと。

 呆然かつ絶望。前日入りする我が気合い、気持ちいいほどの空回りかつから騒ぎである。

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八尾産の枝豆。絶品。

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黒豚とんかつはハズせない。

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会津の銘酒。

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一人2次会。
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2018年09月26日

第2040夜:私のサラダ【蕨(埼玉)】

 塚越商店会。蕨駅東口に広がる商業ゾーンである。昼夜問わず活気に溢れ、ほんの少し足を延ばすと川口市の市境である。空き店舗はほぼ皆無だ。

 水出しアイスコーヒーが絶品な組合員さんの喫茶店で商店会役員の皆さまと活性化に向けた意見交換会終了後、商工会議所の皆さまと酷暑をうっちゃるべく暑気払いへ。

 向かった先はビルの上階に位置する<BARYAROU>。独特のネーミングセンスである。ドリンクもフードもほぼ均一価格。ドリンクはライン会員になればさらにお得な価格になるという。私はラインをやっていないので(2018年7月現在)、我がお目付け役にお願いして瞬殺で会員になってもらい、準備を整えた。

 肉料理がアツい。いくつか注文しながら、生でガツンと乾杯。談笑していると、ステーキや煮込み料理がワンプレートされた「肉盛り」がいきなり切り込んできた。テンションがキュンと上がる。`肉フェス´の幕開けである。肉を頬張り、生をゴキュゴキュ放り込む。疲れや夏バテなど1億光年彼方まで吹き飛んでしまう。

 赤みが爽やかなローストビーフのようなものが運ばれてきた。中央の黄身が戦列である。生卵と絡めるとコクとまろやかさが増し、思わず目を細める。すかさずホッピーに切り替えた。

 肉のにぎり寿司が飛んできた。〆っぽさも感じさせるが、まだまだ序の口。赤みなのでサッパリと口の中でほどける。見事な実力である。

 アヒージョを楽しんでいると、別会議に参戦中だった御仁も合流。料理を追加する。私はメニューも見ずに「ポテトフライ!」と割と大きめの声を発した。ところが、ないという。このテの店では定番で存在しそうなものだが、他の料理が充実しているので大満足で店を出る。

 2軒目は関西では見かけないチェーン居酒屋へ3人で。腹は張っているので、メニューはポテトフライ一択。たっぷりと盛られてきた。延ばす指が止まらない。

 私は酒を飲む際、サラダ(要するに、生野菜)をほとんど口にしない。酒に合わない気がするからだ。まれにバカバカ口に運んでいるときは、よっぽど体が生野菜の栄養を欲している時。下痢気味の犬が草を食むようなものである。よって、私がサラダに箸を延ばさないときは体調万全の印でもある。私にとってのサラダは「ポテトフライ」(まれにポテトサラダ)である。

 深夜1時を回った。お一人はご近所で、お一人は終電を無くしている。終電滅失組(私含む)でタクシーで西川口へ。駅前チェーン居酒屋で深夜3時半まで鯨飲。

 タクシーで帰った同行氏を見送り、私は定宿に戻る前に24時間立ち蕎麦屋へ。「肉わかめそば」のボタンを押した。そして、「コロッケ」をトッピングした。私にとってはコロッケも「サラダ」である。深夜3時半過ぎですが。

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肉フェス開催。

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私のサラダ・その一。

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私のサラダ・その二。

posted by machi at 17:35| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月25日

第2039夜:猛暑の博多豚骨【川口(埼玉)】

 500円。横浜家系では店舗数最強かもしれない<壱K家>の7月中旬1週間限定、それも西川口店限定のラーメン価格である。ちなみに定価は690円。190円引きという剛毅さだ。では、何のラーメンが割引なのか。「博多とんこつらぁ麺」である。

 我が埼玉2強定宿の一つ、西川口駅前に夜中2時まで煌めくこのお店。幾度となく誘惑に負け、我が体重増量キャンペーンを力強く後押ししてくれた。

 北海道から沖縄まで日本全国飛び回っている私だが、2017年からは埼玉と九州(福岡・長崎)が東西の軸に。九州では基本的に豚骨以外啜らぬが、埼玉では横浜家系の頻度が圧倒的。

 毎週のように九州に足を運んでいる私にとって、埼玉で豚骨を啜ろうなど考えたこともなかった。そもそも、壱K家においても家系以外視界に入らない。豚骨ラーメンがメニュー化されていることすら知らなかった。

 ある酷暑の夏の15時半ごろ。西川口駅西口に降り立った私は徒歩2分の定宿へ向かおうとした。その日は朝から何も腹に入れていなかった。空腹というより、暑さであまり食欲がない。夜にならねば空腹を覚えない日が続いている。要するに、ビールと一緒でないとあまり固形物がノドを通らない。こんなことは40半ばになるまで初めての経験だ。

 夜ミッションを控えている。ホテルにチェックインしても1時間以上余裕がある。何か腹に入れておきたい。しかし、濃厚極まりない家系気分ではない。立ちそばへ行くか、それとも何も食わずミッションに挑むか……。

 壱K家の前を素通りしようとした際、冒頭の豚骨500円セールポスターが視界に飛び込んできた。思わず足を止めた。1秒ほど店先で眉間にしわを寄せ、店内へ飛び込んだ。

 麺の硬さは普段なら「ふつう」だが、なぜか「かため」を選択。埼玉人たちに通っぽいところを見せつけたかったのだろうか。自分でも暑さでヤラれてよくわからない。

 2分もかからずブツ登場。このラーメン用に紅生姜と高菜も卓上に別途設置。わかってらっしゃる、と思わず首肯する。

 ブツはすさまじいほどの油膜。色は限りなく白に近いアイボリー。故障をパラリし、レンゲを手に取る。横浜家系専門店の博多豚骨、いかなる出来栄えか。

 まずはスープ。……。うん?これは豚骨なのか。濃厚なのだが、あっさり。厳密にはあっさりではないのだが、味が実に真夏の海のごとく凪いでいる。和風だしを啜っているような感覚だ。私がこれまで幾度となく啜ってきた博多系とは似ても似つかない。日本に訪れたことのない外国人が見様見真似で作った味、という風情か。

 麺をすすりながら、かためではなくふつうにすれば良かったと慣れぬことに挑戦した自分を叱咤する。

 この店は夕方までライス無料食べ放題だったが、ライスをあえて外した。替え玉するつもりだったからである。しかし、半分啜り終えて、紅生姜と高菜を投入。

 この2大豚骨わき役を投下する際、普段は替え玉からである。スープの味が思いっきり変わってしまうからだ。しかしこの日は暑さのためか箸があまり進まず、前半戦で投下。替え玉降参のサインでもある。

 豚骨ラーメンを和風ラーメンと感じてしまうとは、替え玉をスルーしてしまうとは、私の舌も猛暑ですっかりボケてしまったようである。

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思わず惹かれるPOP。

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本格的な仕様。
posted by machi at 09:48| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月24日

第2038夜:無難ではない武南【浦和・川口(埼玉)】(後編)

 ラーメンにするか、それともビールと餃子にするか……。メニューの下の方に「絶対お得なメニュー」という囲いがあり、「武南定食(900円)」に惹かれた。

 「武南」という名称も埼玉っぽさを感じさせる。ラーメン、餃子、ライスのセットだ。ラーメンと餃子を単品で頼めば860円。要するに、プラス40円でライスがついてくる計算がたつ。

 武南定食を指名。「絶対にお得」なメニューを初めての店では無難に注文することは恥ずべきことではない。

 ぼんやりする間もなく、一気に3品とも運ばれてきた。……。思わず目を剥いた。餃子、かなりでかい。王将の2倍サイズが5ヶもある。ライスも明らかに大盛だ。

 ひるみながら、まずはラーメンへ。スープをすする。……。東京濃い口鶏ガラ醤油。絶滅危惧種と思しき王道。実に旨い。麺との絡みもよい。

 餃子にかじりつく。……。アツアツの肉汁が口内ではじけた。慌てて水を飲む。二口目は慎重に。……。旨い。我が餃子人生の中でもかなりの上位ランク。すかさずライスを追いかける。思わず目を細め、口角が上がる絶品ぶりだ。

 麺をすすり、スープを飲み、餃子にかじりつき、ライスで追いかける。幸せのカルテットを満喫していると、一気に腹が膨れ苦しくなった。とても完食できそうにない。

 私はベルトを緩め、体をゆすり、胃にスペースを作った。後は気合である。空腹でもない深夜の武南定食、決して無難ではなかったようである。

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西川口の「武南定食」。

(付記)
 これ以降、この店の支店を蕨や草加で発見。最近ヘビーにお世話になっている。基本の味付けは一緒だが、サービスやメニューが店によってかなり異なり、これも楽しみの一つである。
 草加店も旨そうなメニュー目白押し。最初に水とゆで卵が運ばれてくる。このサービスも気が利いている。いろいろ迷ったが、定番のAセットに。ラーメン(550円)、半チャーハン(430円)、餃子2ヶ(160円)で980円。餃子がサービス分だ。
 この餃子が大きくてジューシー。半チャーハンは普通の1人前。ラーメンも量多し。チャーシューも大きく、醤油濃いめの鶏ガラスープ。
 まずは麺を啜り切る。ゆで卵を投下する。ラーメンの玉子は半熟よりも固ゆでが好み。私は目玉焼きは半熟、ゆで卵はハードボイルドが好みだ。
 啜り切っただけで腹いっぱいに。餃子2ヶでクッションを入れる。さらに満腹に。それからラーメンスープの呑みながらチャーハンを踊り食い。大満足の腹パンパン。
 近くに蒙古タンメン中本があったけど、ここは私には辛すぎる。蕨店もラーメン&餃子&ライスセットがお気に入り。餃子は外せない。
 会計終了後、なんと次回150円割引券が渡された。かなりお得な割引である。次回は1000円越えメニューを挑戦しつつ、この券で1000円以内に収めよう。
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草加店の「Aセット」。
posted by machi at 10:43| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月23日

第2037夜:無難ではない武南【浦和・川口(埼玉)】(前編)

 南浦和。京浜東北線と武蔵野線が交わる交通の要所である。埼玉とご縁をいただき1年以上経過。幾度となくこの駅を通過または乗り換えたが、改札を出たことがなかった。

 日中の炎暑凄まじき夜。ふじみ野市内に屹立する文京学院大学内で女子大生の皆さまとイベントの打ち合わせを終え、電車を2本乗り換えて我がミッションの元締めのお一人・T野氏と南浦和へ。私は初上陸である。

 まずは生をゴキュゴキュやりたい。どの店に入ろうか……。駅近くに煙もうもうで飛びっきり流行っている店があった。<蒼屋>。焼きとん屋である。広くない店内だが壮絶な活気にあふれている。どうせ飛び込むなら、空いている店よりもにぎやかな店が好ましい。初めての街では、無難なチェーン店よりも尖った賑わい店を鋭角に攻めたい。

 カウンターがちょうど2席空いていた。生でガツンと乾杯。その間もひっきりなしにお客がのぞいていくものの、満席撃沈をくらっている。1分遅れたらこの席を確保できなかった。

 栃尾あげをつまみながらホッピーにシフト。焼きとん&ホッピーのコンビは銀河最強。シロ、カシラなども絶品だが、愁眉だったのが、肝。ジューシーで柔らかく香ばしく、ごま油でいただく絶品串。思わずお替りしてしまうほどの実力だ。

 ガンガン呑んで、2軒目はすぐ近くのチェーン居酒屋で広々とレモンチューハイで乾杯。大満足で氏と別れた。

 我が定宿の西川口で下車。時間は22時半ごろ。夜の種族の私にとってはまだ宵の口である。腹は減っていないが、軽くでよいから呑みたい。

 駅前地下のバーに行こうとしたが、ここは西川口。私がご縁をいただいている川口市内である。川口市商連青年部長のH鳥氏が営むライブバーが駅東口すぐにある。私も1度訪れたことがある。そこに行こう。

 東口へ移動し、店へ向かう。ところが、見つけることができない。ネット検索すると店の地図が出た。それを頼りに探索するも、全く見つからない。

 誰かに道を聞こうとしたが、そんなタイミングに限り誰もいない。すると、どこからかブリーフ1枚のオッサンが現れ、路地に停めてあったあったご自分のものと思しき自転車を磨き始めた。一瞬ひるんだが、ブリーフオヤジに地図を見せた。オヤジは丁寧に教えてくださった。

 その指示通りに行くも、店が見つからない。それほどまだ酔っていない。地図がおかしいのか、私の方向感覚が狂っているのか。

 汗ドボドボになりながら、意地になって店を探した。1時間近く歩いたが、結局見つけることができなかった。隠れ家ならぬ、遠野のマヨイガだったのか。妖魔に騙された気分になり、トボトボとホテルに戻ろうとした。歩きすぎて空腹を覚えた。

 駅前に<珍来>という中華料理屋が煌々と明かりをともしていた。飛び込む。冷房が最高に涼しい。定食も麺類もご飯類も豊富。餃子も名物らしい。〔次夜後編〕

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人気店の絶品。

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闇夜のオアシス。
posted by machi at 11:22| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする