「ウィンチェスタースターハウス」。全く内容はわからぬが、ホラー映画のようである。
私はほんの数年前まで年間100本以上「映画館」に通っていたシネマディクト(映画狂)だったが、最近は映画館から足が遠のき、年間3、4本という体たらく。
映画館に通わなくなると、予告編を観ることがなくなり、情報が先細り、ますます足が遠のく悪循環に。冒頭のホラー映画など、内容どころかタイトルすら存じ上げかった。2018年6月下旬の真夜中までは。
埼玉第二の中核市・川口市の活性化を牽引する川口市商店街連合会の皆さまと勉強会終了後、恒例の銀座商店街<ミルウォーキーズクラブ>へ。日中暑くて汗ドボドボ。冷えた生ビールが水のごとく毛細血管まで吸収され行きわたる。
熱々のピザやウィンナー、たらこスパゲティ、こだわりのオイルサーディン、プレミアムウィスキーのピッチを加速させるレバーペースト……。商連の旦那衆方と談笑しながら極上の夜が流れる。9月13日にには<そ●う>屋上を借り切ってビアガーデンを開催するという。
23時過ぎのお開きに。私は埼玉の2つの定宿の一つが聳え立つ西川口へ。北朝霞が第一の定宿になりそうな勢いだったので久々の感がある。
駅前は遅くまで飲食店が開いているが、最もデンジャラスなのが、西口駅前にて深夜2時まで煌々と闇夜を照らし続ける横浜家系ラーメン店。ホテルは駅から徒歩2分程度で、その途中は風俗店がびっしり。横浜家系ラーメン店からホテルまではこの前を通らずにはたどり着けない。風俗店の呼び込みたちよりも圧倒的の横浜家系の吸引力と呼び込み力が凌駕している。
その夜は満腹だった。生ビールをチェイサーにウィスキーをストレートで2時間ガバガバやっていたのでほろ酔っている。
深夜の横浜家系は確実にウエイト増加と翌朝の激しい胃もたれを約束する。私も44歳である。コンビニも寄らず、何も啜らずホテルに向かおう。
横浜家系の前をスルーしようとした瞬間、漆黒の店頭ポスターが視界に飛び込んできた。冒頭の「ウィンチェスターハウス」のポスターである。なぜこんな店頭に飾っているのか。
立ち止まって目を凝らしてしまう。……。「恐旨すぎて、死ぬ」というキャッチが意味不明だが迫力を奏でている。
ウィンチェスターハウスはアメリカで最も呪われた屋敷らしく、なぜかその屋敷と横浜家系ラーメン<壱K家>がコラボ。上映ならぬ上喰期間は6月20日から7月22日まで。タイトルは「ウィンチェスターラーメン ビルド〜味が増築する〜」。1日数量限定という。
ポスターの左下に不穏なビジュアルのラーメン写真があるが、全然目立たない。ラーメンよりお化け屋敷の方が目立つラーメン宣伝ポスターは初めてだ。世界観は完全に意味不明だが、元シネマディクト、現横浜家系ディクトとしてスルー出来ぬ。
券売機に立つ。1日数量限定だが、余裕で購入できた。店内はそこそこ混んでいるが、このヤバそうなブツを啜っている輩は見かけない。
ぼんやり待っていると、アメリカで最も呪われた屋敷とコラボで誕生したラーメンが現れた。麺が紅色と黒色でより合わさっている。かなり不気味だ。それと、焼豚、ほうれん草の横になんだかわからぬグロテスクな物体が浮いている。
まずは混ぜずにスープを啜る。……。安定した味である。休日の昼間の一般家庭を訪れたごとき平和な味わいである。麺を手繰る。……。麺の味はとくに飛んでいないが、口に運ぶことを思い留まらせる何かを秘めている。
謎の黒い塊をほぐしてみた。……。黄金色のスープに赤潮が発生した。いきなり不穏な空気が襲ってくる。スープはピリ辛に。ポスターのキャッチにあった「味が増築する」の意味が少し理解できた。
3分の1ほど食べ終えると、ビジュアルが酸鼻を極めてきた。麺がミミズのごとき地中生物に思えてきた。……。箸とレンゲが止まった。まさにホラーな映像が眼前に広がっている。
恐るべし、ウィンチェスターハウス。旨さよりも怖さで死にそうに。このコラボラーメンを啜り、逆に映画への興味が失せてしまった。
不穏なビジュアル。
阿鼻叫喚。
怖旨すぎて、死ぬ(らしい)。
2018年08月31日
2018年08月30日
第2022夜:眠れない街【富良野(北海道)】
<トマール>。富良野新相生商店街内「コンシェルジュ」内に2018年6月1日オープンしたホステルである。前回は試泊だったが、今回(2018年6月中旬>はグランドオープン後なので本格的に。宿泊客の7割が外国人らしく、受付スタッフも国際色豊かだ。
今回はツインルームをシングルユース。人数単位ではなく部屋貸しなので大勢で泊まるほどお得である。アメニティは有料と無料があり、特に女性は事前にチェックしておく方が無難。
室内は飲食厳禁(ペットボトル除く)なので、2階の自炊可能なキッチンルームで飲み食いは楽しむことができる。ホステルらしくこのルームで国内外を含めた老若男女を問わない様々な交流が生まれることだろう。
2階に市役所の商業部局や商工会議所が入っている。その同じフロアに宿泊客が宴会可能スペースがあるのだから、アナーキーである。ちなみに1階は観光案内。土産物が充実しており、地産地消系レストランも併設されている。
その日は朝8時に長崎を発ち、バス、飛行機2本、バスを乗り継いで17時半前に富良野に到着。移動中ひたすらPC猿打していたので、眼・肩・腰がビッキビキのバッキバキ。少し横になりたいが、ミッション開始が迫っている。すぐ下のフロアの商工会議所へ向かう。
北海道の中心(へそ)は、富良野。富良野最大の祭りが2018年に50回目を迎える「北海へそ祭り」。そのメイン会場が新相生商店街。商店街には「へそ神社」の分祀がある。現在、「へそ」にちなんだ商品・サービスを各店が開発中である。へそには身体的な意味以外にも、親子の絆、中心(中央)といった意味もある。
ミッション終了後、KFCを駆逐した富良野最強<鳥せい>へ。生やハイボールをやりつつ旦那若旦那衆と談笑。焼鳥、炭焼チキン、唐揚、どれも感涙モノ。骨の髄までせせってしまう。
22時半ごろお開きに。普段は2軒目に突入だが、一昨日の大阪北部地震による交通乱れをかいくぐっての神戸から北九州、前日は長崎、そして富良野。蓄積疲労が珍しくたまっていた。まっすぐ部屋に戻る。翌朝は8時過ぎのバスで旭川空港へ向かわねばならない。
コンビニでスキャン&プリントアウトせねば翌朝の業務に差し支える案件があった。マルチ機能の複写機は3大コンビニしか現在私が知る限り常備していない。フラノマルシェ方面に7−11とR−ソンが確か並んでいるはずだ。
腹ごなしもかねて夜道を歩く。肌寒いというレベルではなく。6月下旬だがはっきりと寒い。パーカーを羽織っても寒い。すれ違った年配女性はダウンコートを着ている。
なぜか道に迷ってしまった。コンシェルジュからの位置感覚がつかめていない。なぜか北海道最強のコンビニチェーン(セイ●―マート)についてしまう。
碁盤の目に整備された中心街を20分ほど歩き、ようやくマルチコピー機のあるコンビニへ。用務をサクッと済ませた。外は寒い。20分近く歩くと腹がこなれてきた。
2つのコンビニに挟まれるように、我が札幌時代のソウルフード<山岡家>がギラめいている。夏の夜の蛾のごとく引寄せられずにいられない。時間は23時。
せめてノーマルにすればよいのにネギーチャーシューメンのスイッチを押す。海苔トッピングも追加。
カウンターで道新を読みながら昨晩の日本vsコロンビア戦勝利の余韻に浸っていると、ブツが降臨。スープは飲み切らんかったが、一気呵成に羆啜。半年ぶりの山岡家のスープが、疲労している我が細胞の1ヶ1ヶに浸透していく。ツルツルした濃厚な潤いとエネルギーが体内にいきわたっていくのがわかる。細胞が喜んでいる。
部屋に戻る。飲食厳禁なので、歯を磨いてベッドのシーツを敷いて夢枕獏先生の超伝奇大河小説を読みふける。しかし、5分もせずに睡魔が襲う。そのまま寝落ちしてしまった。
ふと目覚めた。窓景色は明るい。もう朝か。すっきり熟睡し、寝心地抜群だったので蓄積疲労が霧消。完全復活である。気持ち良すぎて目覚ましに気づかなかったのか。慌てて時間を確認する。……。深夜3時半だった。富良野は白夜だったのか。ある意味で眠らない町である。
新相生商店街の新たな核「コンシェルジュ」。
館内大充実。
絶品のチキン。
深夜の抗えぬ誘惑。
明け方3時ごろ。
今回はツインルームをシングルユース。人数単位ではなく部屋貸しなので大勢で泊まるほどお得である。アメニティは有料と無料があり、特に女性は事前にチェックしておく方が無難。
室内は飲食厳禁(ペットボトル除く)なので、2階の自炊可能なキッチンルームで飲み食いは楽しむことができる。ホステルらしくこのルームで国内外を含めた老若男女を問わない様々な交流が生まれることだろう。
2階に市役所の商業部局や商工会議所が入っている。その同じフロアに宿泊客が宴会可能スペースがあるのだから、アナーキーである。ちなみに1階は観光案内。土産物が充実しており、地産地消系レストランも併設されている。
その日は朝8時に長崎を発ち、バス、飛行機2本、バスを乗り継いで17時半前に富良野に到着。移動中ひたすらPC猿打していたので、眼・肩・腰がビッキビキのバッキバキ。少し横になりたいが、ミッション開始が迫っている。すぐ下のフロアの商工会議所へ向かう。
北海道の中心(へそ)は、富良野。富良野最大の祭りが2018年に50回目を迎える「北海へそ祭り」。そのメイン会場が新相生商店街。商店街には「へそ神社」の分祀がある。現在、「へそ」にちなんだ商品・サービスを各店が開発中である。へそには身体的な意味以外にも、親子の絆、中心(中央)といった意味もある。
ミッション終了後、KFCを駆逐した富良野最強<鳥せい>へ。生やハイボールをやりつつ旦那若旦那衆と談笑。焼鳥、炭焼チキン、唐揚、どれも感涙モノ。骨の髄までせせってしまう。
22時半ごろお開きに。普段は2軒目に突入だが、一昨日の大阪北部地震による交通乱れをかいくぐっての神戸から北九州、前日は長崎、そして富良野。蓄積疲労が珍しくたまっていた。まっすぐ部屋に戻る。翌朝は8時過ぎのバスで旭川空港へ向かわねばならない。
コンビニでスキャン&プリントアウトせねば翌朝の業務に差し支える案件があった。マルチ機能の複写機は3大コンビニしか現在私が知る限り常備していない。フラノマルシェ方面に7−11とR−ソンが確か並んでいるはずだ。
腹ごなしもかねて夜道を歩く。肌寒いというレベルではなく。6月下旬だがはっきりと寒い。パーカーを羽織っても寒い。すれ違った年配女性はダウンコートを着ている。
なぜか道に迷ってしまった。コンシェルジュからの位置感覚がつかめていない。なぜか北海道最強のコンビニチェーン(セイ●―マート)についてしまう。
碁盤の目に整備された中心街を20分ほど歩き、ようやくマルチコピー機のあるコンビニへ。用務をサクッと済ませた。外は寒い。20分近く歩くと腹がこなれてきた。
2つのコンビニに挟まれるように、我が札幌時代のソウルフード<山岡家>がギラめいている。夏の夜の蛾のごとく引寄せられずにいられない。時間は23時。
せめてノーマルにすればよいのにネギーチャーシューメンのスイッチを押す。海苔トッピングも追加。
カウンターで道新を読みながら昨晩の日本vsコロンビア戦勝利の余韻に浸っていると、ブツが降臨。スープは飲み切らんかったが、一気呵成に羆啜。半年ぶりの山岡家のスープが、疲労している我が細胞の1ヶ1ヶに浸透していく。ツルツルした濃厚な潤いとエネルギーが体内にいきわたっていくのがわかる。細胞が喜んでいる。
部屋に戻る。飲食厳禁なので、歯を磨いてベッドのシーツを敷いて夢枕獏先生の超伝奇大河小説を読みふける。しかし、5分もせずに睡魔が襲う。そのまま寝落ちしてしまった。
ふと目覚めた。窓景色は明るい。もう朝か。すっきり熟睡し、寝心地抜群だったので蓄積疲労が霧消。完全復活である。気持ち良すぎて目覚ましに気づかなかったのか。慌てて時間を確認する。……。深夜3時半だった。富良野は白夜だったのか。ある意味で眠らない町である。
新相生商店街の新たな核「コンシェルジュ」。
館内大充実。
絶品のチキン。
深夜の抗えぬ誘惑。
明け方3時ごろ。
2018年08月28日
第2021夜:うどん屋でパブリックビューイング【長崎(長崎)】
コロンビア。サッカーW杯グループリーグにおける日本の初戦国である。4年前は完膚なきまでに叩き潰されたサッカー先進国でもある。
ゲリラ豪雨が降り注いだ6月20日。日本vsコロンビア戦がロシアのどこかで開催。キックオフは日本時間で21時。日本中が耳目を集める決戦の日、私は長崎市に滞在していた。訪問先は新大工町商店街。若手商店主らとのミッション終了が21時。……。誰も集まらないのではないか。そもそも、私も気がそぞろで落ち着かぬ。
新大工ミッション終了後は毎回お楽しみの<喜助うどん>。その真ん前のビル2階がスタンディングのスポーツバー。21時ミッション後、喜助さんではなくスポーツバーでパブリックビューイングした方がいいのではないか……。
そんなオヤジ(私)の惑う心を読みすかしたように、喜助うどんオーナーかつ商店街副理事長で無類のサッカーファンであるK島氏が粋な計らいをかましてくださった。喜助うどんの座敷に50インチのTVがあり、そこで絶品料理をツマミに飲み放題をヤリながら、皆で観戦しようという試みである。すべての不安が一気に解消。同行氏たちからも笑みがこぼれている。
オーナーも交え10人でスタンバイ完了。まずは景気づけに生で乾杯。試合はいきなり白熱の展開を迎えている。下馬評では圧倒的不利だった我らが日本、前半3分に得点を決めてリード。一気にボルテージが上がる。しかし、急に場のテンションが下がりはじめる。
理由はいくつかあった。10人のうち、女子3人。女子3人は前半戦こそ「この選手イケメン」とか盛り上がっていたが、後半からは完全にファミレス女子会モード。試合そっちのけコイバナで盛り上がっている。
オヤジ7、8人のうち、私を含め観戦に夢中なのが半分。後の半分はもともと興味がなく、「どこと試合するの?」「どこの国でやってるの?」など非国民な質問が飛び交う有様だ。
スタメンにH田選手が名を連ねていなかった。関心のある我らは戦術論でスタメン落ちの理由を語り合っていたが、関心ないグループの美容師・M尾氏はすぐに分かったという。「ジェルで頭を固めていなかったから」という、美容師にしかない着眼点を披露。大笑いしたが、これは真理かもしれない。様々な視点で角度を変えると、見えぬ世界が見えてくる。
家庭では再現不可能な超絶絶品の鯖味噌煮でこちらもキックオフし、前半途中に肉豆腐、ハーフタイムは豚キムチ炒め。後半途中でおにぎりが登場し、ロスタイムは巨大な皿にたっぷり盛られた梅風味の冷やしそばという圧巻の戦術が眼前で繰り広げられた。
しかし、我ら夢中チームは画面から目が離せず、空腹なのだが箸が伸びない。画面にクギ付けのまま、生ビールを数杯あおった後、ハイボールを数杯。途中、熱燗が選手交代で登場。ついでももらっている間の一瞬だけ目をそらした瞬間、コロンビアが同点ゴールを叩き込む。
後半、半端ない男が勝ち越しヘッドを決めた。ボルテージ最高潮。一人で見るより知人友人と観戦すれば楽しさは何億倍にも膨れ上がる。
日本、下馬評を覆した見事な勝利。祝して何度目かの乾杯。次戦も喜助うどんでPVできないか。……。日時を調べる。……。日曜の深夜だった。忙しく働かれているオーナーの奥様に問うた。……。苦笑いだけ浮かべ何も言わず厨房へ消えてしまった。
タクシーでホテルに戻る。部屋で一人で缶ビールやカップ焼酎をヤリながら日本の次戦の対戦相手であるセネガルvsポーランド戦鑑賞。セネガルの強さはともかく、改めて皆でワイワイ応援する楽しさと出張先のホテル一人鑑賞のギャップに涙がこぼれそうになった。
PV熱烈応援中。
〆は毎回異なる大皿麺。
啜りながらも、視線はTVにクギづけ。
ゲリラ豪雨が降り注いだ6月20日。日本vsコロンビア戦がロシアのどこかで開催。キックオフは日本時間で21時。日本中が耳目を集める決戦の日、私は長崎市に滞在していた。訪問先は新大工町商店街。若手商店主らとのミッション終了が21時。……。誰も集まらないのではないか。そもそも、私も気がそぞろで落ち着かぬ。
新大工ミッション終了後は毎回お楽しみの<喜助うどん>。その真ん前のビル2階がスタンディングのスポーツバー。21時ミッション後、喜助さんではなくスポーツバーでパブリックビューイングした方がいいのではないか……。
そんなオヤジ(私)の惑う心を読みすかしたように、喜助うどんオーナーかつ商店街副理事長で無類のサッカーファンであるK島氏が粋な計らいをかましてくださった。喜助うどんの座敷に50インチのTVがあり、そこで絶品料理をツマミに飲み放題をヤリながら、皆で観戦しようという試みである。すべての不安が一気に解消。同行氏たちからも笑みがこぼれている。
オーナーも交え10人でスタンバイ完了。まずは景気づけに生で乾杯。試合はいきなり白熱の展開を迎えている。下馬評では圧倒的不利だった我らが日本、前半3分に得点を決めてリード。一気にボルテージが上がる。しかし、急に場のテンションが下がりはじめる。
理由はいくつかあった。10人のうち、女子3人。女子3人は前半戦こそ「この選手イケメン」とか盛り上がっていたが、後半からは完全にファミレス女子会モード。試合そっちのけコイバナで盛り上がっている。
オヤジ7、8人のうち、私を含め観戦に夢中なのが半分。後の半分はもともと興味がなく、「どこと試合するの?」「どこの国でやってるの?」など非国民な質問が飛び交う有様だ。
スタメンにH田選手が名を連ねていなかった。関心のある我らは戦術論でスタメン落ちの理由を語り合っていたが、関心ないグループの美容師・M尾氏はすぐに分かったという。「ジェルで頭を固めていなかったから」という、美容師にしかない着眼点を披露。大笑いしたが、これは真理かもしれない。様々な視点で角度を変えると、見えぬ世界が見えてくる。
家庭では再現不可能な超絶絶品の鯖味噌煮でこちらもキックオフし、前半途中に肉豆腐、ハーフタイムは豚キムチ炒め。後半途中でおにぎりが登場し、ロスタイムは巨大な皿にたっぷり盛られた梅風味の冷やしそばという圧巻の戦術が眼前で繰り広げられた。
しかし、我ら夢中チームは画面から目が離せず、空腹なのだが箸が伸びない。画面にクギ付けのまま、生ビールを数杯あおった後、ハイボールを数杯。途中、熱燗が選手交代で登場。ついでももらっている間の一瞬だけ目をそらした瞬間、コロンビアが同点ゴールを叩き込む。
後半、半端ない男が勝ち越しヘッドを決めた。ボルテージ最高潮。一人で見るより知人友人と観戦すれば楽しさは何億倍にも膨れ上がる。
日本、下馬評を覆した見事な勝利。祝して何度目かの乾杯。次戦も喜助うどんでPVできないか。……。日時を調べる。……。日曜の深夜だった。忙しく働かれているオーナーの奥様に問うた。……。苦笑いだけ浮かべ何も言わず厨房へ消えてしまった。
タクシーでホテルに戻る。部屋で一人で缶ビールやカップ焼酎をヤリながら日本の次戦の対戦相手であるセネガルvsポーランド戦鑑賞。セネガルの強さはともかく、改めて皆でワイワイ応援する楽しさと出張先のホテル一人鑑賞のギャップに涙がこぼれそうになった。
PV熱烈応援中。
〆は毎回異なる大皿麺。
啜りながらも、視線はTVにクギづけ。
2018年08月27日
第2020夜:天命【長崎(長崎)】
長崎は今日も雨だった♪。あまり腹が減っていない午後。1か月前と同じく雨の日に行った<老利>真隣に気になる店があった。<キッチン政>。洋食屋のようだが、写真入りメニューが店外にびっしり。それがどれもアナーキーでカラフルでポップ。コメントも振るっている。
昼時も終わりすいている。券売機にたたずむ。……。どれを押してよいか分からない。何種類あるのだろうか。バリエーションがすごい。そして、どれがデフォルトかわからない。各種定食、ナポリタン、カレー、丼……。クラクラしてきた。
あまり目立たない雰囲気でトルコライスを発見。押しが弱い。しかし、トルコライスといえば長崎名物。様々な要素で構成されるオトナのお子様ランチ。値段も700円と安い。2秒ほど惑い、券売機のスイッチを押した。
カウンターが満席で4人掛けがいくつか空いていたので腰を下ろす。じっくりメニューを読み込みたいが卓上テーブルには常備されていない。
店内POPを見渡す。「お客様の洋服を守るため紙エプロンあります」と頼もしい。カレーも5種類の辛さで選べるようで、一番辛いヤツは責任を負わないそうだ。ニンニク系メニューはニンニクの量を調整できるそう。無限大マークが恐ろしい。
味噌汁が運ばれてきた。これだけで得した気分である。続いてトルコライス飛来。かなりのボリュームである。ナポリタン、ドライカレー、唐揚、何かのカツ、千切りキャベツという構成。ナポリタンもドライカレーも1人前の3分の2はありそう。カツも一口サイズではない。
どこから攻めようか……。まずは唐揚にかぶりついた。ジューシーで柔らかく、味付けも見事。下ごしらえが丁寧だ。思わずビールを頼みたくなる。キャベツにドレッシングをたっぷりかけて頬張り、心を静めて戦略を練る。
私は弁当でもなんでも、基本的に一人用でサーブされる場合は、同じものを食べ続けて、次の料理へ移行する。少しづつ食べ回すことはあまりしない。唐揚、キャベツを食べ終え、ナポリタンに狙いを定める。ケチャップの焦げた香ばしい香りが鼻孔を押し広げる。
フォークに突き刺して、クルクルせずそのまま啜りこむ。……。紙エプロン必要である。そして、懐かしい味わい。昭和の味付けだ。しかし、今風の要素もどこか感じさせる。
かなり満腹になってきた。そして、カツへ。ソースが掛かっている。かぶりつく。……。どうやらチキンカツである。唐揚とは風味の異なる主張。これも思わず目を細めてしまう。柔らかいのにしっかりと味もある。
最後はドライカレー。ドライというより、ウエット気味である。口に運ぶ。……。マイルドでスパイシー。渇いたドライカレーを水平線の彼方へ置き去りにする飛翔ぶりである。
半分食べ終えた。卓上ソースを垂らす。……。味が確変する。後は口のまわりをベトベトに、わき目も降らず一気呵成。皿がきれいになった。
大満足で外に出る。雨脚が強まっている。長崎の定宿にチェックインし、荷を解いてホテルを出るとゲリラ豪雨。とても歩いては無理。傘も役にたたない。腹ごなしに歩きたかったが、私に肥え太れと天が命じているようである。
トルコライス。
店頭の券売機で迷うこと必至。
昼時も終わりすいている。券売機にたたずむ。……。どれを押してよいか分からない。何種類あるのだろうか。バリエーションがすごい。そして、どれがデフォルトかわからない。各種定食、ナポリタン、カレー、丼……。クラクラしてきた。
あまり目立たない雰囲気でトルコライスを発見。押しが弱い。しかし、トルコライスといえば長崎名物。様々な要素で構成されるオトナのお子様ランチ。値段も700円と安い。2秒ほど惑い、券売機のスイッチを押した。
カウンターが満席で4人掛けがいくつか空いていたので腰を下ろす。じっくりメニューを読み込みたいが卓上テーブルには常備されていない。
店内POPを見渡す。「お客様の洋服を守るため紙エプロンあります」と頼もしい。カレーも5種類の辛さで選べるようで、一番辛いヤツは責任を負わないそうだ。ニンニク系メニューはニンニクの量を調整できるそう。無限大マークが恐ろしい。
味噌汁が運ばれてきた。これだけで得した気分である。続いてトルコライス飛来。かなりのボリュームである。ナポリタン、ドライカレー、唐揚、何かのカツ、千切りキャベツという構成。ナポリタンもドライカレーも1人前の3分の2はありそう。カツも一口サイズではない。
どこから攻めようか……。まずは唐揚にかぶりついた。ジューシーで柔らかく、味付けも見事。下ごしらえが丁寧だ。思わずビールを頼みたくなる。キャベツにドレッシングをたっぷりかけて頬張り、心を静めて戦略を練る。
私は弁当でもなんでも、基本的に一人用でサーブされる場合は、同じものを食べ続けて、次の料理へ移行する。少しづつ食べ回すことはあまりしない。唐揚、キャベツを食べ終え、ナポリタンに狙いを定める。ケチャップの焦げた香ばしい香りが鼻孔を押し広げる。
フォークに突き刺して、クルクルせずそのまま啜りこむ。……。紙エプロン必要である。そして、懐かしい味わい。昭和の味付けだ。しかし、今風の要素もどこか感じさせる。
かなり満腹になってきた。そして、カツへ。ソースが掛かっている。かぶりつく。……。どうやらチキンカツである。唐揚とは風味の異なる主張。これも思わず目を細めてしまう。柔らかいのにしっかりと味もある。
最後はドライカレー。ドライというより、ウエット気味である。口に運ぶ。……。マイルドでスパイシー。渇いたドライカレーを水平線の彼方へ置き去りにする飛翔ぶりである。
半分食べ終えた。卓上ソースを垂らす。……。味が確変する。後は口のまわりをベトベトに、わき目も降らず一気呵成。皿がきれいになった。
大満足で外に出る。雨脚が強まっている。長崎の定宿にチェックインし、荷を解いてホテルを出るとゲリラ豪雨。とても歩いては無理。傘も役にたたない。腹ごなしに歩きたかったが、私に肥え太れと天が命じているようである。
トルコライス。
店頭の券売機で迷うこと必至。
2018年08月26日
第2019夜:9時間半の逃避行【神戸(兵庫)→小倉・折尾(北九州)】(後編)
ブツ、かしわびっしり。たっぷりのネギの緑、かまぼこのピンク。甘辛く煮詰められたそぼろ上のかしわの茶。和菓子のごとき色どりの3色。
七味の朱を加え、まずは出汁……。うまい。旨すぎる。うどんを啜る。最高にのど越し。かしわとうどんと出汁をまとめて口に含む。……。小倉に、北九州にたどり着いてよかった。
半分ほど啜り終えた後、舌に異変を感じた。かしわの量だけでなく甘辛さも倍になり、出汁に溶け出しすぎて味が濃厚になりすぎている。やはり、適量というものがあるのか。私、少々浮かれすぎていたようだ。
折尾ミッション終了後、商連の旦那衆とタクシーで<仲むら>へ。ここは年1回の究極のお楽しみ。生でガツンと乾杯。机にはずらりと刺身が尾頭付きで並んでいる。
甘鯛の甘さ、穴子の上品な淡泊、鱧の季節先取り感、鯵の勢い、虎魚の純粋……。わさび醤油、酢味噌、ポン酢を駆使しながら様々なバリエーションで楽しむ。鮮度無敵。食べきれるかと思ったが、あっという間に腹に滑り落ちる。すべてコリコリで無敵鮮度だ。
枝付きの枝豆も味が濃い。きぬかつぎは皮ごと口に放り込む。大地の力強さが毛細血管から吸収されていく。穴子の骨のてんぷらはカリッカリのサクッサク。塩加減も見事で生ビールがゲリラ豪雨のごとくノドから食道へ滑り落ちる。
豪華と鮮度を極めた刺身軍の総大将は「烏賊の姿づくり」。透き通っている。そして、動いている。箸でつまむ。押しては引く悪女も深情けのごとき弾力が箸先から伝わってくる。
醤油にチョン付けし、口に運ぶ。……。9時間半かけ折尾までたどり着いてよかった。心の底から安堵と歓喜が沸き上がる。
たっぷりと粗の唐揚が運ばれてきた。お楽しみ第2弾である。ゼラチン質、カリカリの骨、そして奥の奥に潜む髄のうまみ。焼酎水割りをやっていたが、これには生ビールだ。
烏賊のてんぷらは柔らかい。少し歯に力を入れるだけでフヒンとほどける。臭みもゼロ。純粋な本質だけが昇華している。
味噌汁で心落ち着ける。そして、〆の握りが運ばれてきた。海老、貝、いくら、雲丹、鮪、鯛、シマアジ……。握りは別腹だがさすがに苦しい。刺身で腹いっぱいになる幸せは他に変えられぬ。寿司には日本酒でありゅ。石川県珠洲市の地酒をクイッ。……。もう止まらない。
タクシーで折尾駅へ。博多行き特急乗車まで30分ある。いったん改札を出てコンビニで缶ビールと缶ハイボールを捕獲。靴下を脱いでスリッパに履き替え、脱力モード全開で缶ビールをカシュッ。ほぼ誰もいないホームで味わう背徳の旨さ。長かった一日を振り返る。
関西人には忘れられない1日になっただろう。大阪から遠く離れた北九州は平和そのものだが、2年前の熊本地震では大ごとだったはず。災害列島の恐ろしさ。いつ何時天変地異が発生するかもわからない。恐怖を戒めとし、ソニックに乗り込んだ。
たどり着いたご褒美。
折尾駅ホームにて。
七味の朱を加え、まずは出汁……。うまい。旨すぎる。うどんを啜る。最高にのど越し。かしわとうどんと出汁をまとめて口に含む。……。小倉に、北九州にたどり着いてよかった。
半分ほど啜り終えた後、舌に異変を感じた。かしわの量だけでなく甘辛さも倍になり、出汁に溶け出しすぎて味が濃厚になりすぎている。やはり、適量というものがあるのか。私、少々浮かれすぎていたようだ。
折尾ミッション終了後、商連の旦那衆とタクシーで<仲むら>へ。ここは年1回の究極のお楽しみ。生でガツンと乾杯。机にはずらりと刺身が尾頭付きで並んでいる。
甘鯛の甘さ、穴子の上品な淡泊、鱧の季節先取り感、鯵の勢い、虎魚の純粋……。わさび醤油、酢味噌、ポン酢を駆使しながら様々なバリエーションで楽しむ。鮮度無敵。食べきれるかと思ったが、あっという間に腹に滑り落ちる。すべてコリコリで無敵鮮度だ。
枝付きの枝豆も味が濃い。きぬかつぎは皮ごと口に放り込む。大地の力強さが毛細血管から吸収されていく。穴子の骨のてんぷらはカリッカリのサクッサク。塩加減も見事で生ビールがゲリラ豪雨のごとくノドから食道へ滑り落ちる。
豪華と鮮度を極めた刺身軍の総大将は「烏賊の姿づくり」。透き通っている。そして、動いている。箸でつまむ。押しては引く悪女も深情けのごとき弾力が箸先から伝わってくる。
醤油にチョン付けし、口に運ぶ。……。9時間半かけ折尾までたどり着いてよかった。心の底から安堵と歓喜が沸き上がる。
たっぷりと粗の唐揚が運ばれてきた。お楽しみ第2弾である。ゼラチン質、カリカリの骨、そして奥の奥に潜む髄のうまみ。焼酎水割りをやっていたが、これには生ビールだ。
烏賊のてんぷらは柔らかい。少し歯に力を入れるだけでフヒンとほどける。臭みもゼロ。純粋な本質だけが昇華している。
味噌汁で心落ち着ける。そして、〆の握りが運ばれてきた。海老、貝、いくら、雲丹、鮪、鯛、シマアジ……。握りは別腹だがさすがに苦しい。刺身で腹いっぱいになる幸せは他に変えられぬ。寿司には日本酒でありゅ。石川県珠洲市の地酒をクイッ。……。もう止まらない。
タクシーで折尾駅へ。博多行き特急乗車まで30分ある。いったん改札を出てコンビニで缶ビールと缶ハイボールを捕獲。靴下を脱いでスリッパに履き替え、脱力モード全開で缶ビールをカシュッ。ほぼ誰もいないホームで味わう背徳の旨さ。長かった一日を振り返る。
関西人には忘れられない1日になっただろう。大阪から遠く離れた北九州は平和そのものだが、2年前の熊本地震では大ごとだったはず。災害列島の恐ろしさ。いつ何時天変地異が発生するかもわからない。恐怖を戒めとし、ソニックに乗り込んだ。
たどり着いたご褒美。
折尾駅ホームにて。