2018年07月31日

第2001夜:立ち蕎麦狩り・1旅立編【浦和(埼玉)】

 立ち食い蕎麦。関西や北九州も充実しているが、関東の立ち蕎麦の毛細血管ぶりは圧巻である。神戸人の私にとって昆布ダシ&薄口醤油の関西風出汁一択で他に選択肢など有さなかったが、日本中飛び回るようになり、関東系のかつおダシ&濃口醤油も激愛するようになった。 

 関東はどの駅も立ち蕎麦屋を有している気がする。駅前は24時間営業店舗も多数。<F士そば>&<H高屋>が駅前にある光景は私にとって関東そのもの。ちなみに、私は北九州以外では「うどん」ではなく「そば」を選択。真夏でも「冷し」を頼まず熱々を啜る。余談だが、私は喫茶店では真夏でもホット。アイスは何故か頼もうと思わない。

 2017年度からスポットではなく定期的に関東地方に足を運ぶようになった。主戦場は埼玉県の5市町+1政令市。蕨市・ふじみ野市・越谷市・寄居町・川口市、そして県庁が所在するさいたま市(浦和)である。駅構内やホーム、駅前チェーン系や独立系の立ち蕎麦を思う存分啜ることができる幸運に思わず笑みがこぼれてしまう。

●月×日

 浦和駅の県庁側出口を出てすぐに聳えるのが関東最大最強の立ち蕎麦チェーン<F士そば>。私の初の埼玉継続ミッション。初体験の相手として相応しい。

 ショーケースを観る。「肉冨士そば」が心を掴んできた。470円。券売機を押して待つこと1分程度。眼前に肉たっぷり、わかめたっぷり、半熟卵の白が眩しい小宇宙が誕生。

 啜る。……。ほとんど意識がないままに丼が空になっていた。あまりの旨さに意識が飛んだのだろうか、それともその前に鯨飲していたため酔っ払って記憶が飛んでいたのだろうか。

180731冨士そば@埼玉浦和.jpg

△月〇日

 ある炎暑の13時45分ごろ浦和駅到着。ホームに降りた瞬間の暑さの質が違う。ミッション開始まで40分。特別空腹でなかったが、構内で何か啜ろう。<いろりAきらく>。駅構内でよく見かけるが、お手合わせは初めてだ。

 券売機の前に立つ。私はどんなに暑くても冷し系ではなく熱々系を攻める。いつものようにかき揚げ+玉子そばにしようと思ったら、やたら涼しげな巨大ポスターが眼前に。「豚しゃぶポン酢おろしそば」。実に涼やかだ。しかもICカードで購入すれば30円引き。1秒ほど迷っていると、後ろが並びだした。慌て気味に選択。さて、どんなお相手か。

 たまたま時間が重なったのだろうが、かなり並んでいた。皆さんほぼ全員冷し系。熱々を頼んでいる剛の者は見かけない。私もブツを受け取る。

 まずはおろしポン酢を和えた豚しゃぶ。……。うむ。さっぱりだが力強い味だ。そばを啜る。そばつゆにポン酢が絶妙の酸っぱさを加味させる。そばのコシもすごい。もっそり感も皆無。汁も全部飲み干した。

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posted by machi at 11:09| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月30日

第2000夜:地域経済への微量な貢献【宮古(岩手)】

 鯨飲が過ぎてブラジルvsメキシコ戦は24時過ぎからスタンディングバーで観たものの、肝心の日本vsベルギー戦開始の深夜3時には轟沈し熱戦を鑑賞できなかった岩手県宮古市の翌朝。珈琲をYシャツとズボンに思いっきりこぼしてしまい、洗濯しながら冷房の効いたホテルの部屋で二日酔いというもう一つのW杯で熱戦を繰り広げる。

 二日酔いの翌昼は宮古ラーメン一択である。ようやく空腹を覚えてきた。外に出る。一瞬で汗が噴き出す。宮古の気温は24度と発表されているが、 34度でも納得だ。ちなみに、中央通商店街の方がすぐ隣の末広町より体感温度が低い。「花香る散策路」で緑豊富ゆえか。

 歩く気分が滅失し、ホテルから徒歩1分ほどの<ぴかいち亭>。前夜訪れ鯨飲した<myフレンド>のママがマスターや女将と談笑しながらカウンターで珈琲タイムを満喫されている。

 14時間ぶりのママの隣に座り、ラーメン&半チャーハンセットを注文。マスターが軽快に厨房へ。ママらと私が見損ねたベルギー戦の感想をお聞きしていると、ブツ降臨。

 ラーメン、大盛並みのボリューム。半チャーハン、究極のしっとり系で絶品。まずは麺を一気に啜り切り、ドンブリにはメンマと絶品チャーシューのみが漂う。これをスープとし、チャーハンをワシワシ食べ進める。思わず笑みが漏れる。同時に汗も垂れる。見かねたママがハンカチで私のひたいの汗を拭こうとするが低調にお断りする。

 部屋に戻ってPCせなばならず、珈琲のお誘いを辞退してお会計しようとしたら、ママが私の分までお会計を終えていた。毎月お世話になっているのに、ご馳走になるわけにはいかぬ。

 慌てて払うとママに詰め寄ると、ママは「いいの、いいの!アヅマさんのおかげで……。」そこで言葉が止まり、ママは両手を前に突き出して指をパタパタしだした。ピアノ演奏のパントマイムか。なんのおかげだったのだろうか。意味不明だったが、お礼を言って店を出る。

 その夜。中央通商店街ミッション終了後、S本姐さんと<エルアミーゴ>。夜は涼しくて最高。ギネスをやりつつ、私的に世界で一番旨いピザを1人1枚。独り占めのシアワセに浸り、2日連続<myフレンド>へ。6時間ぶりにお会いするママに昼飯のお礼も改めて言いたい。

 2日連続のお通しであるとうもろこしを齧り、常連差し入れの巻き寿司をご相伴に。前夜の鯨井ダメージが残っている。明日は朝からバスに乗って埼玉へ。早めに切り上げよう。

 お会計のついでに、昼間のお礼をママに改めて申し上げる。「いいの、いいの!アヅマさんのおかげで…」と6時間前と全く同じやり取りに。ところが、夜は続きがあった。

 ママは私に数枚の写真付き資料を手渡した。うん、なんだろう?……。「東朋治の今夜もまちづくり」。このバカブログのプリントアウトである。<myフレンド>のことを書き散らした過去記事だ。書いた本人(私)も覚えていない。ママは経緯を語りだした。

 先日、宮古市民だが<myフレンド>に初めて足を運んだ10人ほどの男性グループが来店したという。ママは何故ウチなのか、たまたま通りがかったのかさりげなく問うたらしい。すると、その中のお一人が、我がバカブログをネット上でたまたま見つけ、それを頼りにわざわざプリントアウトして店に足を運んでくださったという。

 2010年6月からまちづくりにほとんど関係ない身辺雑記を書き散らしてきた。当初はねちっこく、オチも考えながらじっくり書いていたが、この数年は飽きてきたのか面倒くさくなり、また2010年当時と比較すると業務量も書かねばならぬ書類も数倍に膨れ上がった。

 ブログに関しては、お金をいただいているわけでもなく、誰に頼まれたわけでもない。ちなみに、ブログの管理画面に出てくる「読者数」は、4人である。

 たまに見てくださるという銀河系で30名ほどの物好きな方々への、私からの片思いなラブレター。数年前、辞めようと思った。2018年7月、第3期辞めたい気に突入していた。しかし、ママから喜ばれ感謝されると、こんなバカブログでもほんのわずかだが地域経済循環のお役に立てていることを知ると、少し気恥しいが、気持ちも上がってくる。

 私からの一方的なラブレターを受け取ってくださっている30名に満たないセニョール&セニョリータ、おかげさまで2000回(夜)を迎えました。3000夜はさすがに無理でしょうが、細々と少しでも地域経済の循環にお役に立てますよう続けてまいります。2001夜以降も、御贔屓に。

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<ぴかいち亭>のセットメニュー。

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我が世界で最も愛するピザ&ギネス。

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お通しの「とうもろこし」をかじりながら。

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わざわざありがとうございます。これからも御贔屓に。
posted by machi at 10:58| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月29日

第1999夜:巨獣復活【宮古(岩手)】

 相談役。どんな組織にも顧問・相談役といった肩書を有しているものである。宮古市末広町商店街も例外ではない。前理事長のS香氏と前副理事長のO田氏である。両氏は同級生でもある名コンビだ。

 日中の暑さが30度を軽く超えているある7月の夜。相談役として会議に参加されていた両相談役と‘シマロス’に落ち込むママが営む<のり平>へ。中央通のS本姐さんも合流。

 常連客らも交えてカウンターで楽しく飲み食い。お通しは生きゅうりの丸かじり(自家製わさび味噌付)。モツ煮込、焼鳥数本でホッピーを6杯。さんま丸干しは骨ごと味わえる逸品だ。

 お仕えして8年目になる我が主君・S香親分は怪力自慢の大男でド酒飲み。胴着を着せて爪を切った熊なら勝てると豪語するタフガイだが、ある事情で半年以上すっかり元気をなくされていた。2か月ぶりにお会いすると、かなり快復されている気配が感じられる。

 会議中の発言の切れ味と重み、会議の場へ顔を出した時の力強い足の運び、グルグルと音をたてながら檻の中をウロウロする羆のごとき存在感。

 その数時間前、親分の奥様と商店街でばったりお会いし、雑談した。奥様も快復を実感されているという。しかし、さすが長年連れ添い誰よりも親分のことを理解されている奥様の判断基準は一味違う。「妙におだやかになっていたけど、最近文句をまた言うようになってだいぶ元気がでてきたな」とのこと。さすがである。

 親分、ハイボールに度数50度のウィスキーをガバガバ足している。私も同じ濃さにしてもらい1杯呑んでみるが、ほぼ原液。親分、飛ばしすぎじゃないだろうか。

 2軒目は<myフレンド>。お通しはトウモロコシの丸かじり。1軒目はきゅうり、2軒目はとうもろこし。どちらも丸かじり。野性味にあふれている。

 私もかなり酒が回っている。親分と2軒目などいつぶりだろうか。しかし、完全復活まであと一歩。我が主君にはいつまでも元気でいていただきたい。お酒も復活までは無理していただきたくない。

 親分は超ご機嫌でカウンターへ。私はアヅマハイボール(超濃いめ)に。親分は薄めのハイボールかと思いきや「焼酎、ストレートで!」と吠えだした。店内全員で「せめてロックで!」と諫め抑える。巨獣、アルコール限定だが復活の咆哮である。

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親分(手前の紳士)、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

posted by machi at 22:14| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月28日

第1998夜:上映前の90分【新開地(神戸)】

 <シネマKOBE>。神戸新開地に屹立する私が愛してやまない2本立て映画館である。今や2本立て映画館など絶滅危惧種だが、アクション系を中心に絶妙のラインナップを我ら映画ジャンキーに提供し続けて下さっておられる。

 私は10年ほど前まで「映画館」で年間100本以上鑑賞していたが、2010年に神戸新長田を離れてから本数が一気に減った。2017年に独立してからは減少に拍車がかかった。2本立てを土日含めてノンビリ鑑賞するヒマがなくなったのだ。

 私は季節労働者である。毎年3月下旬から5月上旬までは時間に余裕が生まれる。その貴重なオフシーズンに映画を数多く鑑賞し、ミステリを乱読する。

 ある3月下旬。久々に<シネマKOBE>に足を運んだ。ところが時間を間違えて開始まで90分もあった。シネコンと異なり出入り自由なのだが、最初から鑑賞したい。90分、時間をどこで潰そうか……。新開地には朝から呑める店がたっぷりあったことを改めて思い出した。

 神戸新長田時代、楽しみの一つが休日の新開地1日満喫だった。新開地および湊川公園には2本立て映画館が2館もあり、呑み屋もたっぷり。しかも激安。映画を2本を鑑賞し、安居酒屋をハシゴする。1日呑んで食べて映画を観て5000円もあればお釣りが来るパラダイスだ。

 これまでなら映画を観終わった後に呑みハシゴしていた。余韻に浸るためと、上映中に酔いで眠ってしまわないためだ。飲みすぎると上映中に爆睡してしまうこと確実である。

 まずは<赤ひげ>へ。濃厚オヤジ率100%。瓶ビールと串カツ盛合せ。お会計は700円ちょっとだった。赤ウィンナーも小鉢も激安で旨いのだが、呑みすぎ喰いすぎ禁物。ハシゴせねばならない。

 続いて<源八すし>へ。熱燗をヤリながらマグロ、ゲソ、鉄火巻、穴子など。ネタも大きく握りたて。もちろん、回っていない。この店もいつも満席だ。値段を気にせず握りを思う存分味わえるシアワセも一緒に噛みしめる。

 上映までまだ30分ある。満腹だが、シルモノで〆よう。新開地には立ち食い蕎麦屋がかなりある。なかでも一番流行っていて、私が最も新開地地区で旨いと長年感じているのがアーケード街の<松屋>。ここのスタミナそば(たまにうどん)が天ぷら&生卵で300円。出汁も絶品。麺も冷凍ではない。無我夢中で熊啜する。

 そろそろ映画が始まりそうだ。途中コンビニに立ち寄る。満腹なのでビールはもういいか。ちなみに上映中にビールを飲みすぎるとトイレが近くなる。私はウィスキーを手に取り、レジへ向かった。準備万端である。

 映画が始まった。2本鑑賞できるシアワセ。しかし、ウィスキーをラッパしているとあまりの心地よさで90分以上爆睡してしまった。

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上映前の一軒目。

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上映前の二軒目。

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上映前の三軒目。

posted by machi at 20:31| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月26日

第1997夜:九州駅弁街道をゆく・第6宿「豊後街道弁当」【駅弁】

 「豊後街道弁当」。博多駅構内で捕獲した福岡市内の調整元・島川本店様の駅弁絵巻である。私の九州駅弁街道妄想旅も佳境に入ってきた。

 豊後といえば何となく大分あたりかと推測される。掛け紙に目を通す。鶴崎から始まり、野津原、久住、笹倉、坂梨、内牧、二重峠、大津、熊本。熊本以外、見事なまでになじみのない宿場町の数々。要するに、大分あたりから熊本まで九州中部を横断する街道なのだろう。

 博多駅から新幹線に乗車。久々の急ぎのパソコン仕事もなく、帰宅するだけというリラックスムード満点の雨模様の秋。発泡酒をズラリ3本並べた私は、隣の中国人らしきオヤジの怪訝かつ引き気味の視線を頬に幾分感じながら、掛け紙とフタを外した。……。見事な陣が引かれている。隙が見当たらない。

 陣の中央に鎮座している出汁巻き玉子、鶏の黒胡椒焼、殻をむくのが面倒で私にとっては鬼門である煮海老あたりで発泡酒をまずは1本。うぐいす豆も苦手で酒のサカナにもならぬが、箸で一粒づつツマミながら口に運んでいると、退屈しのぎになってなかなかよろしい。

 続いてごぼう天、たけのこ、人参、里芋、しいたけといった安定感あふれる煮物ゾーンの攻略を開始する。発泡酒ゴキュゴキュ、煮物モグモグ。新幹線は関門海峡の海の下を通過し始めたようだ。

 白御飯ゾーンの上に豪快にトッピングされた鮎の甘露煮と対峙する。圧倒的存在感である。頭から齧りつく。……。骨っぽさ、皆無。生臭さ、皆無。旨み、絶妙。柔らかさ、充分。満足感、大有。発泡酒が進む。この濃くも上品な甘さには、麦焼酎のロックが合いそうだ。

 発泡酒は3本目に。横のオヤジが落ちつかなさそうにそわそわし始めた。キン●マのようなサイズ、色合いの物体が2ヶ入っている卑猥なゾーンがある。キ●タマ風の物体を口に放り込む。……。揚げポテトである。塩っ気が嬉しい一品だ。

 その横の官能的な色合いのハムを口に入れる。……。ハムと思いきや、何の肉か分からぬがステーキだ。私は驚きの呻きをあげそうになる。凄まじいジューシーさ。冷えているのに、口中に肉汁が溢れる。この一品を口に運ぶだけでも、1食分の価値がある。見事である。

 発泡酒3本が焼失した。山菜とあじご飯をパクパク平らげた後、しば漬をおかずに錦糸卵が載せられた白米でシメる。しば漬と白米の相性に改めて唸らされる。

 大満足で豊後駅弁街道の旅を終えた。私の九州駅弁7街道脳内巡りは、いよいよ残り1街道となった。薩摩街道である。

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(付記)
この九州街道シリーズ駅弁を攻めていたのは、5年ほど前のはず。覚えていない。6箱までは快調だったが、残り1箱となった「薩摩街道」に出会わぬまま時が過ぎ去り、駅弁売場でこのシリーズそのものをあまり見かけなくなった。S郷どんそっくりの私だが、薩摩は未踏の地。薩摩へ行かねばこの駅弁と出会えぬのだろうか。
posted by machi at 14:30| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする