ある肌寒い2月の22時半。普天間市から那覇市に戻ってきた私たち3名はミッション終了後のプチ打ち上げもかねて<すん>へ訪れた。沖縄料理たっぷりで店構えも観光客向けっぽいのだが、いつ訪れてもほぼ満席かつ地元民しか見かけない。地元の支持が分厚い店ほど我らナイチャー異邦人は得した気分になる。
2時間飲み放題1500円というキラーコンテンツを発見。オリオン発泡酒の生で口火を切り、泡盛のソーダ割をグイグイ追加する。ソーミンチャンプル、もずく天ぷら、島らっきょう、ふーちゃんぷる、石垣牛たたき、海ぶどう……。毎週のように沖縄へ通っているが、思う存分オキナワを満喫する。
24時半ごろお開きに。せっかくだからもう一軒。明け方まで開いてそうな店も数多そうだが、私が目当てにしていた店は明け方まで開いているはずだが、なぜかちょうど閉店したところだった。居酒屋探索ついでに、マチグヮ〜エリアを探検してみよう。
同行2氏は実質的に真夜中の那覇アーケード街は初めてらしい。私は何度も歩いているが、今回は引率の立場。普段のようにただ金魚のフンのごとく後ろを着いているだけでは見えない風景が広がっている。
それにしても独特すぎる世界観である。一人で路地に座り込んでいるオヤジ、店が狭すぎるために店外にテーブルとイスを出して盛り上がっている目視70代のオヤジと20代の女性……。那覇の夜は不夜城。眠らない街だが、それは松山エリアであってマチグヮ〜エリアは割と眠るのかもしれない。
看板もユニークだ。日本一短い商店街という表記もある。中でも秀逸だったのが「鑑定 金玉 090−××××―××××」。金の鑑定なのか、それとも玉(宝石)の鑑定なのか、金運の鑑定なのか、それとも……。興味は尽きない。看板そのものが醸し出すショボさがあまりにも味わい深すぎる。携帯番号という点も激シブだ。
その3時間前。沖映通りを歩いていると、マフラーを巻いた垢ぬけた中年男性が一人で携帯で話していた。その時間の沖映通りはあまり人が歩いておらず目立つ。
何気なくその男性を見たら、石田J一氏だった。氏はどこに電話されていたのだろうか。もしかすると氏の暴れん坊っぽい「金玉」を鑑定してもらうべく予約されていたのだろうか。

沖縄料理とオリオン生。

深夜の冒険。

シュールすぎる看板。