ある2018年冬の夕方。愛知県豊川市から出石へ向かう。京都から特急に乗り換えたのだが、やはり遠い。兵庫県の広大さを痛感させられる。
出石へは1年ぶりだった。そして私は1年前に独立し「鰹、業タウンマネジメント」を立ち上げた。社員ゼロ、事務所は自宅という実質的に自由業な超零細弱小会社だが、専門領域は「商業」「商店街」「中心市街地」などである。つまり、商業系まちづくりだ。ちなみに拠点である自宅事務所は神戸(妙法寺)である。
ところが独立してから1年間。神戸どころか兵庫、近畿すらほとんど`商業系まちづくり´の仕事はなかった。強いて言えば大阪八尾の「創業ゼミ」「産業振興会議」、紀伊田辺の「創業ゼミ」程度。実質的に商業系まちづくりの依頼として1回限りだったが出石からお招きいただく。大切にせねばならない。
依頼を受けてから訪問まで正味1週間しかなく、しかもピンポイントでこの日のこの時間と生意気にも指定させて頂いたので申し訳なかったが、何とかお集まり頂いた。
出石町のバル、まちゼミ、空き家(空き店舗)対策の現況をお聞きし、意見交換。試行錯誤の手探りながらも着実に前に進んでいて頼もしい限りである。
想像以上に雪がほとんどなかった出石を発つ。八鹿駅から特急、私鉄、地下鉄を乗り継ぎ5時間弱かけて帰宅する。翌日に青森県八戸市へ向かうのだが、自宅から八戸のミッション先が5時間程度。なぜ同じ兵庫県内移動なのに八戸と所要時間が変わらないのか首を傾げながら、途中コンビニで捕獲した新発売の発泡酒をカシュッと開ける。
年度末が押し迫り狂ったように資料づくりが溜まっているのだが、1週間ぶりの帰宅である。暖房の効いた特急車両で仕事する気分に1oもなれない。
ツマミは出石で捕獲したスライスハム。指でツマミながらこれを前菜に。発泡酒2本があっという間に空になる。指でツマむという野趣が旨さを倍加させる。
メインディッシュは名古屋駅で捕獲していた「松坂牛食べ比べ弁当」。豪華である。何を食べくらべるのかというと、`焼肉´と`牛めし´。違いがよく分からぬが、タレが違うのだろう。
酒は紙パックの「鬼ごろし しぼりたて」。ストリーで吸うと酔いが余計に回る。松坂牛をツマミに、しぼりたてをストローでチューチュー。お子様ランチのような気分だが、オヤジの一人特急晩酌にお子様ランチはあってはならぬ禁断の組み合わせである。

出石のシンボル。

特急で一人宴会。

「焼肉」と「牛めし」の区別がつきにくいビジュアル。