2018年05月31日

第1958夜:しぼりたてをストローで【出石(兵庫)】

 3種の神器。商業まちづくり業界では「まちゼミ・まちバル・100円商店街」なのだろうが、兵庫県出石町の商工会商業部会が取り組む3種の神器は「まちゼミ・まちバル・空き家(空き店舗)」であるそうだ。

 ある2018年冬の夕方。愛知県豊川市から出石へ向かう。京都から特急に乗り換えたのだが、やはり遠い。兵庫県の広大さを痛感させられる。

 出石へは1年ぶりだった。そして私は1年前に独立し「鰹、業タウンマネジメント」を立ち上げた。社員ゼロ、事務所は自宅という実質的に自由業な超零細弱小会社だが、専門領域は「商業」「商店街」「中心市街地」などである。つまり、商業系まちづくりだ。ちなみに拠点である自宅事務所は神戸(妙法寺)である。

 ところが独立してから1年間。神戸どころか兵庫、近畿すらほとんど`商業系まちづくり´の仕事はなかった。強いて言えば大阪八尾の「創業ゼミ」「産業振興会議」、紀伊田辺の「創業ゼミ」程度。実質的に商業系まちづくりの依頼として1回限りだったが出石からお招きいただく。大切にせねばならない。

 依頼を受けてから訪問まで正味1週間しかなく、しかもピンポイントでこの日のこの時間と生意気にも指定させて頂いたので申し訳なかったが、何とかお集まり頂いた。

 出石町のバル、まちゼミ、空き家(空き店舗)対策の現況をお聞きし、意見交換。試行錯誤の手探りながらも着実に前に進んでいて頼もしい限りである。

 想像以上に雪がほとんどなかった出石を発つ。八鹿駅から特急、私鉄、地下鉄を乗り継ぎ5時間弱かけて帰宅する。翌日に青森県八戸市へ向かうのだが、自宅から八戸のミッション先が5時間程度。なぜ同じ兵庫県内移動なのに八戸と所要時間が変わらないのか首を傾げながら、途中コンビニで捕獲した新発売の発泡酒をカシュッと開ける。

 年度末が押し迫り狂ったように資料づくりが溜まっているのだが、1週間ぶりの帰宅である。暖房の効いた特急車両で仕事する気分に1oもなれない。

 ツマミは出石で捕獲したスライスハム。指でツマミながらこれを前菜に。発泡酒2本があっという間に空になる。指でツマむという野趣が旨さを倍加させる。

 メインディッシュは名古屋駅で捕獲していた「松坂牛食べ比べ弁当」。豪華である。何を食べくらべるのかというと、`焼肉´と`牛めし´。違いがよく分からぬが、タレが違うのだろう。

 酒は紙パックの「鬼ごろし しぼりたて」。ストリーで吸うと酔いが余計に回る。松坂牛をツマミに、しぼりたてをストローでチューチュー。お子様ランチのような気分だが、オヤジの一人特急晩酌にお子様ランチはあってはならぬ禁断の組み合わせである。

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出石のシンボル。

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特急で一人宴会。

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「焼肉」と「牛めし」の区別がつきにくいビジュアル。
posted by machi at 17:24| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月29日

第1957夜:夜の新種目・酔っ払い男女混合パシュート【豊川(愛知)】

 パシュート。スピードスケートの3人一組の「追い抜き」競技である。風抵抗を受ける先頭を交代させながら3人が一糸乱れぬスケーティングを披露。後続は前が疲れていたら腰かお尻あたりを押して勢いをつけてあげるらしい。

 ある2月の夜。愛知県豊川市役所の漢たち&諏訪町再開発商業ビル「プリオ」管理会社オールスターズと私が愛してやまぬ<一本屋>屋外特設会場で懇親会が開催された。今回は「鶏すき焼」と「豚しゃぶしゃぶ」。凄まじい量である。鶏すきは生卵で、豚しゃぶはポン酢で。生のギガジョッキで始め、2杯目以降はハイボールのギガ。楽しく美味しい夜が更けていく。

 プリオ紅一点のO田女史が帰宅され、テント内はオトコ汁100%状態に。いきなりド下ネタモードに確変する。

 プリオは再来年(2020年)に30周年を迎える。周年に向けて様々な企画を今から仕込まねばならない。プリオのトップが、女子スピードスケートで見事金メダルを獲得した日本選手団主将を呼びたいと叫びだした。日本中を感動と涙の渦に巻き込んだ男子フィギュアスケート金メダリストよりも「K平さんがいい」と言ってきかない。

 ギャラはいくらか分らぬがH生選手よりはコスト下がりそうだ。プリオの記念すべき30周年。それぐらい奮発せねばならない。2年後ならハードルも下がりそうだ。しかし、お呼びしたところで、何をしていただくのか。すわポンの着ぐるみに入ってもらうのか。

 一般的にはトークショーだろう。では、誰がそのお相手をするのか。……。私は立候補した。ギャラをもらうどころか、その年の1年間の勉強会ギャラを無償にするという条件で。即座に採用されてしまった。

 K平選手の大ファンであるプリオのトップにも喜んでいただきたい。しかし、ガハハ親父の下ネタをぶつけさせるわけにはいかない。以下、妄想シュミレーションである。

アヅマ「K平選手、本日はありがとうございました」。
K平選手「どういたしまして。楽しかったです」
アヅマ「では、最後に、あの、ちょっとポーズが何かを決めていただいていいですか?」
K平選手「……?」
アヅマ「3人で並んで腰に手をやっているみたいな…パシュートです!」
K平選手「……。私はパシュートに出場していませんが」
アヅマ「まあまあ、そうおっしゃらず。ややこしいクライアントさんからの要望なので」

 とりあえず呑み食いで酔っ払っているオヤジ3人にパシュートポーズを決めてもらった。……。何か違和感があるのだが、気のせいだろう。「夜の新種目・酔っ払い男女混合パシュート」開催は確定。K平選手は真ん中がよいだろう。

 それから2日後。22時ごろ神戸の自宅のたどり着いた私は、すぐにTVのスイッチを入れた。ちょうど冬季五輪女子パシュート決勝の真っ最中。見事金メダルを獲得したシーンをライブで見ることができた。

 選手たちの爽やかな笑顔とやりきった爽快感、嬉し涙を観ていると、2日前に豊川で開催決定した夜の新種目、なぜか「開催してはいけないな」という気分に駆られた。

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模擬実演。違和感を感じるのは何故だろう。

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豚しゃぶと鶏すき。

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屋外特設会場にて。
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2018年05月28日

第1956夜:願いごと、日本一。【安城(愛知)】

 「願いごと、日本一。」。日本屈指に盛大な七夕まつりが開催される愛知県安城市の七夕キャッチコピーである。ちなみに中心市街地活性化をけん引するまちづくり会社「安城スタイル」の事業コンセプト(コピー)もあるが、見直される可能性もある(2018年2月現在)。

 安城市中心市街地は情報収集と発信、既存事業見直しと七夕まつり再構築、拠点施設「アンフォーレ」からの回遊性強化を優先的に取り組んでいく。活性化に向けた目標(コンセプト≒キャッチコピー)があればより前に進み、様々な事業をうまく包括できブレが減るだろう。

 ミッション終了後、中心街の大人気居酒屋<つき山>へ。小上がりを占拠し、まずは生でガツンと乾杯。お通しもあさりを酢味噌で和えたモノで期待を膨らませる逸品だ。

 豪快な刺身の盛合せ降臨後、さらに豪快さを増した殻付き蒸し牡蠣が大皿にドカンと来た。オヤジ一同歓声が上がる。殻付というだけで牡蠣小屋気分になり、テンションが跳ね上がる。

 口に運ぶ。……。プリンプリン。磯の香りと旨味が蒸すことによりさらに凝縮されている。殻に残った汁も極上のスープ。すかさず生で追いかける。うまさが倍加する。

 厚切りベーコンも鼻息が荒くなる逸品。ギガハイボールに切り替える。ベーコンの濃厚な脂の甘さとスモーキーなコクが口いっぱいに広がる。分厚いので噛み応えもあり、野趣あふれる西部劇の気分だ。ハイボールとの愛称は他の追従を許さない。

 メヒカリとハゼの唐揚は尻尾までバリバリできる絶妙の揚げ加減。上品な白身の淡白さに油が加わって旨さが確変する。塩加減も頬っぺた落としである。生海苔は初めて口にしたが、お替りしたくなる深みと情を感じさせるシブく煌めく鈍色の魔性である。

 2軒目はバー<ひらり>。バーだがもつ鍋が名物という破壊力である。私も少しいただく。もつの脂がスープに溶け出し、思わず目を細め口角を上げてしまう。

 1杯目はギネスで。2杯目からはメニューにあった「安城ハイボール」。ハイボールに黒胡椒を振ったものという。安城独自の呑み方というわけではなくこの店オリジナルの気配。商品名に特に意味はないとメニューにも書かれている。

 これにハマった。2杯目からは黒胡椒大盛に。ハイボール自体もバーらしく実にこだわりをもった丁寧な仕上がり。家庭ハイボールに黒胡椒を振っても旨くなかろうが、これから安城で呑む際は「安城ハイボール」が私にとって欠かせないアイテムに。スモークチーズとの相性も彦星&織姫級の相性の良さ。結局最後は深夜2時半まで駅前居酒屋で鯨飲を重ねる。

 七夕キャッチの「願いごと、日本一。」。眺めれば眺めるほど実に味がありイメージが膨らむ秀逸コピーである。笹の数でも規模でもなく、願い事の数。願いごとが一番多く叶う街になっていただきたいものである。

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殻付き牡蠣にテンションMAX。

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厚切ベーコン、ビール&ハイボールに無敵。

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2軒目はギネスでスタート。

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安城ハイボール。黒コショウ、多めに。

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2018年05月27日

第1955夜:11時間耐久鯨飲マラソン【八尾(大阪)】

 プレゼンテーションのポイント。八尾あきんど起業塾2017最終講義(第4回)のテーマである。講師は絶大の信頼を置かせていただいている敬愛するY本中小企業診断士。受講生は開業計画書をブラッシュアップし、その成果をプレゼンの場で見事に披露された。皆さまの夢が一日も早く実現し、末永く愛されるお店に羽ばたくことを願ってやまない。

 13時に終了し、今回の起業塾に絶大なるご支援をいただいた大阪労務会計事務所のS藤氏と打ち上げを兼ねて昼呑みに。近鉄高架下ペントモールで新しく開店した串カツ屋さんへ。この店もイチから起業されたのだろうか。

 立ち呑みゾーンと座り呑みゾーンに分かれている点が秀逸だ。店内びっしりだが、かろうじて2席空いていた。カウンターはなぜか小さな子供が6人ほどズラリ。その両親や祖父母と思しき御仁方は赤ら顔でアヤしている。子供、大騒ぎ。いかにもディープ河内な光景だ。

 S藤氏の知人も交じり、16時ごろまで揚げたて串カツをサカナに生ビール、チューハイ、熱燗を痛飲。確定申告時期で超多忙な氏と別れ、私は近鉄八尾駅前ホテルにチェックイン。翌日も早朝から八尾市内で打合せ。私の自宅から八尾までは2時間ほどかかるので、帰宅が面倒くさい。泊まることにしたのだ。

 昼酒は回る。結局ジョッキ換算で10杯近く呑んだのかもしれない。ユニットバスに湯をためて浸かり、酒を少しでも抜く。なぜなら17時から再度八尾駅前で呑み会だからだ。

 酒が抜けたというより、湯につかって血流が良くなりさらに酒が回った酩酊状態のまま八尾駅前の多店舗地鶏系居酒屋へ。若手経営者育成塾「環山楼塾」OBのY田氏とS楽氏が酒の友。Y田氏とは八尾市内の別用務でご一緒することも多く、たびたびグラスを合わせているが、S楽氏はご無沙汰。話はすさまじく弾んでいく。

 ここでも生から始めてハイボールに切り替え。森羅万象様々な話の後は、八尾あきんど起業塾2016実践編受講生のY村氏がオーナーを務める海鮮系割烹<えん>へ。オープンして1年ちょっとだが、今や八尾屈指の超人気店。予約すらなかなか取れないほどである。

 時間も一回りした頃だったらしく、ちょうどテーブルが1席空いた。そこにめがけてダイブ。生、熱燗を鯨飲しながらO田マスターに料理はお任せ。刺身、牡蠣の絶妙なバター焼き風など絶品料理が竜宮城を構成している。

 充実した顔のマスターも途中から加わってビールで再度乾杯。結局ホテルに戻ったのはおそらく深夜1時前。昼の13時過ぎから音速で杯を重ねつづけ、1時間のインターバルを挟んで深夜1時前までの鯨飲マラソン。タイムは約11時間。

 普通のマラソンで日本新記録を達成すれば賞金1億円らしいが、私の鯨飲マラソンは誰も褒めてくれず、賞金もない。賞金どころか財布はさらにスカスカに。もたらされるのは翌朝のド二日酔いだけである。

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昼の1軒目。

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夕方からの2軒目。

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ラストの3軒目。
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2018年05月25日

第1954夜:もっこすランナー2018【新開地・大倉山(神戸)】

 『ブレードランナー』。1982年に公開されたリドリー・ス●ット監督&ハリソ●・フォード主演の近未来SF映画である。舞台は2019年。哲学的な内容と斬新な映像美で現在(2018年現在)でもカルト的人気を誇っている。その続編にあたる『ブレードランナー2049』が2017年に上映された。

 私は1982年版を観たことがなかったのでさらに30年後の設定になる『2049』を観ようという気分になれなかったが、2018年2月のある平日の夜。愛してやまない神戸新開地の2本立て映画館<シネマKOBE>でブレードランナー2本立てが上映されていることを知った。

 知ったのは、最終日。北九州小倉から帰神し、喫茶店をハシゴしながらPC猿打した後、18時頃に映画館へ。この絶妙すぎる2本立てを観ようと多くの映画ファンが押し寄せていた。

 独特の日本趣味が摩訶不思議な世界観を醸し出している。少なくとも1982年版を観なければ2017年上映版はさっぱり意味不明だろう。
2049年、不摂生極まりない私が万が一生存しているとすれば、75歳である。その時になれば更なる続編『ブレードランナー2079』が上映されるのかもしれない。

 2本立て映画は18時過ぎに上映が始まり、終わるのは23時過ぎ。腹ごしらえすべく久々に大倉山で途中下車して我がソウルフード『もっこす』総本店へ。チャーシューメン(麺かため)にネギを追加する。

 もっこす初啜は高校生の頃。今(2018年2月)から25年以上前である。阪神・淡路大震災も起こっていなかった。当時、鶏ガラ醤油ラーメンしか経験のないウブな高校生には衝撃の濃さだった。トンコツ醤油というジャンルを初めて知った。最初啜ったときは目が白黒したが、2度目から中毒に。もっこすを愛するようになり、我が体重も正比例し始めた。

 初もっこすから25年以上。大震災を経て神戸の街も大きく様がわりした。しかし、全く変わっていないエリアもある。もっこすの味も変わっていないはずだが、私の味覚が大きく変化した。久々に啜った際の印象は「えっ?こんなに薄味だったっけ」である。

 1日1麺(インスタント麺含む)を基本ラインに設定している私は、単純計算で25年の間に9,125杯啜っていることになる。ラーメン以外にもうどん、そば、スパゲティ、じゃじゃ麺など数限りなく啜ってきた。ラーメン世界では、あっさり鶏ガラ醤油など今や絶滅危惧種。横浜家形、二郎系など濃厚極まりない強敵と戦い続け、私の舌の角度もさらに鋭角に。

 人間は年を重ねるごとに量が食べられなくなり、味覚も薄味あっさりを求めるようになる。ところが私は加齢とともに濃厚を追及している。体重もまもなく0.1トンに達する勢いだ。

 ブレードランナー2079が上映されるであろう30年後もうっかり万が一存命であったなら、変わらずにもっこすを啜り続けているジイサマでありたいものである

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2本立。

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チャーシューメンにネギ追加。
posted by machi at 07:57| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする