2018年02月28日

第1897夜:酔ってんべぇ【寄居(埼玉)】

 「よりイイ町ワークショップ」。100人以上の熱心な聴衆を集め大盛況だった「空き店舗ゼロプロジェクトフォーラム@よりい」の熱冷めやらぬうちに、共に空き店舗に立ち向かう仲間づくりなどを目的に2017年12月中旬開催。約20名の寄居を愛する青若男女が参集した。

 4グループに分かれ大きく3つのテーマをゲーム形式で話し合う。一つ目は「寄居の好きな所・好きな店」、二つ目は「こんなお店がほしい!」、3つ目が「キャッチコピー」である。

 寄居の好きな所や好きな店に関し、ドラフト選択指名選手読み上げ的雰囲気で各グループ1位から5位まで発表。寄居のソウルフード的食堂を含めた食関連に人気を集める。玉淀の風景、人間関係の濃さ、関東一の水祭り(水天宮祭)、歴史、水、地形、ハイキング…。神戸人の私には全く意味不明な「サンキ」や「ライトアップのエドヒガン」「中間平」なども。

 欲しい店はともかく、キャッチコピーが被っていた。「よってんべぇ寄居(町)」。町外に向けて発信した分かりやすいキャッチだ。これを前面に押し出した際、イメージできる画像はあるだろうか。実はお祭り関係をトップページに持っていくのは過ち。年に1回の祭りをクローズアップされても行くことは叶わない。365日楽しめる魅力を発信することが王道なのだ。

 2017年12月中旬時点で、私は寄居町に半年間で12回も訪れていた。ただし、寄居駅から徒歩圏内以外は完全に未踏。そんな私だが、寄居の好きな所・店、印象に残ったことなどを思いめぐらせてみた。(以下、順不同)

・正喜バルの揚げたて自家製ポテトチップスと生ビールと焼き立てピザ
・金太郎と金之介の辛味噌ダレで頬張る焼鳥
・金太郎のおまかせ七輪焼セットと山盛ポテトフライ
・今井屋のかつ丼と市川ホルモンの七輪
・迫力たっぷりの河川敷から眺めた花火大会
・シティプラザホテルの大浴場
・小川町および池袋方面寄居始発ガラ空き東武線終電車
・カームのバルメニューだった玉子サンド
・空き店舗ゼロプロジェクトフォーラムの熱気
・商工会S山氏を中心とした空き店舗アベンジャーズの活躍

 天下のホ●ダが国内工場を寄居に集約することが発表されると、店舗、住宅含め一気に空店舗、空家の問合せが殺到し始めた。寄居は町民以外にもこれから関東屈指に要注目の東武東上線始発駅。よってんべぇ、首都圏の果てまたは関東平野の始まり・寄居町へ!

 その夜も終電まで駅前居酒屋45分5杯勝負。「酔ってんべぇ」な空き店舗アベンジャーズがアナタの一国一城のアルジになる夢を叶えるべく極上物件を取り揃えてお待ちしています。 

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posted by machi at 08:15| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月27日

第1896夜:〔1+1〕×6+α【朝霞(埼玉)】(後編)

 ホテルに戻ると、ロビーはカレーの匂いが充満している。少し驚きつつ見渡すと、髭を蓄えたインド系と思しき男性グループがロビーのレンジでカレーを温めて食されている。

 フロント氏に「すごいですね」とカギを受け取りつつ語り掛けると、氏は小声で「すいませんね」。満腹だったはずの胃が、スパイシーな香りに刺激された。もう一度外に出て、駅前の<かつや>でカツカレーを注文してしまいそうな気分に駆られた。

 翌日も夕方から埼玉某所で打合せ。12月も半ば。終了後、皆さまお忙しく一人で北朝霞に戻り、今夜も一人呑み。

 行ったことのないチェーン居酒屋、もとい多店舗展開店を攻めよう。<T狗>を選択。下駄箱スタイルに怯んだが、ゆったりとしたカウンターのようなゾーンが空いていて快適。天狗限定の地ビール注文。一気に生を呑み干す。

 肉豆腐が旨い。七味をたっぷり。肉豆腐、この店の名物らしく気合がこもった味付けだ。もつ煮とは異なる地味と派手が同居している。

 年末の私のお愉しみは、ミステリベストランキング。本屋で捕獲した『このミス』『週刊文春(ミステリーベスト10掲載号)を入手し持参。手持無沙汰と一人酒の寂しさが解消される。

 今夜もホッピー。中3:外1の割合。妙に旨いチーズ&じゃこのパリパリ煎餅、タルタルたっぷりチキン南蛮も旨い。料理3品、生1杯、ホッピー3杯。ドリンクが1杯オーバーだ。

 綺麗に料理も酒もなくなった。時間はまだ20時にもなっていない。ミステリランキングを読みふけっていると時間が経つのを忘れてしまう。河岸を面倒になってきた。チビチビつまめて。酒のサカナにもシメにもなるような一品はないか。

 メニューを再度熟読。……。発見。「すき焼き」である。たったの499円。生卵は当然として、うどんが入っている。たっぷり七味をふりかけ、チビチビやると極上のアテ。しかも、冷めても味が染みてそれはそれでうまさが増す。

 酒はどうしよう。熱燗も良いが、何かないか。……。麦焼酎が300mlデカンタで800円強。これにしよう。ロックで注文。たっぷりのアイスペールが嬉しい。

 まずは肉のみを攻め、攻略の後は野菜をつまみ、焼酎をやる。ロックになみなみで4杯分。感涙である。〆のうどんも一気に啜らず1本づつツルツルやれば長持ちする。すき焼き&焼酎&ミステリ雑誌で1時間以上の時がたった。

 ホテル近くの<オリンピック>というスーパーでウィスキーボトルを買い、最後は部屋呑み。漫画やミステリランキングを読みながら。北朝霞の一人の夜の方程式が出来上がった気がした。

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ミステリランキングを読みながら。

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ボリュームたっぷし。

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酒が進む。

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年末のお楽しみ。
posted by machi at 07:21| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月26日

第1895夜:〔1+1〕×6+α【朝霞(埼玉)】(前編)

 <もつ焼 松>。JR北朝霞駅前の地下の店である。店内驚くほど広く、大流行りで活気に満ちている。カウンターに腰掛け、取り急ぎホッピー注文。メニューを見る。酒のみの心を鷲掴みする王道がズラリと並んでいる。メニューを眺めるだけで酒が進みそうだ。

 看板にもあるもつ焼(1人前2本)注文。シロとハツ。塩で勝負だ。もつ煮込も外せない。野菜もたまには摂取すべくエシャロットも。ホッピーをほぼ一気で飲み干す。

 中(お代わり焼酎)を追加しつつ店内を見渡すと、スポーツ新聞が常備されている。嬉しいサービスだ。大相撲事件や二刀流の米国契約など賑やかな紙面を楽しんでいると、エシャロット降臨。味噌につけて齧りつく。……。シャクっとした歯ごたえの後、爽やかな苦みを含んだ汁が口内で弾ける。ホッピーで追いかける。谷中しょうがやエシャロットは大好物である。

 煮込みが運ばれてきた。鬼のように七味投下。極上の汁はこれだけでホッピーの勢いを加速させる。豆腐大き目も嬉しい。もつは味が染み込み絶品。人気の理由を納得する。

 串が運ばれてきた。味噌が添えられている。まずはシロにかぶりつく。……。ジューシーで歯ごたえ良く、越谷<千>級の旨さ。味噌をつけると味が変わり、満足度がアップする。ハツの旨さは今更強調することなき安定感である。

 ホッピー3杯、料理3品。頃合いである。私はホッピーに関し、外1:中3〜4の割合になる。ホッピーをセットで追加するともう3杯、3品腹に入れることになる。まだ胃に入りそうなゆえに、せっかくなので河岸を変えよう。

 お会計を済ませ、地上に出る。目の前は<ちょい呑み 来来軒>。関東の駅前を統べるH高屋グループである。中華で〆よう。

 喫煙席に座り、再びホッピー。同じセット、同じお代わり焼酎でも値段が3分の2程度になる。さすがである。メンマ120円と餃子6ヶ220円召喚。メンマもすごい量でなかなか減らぬ。餃子はジューシーで焼き加減天晴。ラー油をたっぷりぶち込んだ酢醤油で満喫する。

 ホッピー3杯目に突入したが、メンマが大量に余っている。メニューを見る。……。半ラーメンがあったことに気付く。わずか200円の至福。

 半ラーメンに余ったメンマをすべてぶち込み、オリジナルメンマ半ラーメンに。一気呵成に啜り込む。メンマを齧りつつ、ホッピー。魚介出汁が効いたスープも呑んだ後は染み込む。日高屋は夜しか訪れたことないが、セットメニューも充実しているようだ。

 1軒目、2軒目合わせてホッピー6杯、料理6品。お会計は合わせてちょうど3500円。一般的にバル(ハシゴ酒)イベントにおいて、当日券ならドリンク1杯+フード1品で5店舗回って3500円。我が北朝霞一人バルも負けていないお得感。しかし、一人呑みは手持無沙汰になり喰い過ぎる傾向に。〔次夜後編〕

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1軒目。

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2軒目。

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半ラーメンに余ったメンマを追加投下。
posted by machi at 07:41| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月25日

第1894夜:快速の罠【朝霞(埼玉)】

 北朝霞。JR北朝霞駅と東武朝霞台駅が限りなく隣接する凄まじい乗降客数のターミナル駅である。JR南越谷と東武鉄道新越谷と位置関係は類似。普段の定宿は西川口駅前の東●インだ。
 
 埼玉県内5か所(蕨・ふじみ野・越谷・寄居・川口・たまに浦和)を毎月どころか毎週のごとく縦横している2017年度の私にとって、拠点となる宿泊場所選びは大きなポイントである。キーワードは「横移動」。埼玉県内は都内から放射線状に鉄道網が伸びており縦移動は容易だが、横移動が極めて困難。直線距離は大したことないが、乗換回数が異様なまでに増える。

 そんな私にとって、北朝霞(朝霞台)は横移動観点からも抜群の地。寄居で2回、上福岡(ふじみ野市)なら1回、蕨も2回、越谷も2回。川口も浦和も2回。我が訪問先がすべて2回以内の乗換で収まる最高の利便性だ。しかし、ホテルがない。

 恐らく唯一が駅前徒歩1分程度の<シティ・イン北朝霞>。ある秋、ようやくこのホテルを2連泊で予約することができた。北朝霞および朝霞台駅周辺は何度も歩いているが、実質は乗換のみ。駅前はチェーン居酒屋中心で、思った以上に呑み屋が少ない。

 このホテル、かゆいところに手が届く。朝食はシンプルなパン&ドリンク無料だが、24時間ドリンクバー呑み放題なのである。ロビーまで降りる手間を除けば、部屋に閉じこもってPC猿打せねばならぬ身にとって入れたての本格珈琲を楽しめるのはポイント高し。料金も首都圏とは思えぬリーズナブルさである。

 ホテルカンヅメPC猿打を終え、北朝霞駅へ。夜の越谷ミッションのため、武蔵野線で南越谷まで行き、東武に乗り換えて越谷へ。予定より10分ほど早い電車があった。地理感乏しき私は大勢の乗客につられるように車内へ。早く会場入りし準備万端でミッションを迎えたい。

 ぼんやり乗っていたら、なかなか隣の駅に着かない。北朝霞から隣の駅まではかなり距離があったように記憶するが、いつまでも到着しない。徐行運転しているのだろうか。まあ良い、10分早い電車に乗れたのだから。ウォークマンを聴きながら雑誌を読む。

 電車がホームに入線する。あれ、こんな大きな駅だったっけ?……イヤホンを外した。間髪入れず「おおみや〜、おおみや〜」。大宮?全然方向が違うではないか。南越谷方面へ向かった電車ではなかったのか。

 大慌てで路線検索。大宮から浦和、南浦和、南越谷と乗り継いでようやく目的地の越谷。北朝霞から越谷まで70分もかかってしまった。凄まじい津波のごとき人波をかき分けながらホーム&階段ダッシュを運動不足の体に繰り返したのでクタクタだ。

 のちにギガハイボールを呑みながら知ったが、通勤時間帯によっては謎の直通快速が走っているらしい。恐るべしトラップ。埼玉に通い始めて半年間。まだまだ修行が足りませぬ。

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謎の快速路線。
posted by machi at 07:34| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月24日

第1893夜:アレに逢いたくて【美唄(北海道)】(後編)

 他にもカレイの唐揚や北海道らしい魚が降臨。しかし、美唄といえば、アレである。あのB-1グランプリ常連のアレである。しかし、会議所の御仁方曰く、アレを出す店は閉まるのが早いとおっしゃる。やむおえぬ。夕方に捕獲したアレのレトルトパウチで後日無聊を慰めよう。

 生からハイボール、そして熱燗のチェイサーにレモンサワーと切り替えた頃、アレがたっぷりとテーブルに飛来してきた。サプライズである。思わず笑みと歓声が漏れる。ようやくアレと、しかも本場でご対面が叶う。「美唄やきとり」である。

 北海道の焼鳥は何故か「豚ばら串」を指すこともある。しかし、美唄は当たり前かもしれなぬが「鶏」。しかし、玉ひもや皮、身、玉葱などがひとつの串にささっている。味は塩味だ。

 かぶりつく。……。満腹感が霧消した。胃が刺激された。噛みしめるごとに絶妙の塩加減の肉汁が溢れる。熱燗で追いかける。さらにかぶりつく。そして、齧りつくごとに味の変化が楽しめる。部位が違うからだ。翌朝、美唄駅に設置されていた観光マップを手にしたら、美唄やきとりが当然のごとく紹介されていた。

 美唄では明治開拓時代から「鶏の内臓まで大切に食べる」食文化が根付いていたという。レバー、ハツ、玉子、皮など様々な部位を1本の串に刺して焼く「モツ焼」が特徴であるらしい。玉ねぎを使い、炭火で焼き、味付けは塩コショウが基本。かつての炭鉱マンの疲れをいやし続けてきたそうだ。

 美唄やきとりを味わえるのは6店舗市内にあるらしく、我々が訪れた<三船>も入っていた。ちなみにこの店、‘美唄やきとり’の父と敬愛されているM船福太郎氏の看板を受け継いだ名店らしい。よくわからないが、一子相伝の重みなのだろう。

 とはいえ、他の料理にはあまり手を付けられなかった。ただ呑み、話し込んだ。その時は空腹感を感じなかったが、夜中ホテルに戻れば必ず腹が減るはずだ。コンビニは遠いわけではないが、降り続く雪の中を歩く気にはなれない。

 普段絶対に自分からリクエストしないが、余った美唄やきとりを折に入れて持ち帰らせてもらう。皆さんはすっかり喰い飽きているようで「どうぞどうぞ」と逆に喜んでもらえた。

 雪道に足を滑らせながらホテル帰着。荷を解き、浴衣に着替える。雪の中を歩いたせいか、腹の減りを覚えた。

 美唄やきとりを机の上に置く。スーツケースからポケットバーボンを取り出す。まずはバーボンをストレートでグビリ。ノドと胃を熱く焼いている。すっかり冷めたやきとりを頬張る。……。冷めても旨い本格派。硬さがバーボンに合う気がする。

 雪がしんしんと降る北国・美唄の深夜。やきとりの旨さとバーボンのほろ酔いで思わず夜中に一人で唄いそうになった。残念ながら私は決して美しい唄声ではないけれど。

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アレとご対面。

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深夜、ホテルの部屋で。

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早朝の<コアビバイ>。
posted by machi at 08:38| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする