2018年01月30日

第1877夜:大宮駅「八ヶ岳高原たまごサンド」「まい泉玉手箱」【Ekiben】

 八ヶ岳高原。この高原がどこにあるのかも存じ上げぬが、この高原を冠にした駅弁を大宮駅で発見。「八ヶ岳高原たまごサンド」。<丸政>様という調整元である。住所は山梨ということは、八ヶ岳高原は山梨にあると推理できる。我ながら名推理だ。

 2017年度から埼玉に御縁を頂くようになり、東北方面の出張と重複するため大宮駅を利用する頻度が格段に増えた。

 本格的な冬の訪れ直前の朝。新幹線で頬張る朝食用駅弁を捕獲しようと売店を物色する。激しい肉系や海鮮系、なぜか宇都宮餃子系が幅を利かせる。どれも1000円以上。駅弁で1000円以上は当たり前だが、朝飯には少し怯む金額。そして、少々ヘビーな濃さだ。

 サンドイッチか何かを売店で買うか…。立食い蕎麦を啜ろうか。……。しかし、大宮駅は新幹線改札内に立ち蕎麦スポットは存在しない。在来線コンコースへ戻るにも面倒だ。

 新幹線駅ホームに向かうと、そこにも駅弁売店が。何気なく物色すると思わず目を向いた。冒頭の「八ヶ岳高原たまごサンド」。値段は680円。八ヶ岳、高原、玉子、サンド。4文節どの単語も朝の爽やかさを感じさせる。手にする。思ったよりズシリと重い。

 新幹線に乗り込み、パッケージをいそいそと開ける。……。思わず目を向いた。玉子がパンより分厚い。それが3切れも。寄居バルで頬張った玉子サンド級の衝撃だ。他に具なし。マヨネーズもなし。玉子一択勝負に覚悟、清貧、自信、風格、王道を感じさせる。

 さっそく齧りつく。……。玉子の甘みとコクが口の中でハイジを唄い出した。パンは完全に脇役だが、玉子だけを単品で食べるだけでは生み出せない重層感を醸し出している。3ヶでも大満足のボリューム。コスパも非常に良い。

 熱い珈琲が呑みたくなった。しかし、そんな気分の時に限り、車内の売り子さんがなかなか訪れていただけない。

 同じような別の日の朝。同じく大宮駅で捕獲したのが「まい泉玉手箱」。まい泉といえばカツサンドだが、この玉手箱はそれだけでない。ミニカツサンドが3ヶ。これもしっかりとソースの味がパンにまで沁みて旨い。

 朝からビールが欲しくなる味だが、細巻、稲荷寿司、野菜煮物も入っている。カツサンドと助六のコラボ。浦和と大宮の合併を思わせるシュールな駅弁だ。野菜煮物はその間の与野市という具合か。これは酒のサカナにもなる。値段も686円と極めて良心的である。

 この駅弁は、珈琲でもお茶でも何でも合いそうだが、おそらくビールが最も合うだろう。朝から危険なひと箱である。

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分厚き黄色が眩しい。

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手軽な酒のサカナかも。

posted by machi at 12:59| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月29日

第1876夜:耶馬渓鶏vsさつま赤鶏【小倉(北九州)】

 耶馬渓鶏。どこかのブランド地鶏であることは何となく字面から推測できるが、実食したことはなかった。しかも、親子丼というスタイルで。

 ある晩夏の15時頃、北九州改め西日本の台所・小倉旦過市場<黒兵衛>へ足を運んだ。絶品のとりかつ丼を腹に入れるためである。

 サイズに(ハーフ・並・大盛り・ダブル)迷おうとしたら、その隣に表記された「親子丼」が何気なく視界に。少し目を見開いた。親子丼に2種類あったのだ。サイズではなく、地鶏違いで。耶馬渓鶏が580円、さつま赤鶏が680円。

 私は丼を腹に入れる際は基本的にかつ丼一択なので、これまで親子丼を昼食の選択肢に加えたことがなかった。そういえば親子丼を口にしたのは、数年前に同じく小倉の黄金町市場商店街<ワールド>で酒の〆にミニサイズの親子丼を腹に入れた以来だ。

 親子丼、いいじゃないか。五郎さんのように心でつぶやき、一人で軽く首肯して店員さんに「耶馬渓鶏」を注文。数年ぶりの親子丼に胸肉、じゃなく胸が高鳴る。

 程なくしてブツが置かれた。そのビジュアルをみて、思わず我が濁り目が少女漫画のごとく綺羅星が浮かんだ。なんというセクシーさ。たっぷり卵の半熟が眩しすぎる。その卵にも色のグラデーションがある。中央に載せられた三つ葉のような緑が映える。

 七味を少しパラリし、さっそく口に運ぶ。……。トロントロンのコクが口の中を襲う。出汁を含んだ半熟卵が上品な甘味の白米と混ざり合い、我が意識を天へ飛ばす。なんだ、この旨さは。この品質とボリュームでたった580円。鶏肉も噛みしめるほど味が深くなる。

 途中、卓上に常備された漬物と紅生姜が投下。舌をキリリと引き締めて後半戦はさらにスピード加速。あっという間に米粒1つ残さず平らげた。

 それから半年後。関東地方で豪雪に見舞われた風の強い正午前。<黒兵衛>のカウンターに着座する。もう1種類の親子丼「さつま赤鶏」(680円)に挑むためだ。

 2018年の大河ドラマは、薩摩隼人なアノ英雄。何となくタイムリーな気がする。空腹を極めていたので大盛に。さらに吸物を追加。

 持参した新聞を読んでいたら、程なくして着丼。思わずゴクリにノドを鳴らす。まずは吸物。……。日々の酷使から一瞬解放された肝臓が歓喜のさえずりを奏でる。

 七味をパラリし、さつま赤鶏に挑む。……。ら〜ら〜ら、らら〜ら〜こと〜ばに〜できな〜い〜♫ 旨すぎる。出汁がたっぷりで極上の贅沢。三つ葉も爽やか。夢中でかきこみ、あっという間に滅失した。

 親子丼食べ比べ、半年感覚が空いたため、イマイチ記憶があやふや。こんどはミニサイズで2種類同時に食べ比べたい。オーナーのK瀬氏が居られる際にお願いしてみよう。

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耶馬渓鶏の親子丼。

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さつま赤鶏の親子丼。

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リーズナブル。コスパ無敵。

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西日本の台所・旦過市場へお越しあれ。
posted by machi at 07:46| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月28日

第1875夜:和菓子のボジョレ【富良野(北海道)】

 へそまんじゅう。富良野最強の銘菓であり、知名度を誇る和菓子である。製造元は新相生商店街<新谷>さん。本店は様々なお菓子が美しく常備されている。

 ある初冬の夜。2018年に「コンシェルジュ」がオープン予定の富良野新相生商店街におけるビジョンづくりワークショップの席で、Y田専務から大きな和菓子のような、小さなパンのような袋に入った食べ物が配られた。

 新相生の若手実業家・H谷川氏が営む<フラノベーカリー>の試作品「へそのごまパン」。真ん中に黒いほくろのようなチョボがある。これが「へそのごま」を表現しているのだろう。

 富良野は北海道の中央(ヘソ)に位置しており、毎年「へそ祭り」が盛大に開催されている。私は写真でしか見たことないが、バカさ溢れる楽し気な祭り。もっと全国区の知名度を得てもおかしくない奇祭だ。その祭りのメイン会場が新相生商店街。へそまんじゅうに続く富良野新名物としての仕掛けだった。

 試作品であるため、試食後はアンケートに応えねばならない。「みため・味」を5段階評価で得点付けし、パッケージ等の要望を自由意見として記入する。

 私は本来めったに甘いものを口にしないのだが、2016年度に北九州折尾にて「ビスコッティ・レガーロ」開発軍師を担当してからスィーツを口にする機会が増えたような気がする。

 かぶりつく。……。和菓子ではなく、当たり前だがパンだった。アンパンである。ゴマの風味が効いた餡がびっしり。私はその時、風邪気味で鼻が詰まり味覚崩壊中だったが、甘さ控えめであったような気がする。熱いブラックコーヒーが呑みたくなるオトナの旨さだ。

 勉強会終了後、冒頭の富良野最強の和菓子会社<新谷>で活躍するT坂女史が駆け寄って下さった。女史は毎回勉強会に参加して下さっている。私に「おみやげです。どうぞ」と包を渡して下さった。なんだろう。

 中を覗いてみる。赤いパッケージだ。「へそのおまんぢう」。看板商品‘へそまんじゅう’の発展版か。嬉しいかぎり。日持ちするようだ。ありがたく頂戴する。

 翌日の夜、自宅で「へそのおまんぢう」を試してみることに。パッケージを眺める、昨夜は気付かなかったが思いっきり「2017へそまんヌーボー新豆使用」とステッカーが貼られている。開封して中身を取り出す。茶褐色のカステラのような生地に北海道の形が刻印され、そのど真ん中に日の丸のごとく真ん丸な「へそ」が表現されている。

 齧りつく。……。ガツンとした甘みが口の中で吹雪く。これも餡、それも新豆びっしり。私は慌ててブランデーを取り出した。北海道池田町民限定ブランデーである。シャープで豊潤なブランデーが舌の上で弾け、甘さを消しながらノド、食道、胃を焼いていく。さらに一口。すかさずブランデーで追いかける。思わず笑みが漏れる。1ヶで十分な満足感である。

 ボジョレはワインだけでなく和菓子にもあるとは存じ上げなかった。「へそのおまんぢう へそまんヌーボー新豆使用」。まんぢう、へそまん、ヌーボー、新豆……。何となく卑猥な語感に感じてしまう私は病気なのだろうか。

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新名物誕生?

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ボジョレな和菓子。
posted by machi at 16:32| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月26日

第1874夜:風邪が長引くワケ【八尾(大阪)】

「風邪ですか?」。大阪八尾ミッションの合間、我が弱小一人会社の顧問をお願いしているA部税理士から尋ねられた。私の声が凄まじく鼻声であったらしい。

 私の数百倍多忙で体調管理に注意を払われているA部先生と入れ替わるように、私と同じく体調管理にそれほど気をつけていると思えず、風邪が治っているのに空咳が止まらないというもう一人の顧問・S藤先生と合流。2人で先生方の事務所すぐ近くの<ハレノヒカフェ>へ。

 思いっきり満席である。カウンターに腰掛けるやいなや、オーナーが「アヅマさん、風邪ですか?」。それほどひどい声なのか。具合悪そうなのか。しかし、八尾あきんど起業塾生のお店(ハレノヒカフェ)大繁盛は心から嬉しい。

 生ビール1杯だけ飲み<がちや>へ移動。呑み放題コースを頼み、串カツや天ぷら盛合せを注文して程なくビーダッシュY田氏合流。

 氏は当日、私を商工会議所内で見かけたらしいが、氏が委員を務める会議に私は重複で参加しておらず、まさか私が八尾に来ているとは思っていなかったようだ。しかし、ちらりと私にしか見えぬ特殊シルエットが視界に入り、もしやと思い連絡下さったという。思いっきり具合が悪そうだったらしい。どれだけ負のオーラを醸し出していたのか。

 ハイボール1杯だけにし、後はひたすら熱燗2合を追加。8合ほど呑んだか。ツマミは我が定番のウィンナーやポテトフライに加え、紅生姜の天ぷらとラッキョも召喚。S藤先生が紫蘇大蒜も注文して下さる。風邪に効きそうな頼もしきラインナップだ。

 ほんの1杯のつもりがほんの10合以上呑んでしまい、そのまま<えん>になだれ込みカウンターを制圧。この店も八尾あきんど起業塾実践編だが、今や超絶人気店に。

 ここでも私は熱燗。鼻がつまって味覚を感じぬゆえ、マスターの織りなす繊細な味付けを思いっきり堪能できぬのが残念だが、穴子の湯引き風の食感と旨みだけはっきりと知覚できた。

 かなり酔った。そろそろ終電だ。風邪の予感を感じたのはその8日前。神戸を発ち田辺(和歌山)→大垣(岐阜)→豊川(愛知)→鹿沼(栃木)→蕨・ふじみ野(埼玉)→長崎。長崎帰りに神戸にいったん帰ってからの、八尾。その間、毎晩日付が変わっても鯨飲し続けていた。

 その間、風邪薬を呑み続けたが全く快方に向かうことなく悪化。長崎がピークだった。自己管理が出来ていないだけのことだが、風邪も気合一発ではさすがに直せなかった。

 終電に乗り込む前、Y田氏が手品師のような瞬間移動芸で私に「ルル ローヤル 滋養内服液」をプレゼントして下さる。風邪などの発熱で体のだるい時の栄養補給に最適で、人参3000r配合らしい。他にもローヤルゼリー350r、タイソウ750r、ショウキョウ1000r配合という。よく分からないが、1本2000円ほどするとお聞きして効き目が理解できる。

 Y田氏に深く感謝し、電車に乗り込む。すかさずルル一気飲み。体の底からエネルギーが漲ってくる。阪神尼崎で軽快に乗り換える。三ノ宮か板宿で地下鉄に乗り替えれば御の字だ。

 ふっと目の前の座席が空いた。すっと座ってしまった。そのまま酒の酔いと風邪薬が化学反応を起こし始めたのか猛烈な睡魔に襲われた。

 ふと気づけば板宿を通り越していた。「まもなく月見山〜」とアナウンスが聴こえる。最終なので、月見山で降りてタクシーで帰るしかない。

 降り立った。……。思いっきり路地のようなところが改札口だった。タクシーどころか人も歩いていない。大きな通りに出る。タクシーが来る気配が感じられない。どうせなら終点の須磨まで寝過ごせばよかった。

 八尾の熱燗と高級風邪薬、暖かな電車内という三重奏が消え、心も体も神戸のアウェー感が私を厳しく冷し始めた。

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ペンギンマンにしか見えぬワタクシ、かなりイッてしまております。

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ありがとうございます。
posted by machi at 18:43| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月24日

第1873夜:寝る前の新習慣【蕨(埼玉)】

 ヨーグルト。乳製品に関してはチーズとバター(特にレーズン)を愛するが牛乳は苦手。ヨーグルトにもこれまで1gも興味がない人生を歩んできた。

 ある晩秋の夜。埼玉県蕨市の蕨駅にほど近い居酒屋で多様なメンバーが集まって呑み会が実現。呑み放題コースで楽しく痛飲。呑み放題なのににホッピーが、それも外・中両方含まれていたことに深く感動する。

 2軒目は蕨JCメンバーが経営するバー。蕨の飲食店はどこもよく流行っている。T窪氏に以前連れてきて頂き、今回で私は2回目。楽しい時は流れるのも早い。ディタソーダ、ジントニック、バーボンソーダ、スコッチのロック。バーでは甘めから徐々にハードに移行していくのが私の流儀だ。

 終電車があったので急いで駅へ。わずか1駅だが、呑み会をご一緒させていただいたデザイナーのF旗氏も我が西川口の定宿と同じ方角。氏とホテルの前で分かれ、ホテルの部屋へ。

 F旗氏はスリムな体型を維持されている。健康と体型維持、若さの秘訣をお聞きした。太らないためには「腹八分目」。腹八分目を心掛けるとスポーツなどせずとも痩せて健康になるらしい。そして、「寝る前のヨーグルト」。理屈はよく分からないが、免疫力が上がって風邪を引かなくなるらしい。これを毎日継続するととにかく体に良いらしい。

 部屋に戻り、何となく氏との会話を思い出す。今夜もたくさん呑んだが、それほど馬喰していない。よって小腹が空いている。つまり「腹八分目」状態だ。しかし、ヨーグルトがない。私はそもそもヨーグルトを食べる習慣など1oもないが、試してみようか。

 ホテルを出て駅前のコンビニに向かう。しかしその途中、深夜2時まで開いている横浜家系ラーメン<壱角家>の灯りが視界に飛び込んできた。小腹どころか大腹が空きだした。

 フラフラと店内へ。期間限定の味噌ラーメンに白髪ねぎをトッピング。このラーメン、生姜をたっぷり利かせているという。そのキャッチに惹かれた。その時風邪気味だったの私にとって、ネギと生姜は最重要摂取食材。しかも、味噌。明らかに温まりそうだ。ライス無料で付けますかと問われ、激しく首肯する。

 ブツが運ばれてきた。さすがの迫力である。スープを啜る。確かに生姜が効いている。体の芯から温まる。ネギのシャキシャキも好もしく、血管内の血液が熱くたぎり始める。スープも家系独特の風味が香り絶品だ。

 ガンガン啜り、飯を頬張りながら数時間前にお聞きした健康法と体型維持のコツを思い出す。私は日々鯨飲馬喰の痛風オヤジ。明日の夜から寝る前にラーメン啜りを止め、ヨーグルトにしよう。そんなことを誓いながら麺1本、汁1滴、米1粒残さず胃の中に収めた。

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懇親会。

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ヨーグルトのはずが何故か……。

posted by machi at 17:59| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする