2017年12月31日

第1857夜:旭川「袋」ラーメン啜り比べ【旭川(北海道)】

 旭川ラーメン。札幌の味噌、函館の塩と並び称される醤油系が幅を利かす北海道3大ラーメンである(らしい。あまりピンとこない)。今や東京でも旭川を啜ることができるはずだ。

 旭川は有名ラーメン店がひしめく激戦区。私の北海道ラーメンソウルフードは<山岡家>だが、これは思いっきり横浜家系なので変化球。それを除けば、系統でいえば旭川を最も抱きしめている。神戸が豚骨醤油系なので、旭川の醤油がなじむのだろう。

 初めて旭川に訪れたのは2010年6月。その際は1時間ほど街中を散策した際、有名店<蜂屋>で啜った(このバカブログに書いていた)。それから7年半後。私は旭川空港に集中して通う期間が生まれた。目的地は富良野。最寄りが旭川空港である。

 神戸の自宅から神戸空港または伊丹空港から羽田を経由して旭川空港に入る。それからバスで富良野まで1時間。だいたい夕方に到着し、バババとミッションこなし、商店街の旦那衆と懇親会。翌早朝に同じルートで帰神する。全く旭川に立ち寄るタイミングがない。ラーメン啜りのハシゴができない。富良野は全くラーメンのイメージがない。

 旭川空港の売店で土産を物色していると、1食入のいわゆる「袋めん」があった。それもすべて旭川の有名店(と思う)監修の5種類。製造元はすべて「藤原製麺」。値段も181円均一。この5種類を自宅とはいえ啜れば旭川旅情気分に浸れるのではないか。さっそくレジへ。ついでに富良野でハマった「山わさび」と「ラム・マトンのタレ漬け」も捕獲。

 たまたま自宅に集中して滞在する期間があった。昼の楽しみは旭川ラーメン啜り比べ。全5選手は以下。「旭川らぅめん青葉 しょうゆ味」「旭川特一番」「らーめんや天金」「旭川よし乃本店みそ味」、そして「旭川梅光軒・醤油味ラーメン」。

 すべて同じメーカーゆえか、麺のゆで時間が4分30秒で統一。3分30秒たったらいったんかき混ぜるよう指示も一緒。水の分量が少し違うがほぼ同じ。要するに、全く同じ麺だ。違いはスープのみと思いきや、「旭川梅光軒」」だけが少し異なる。お湯が270ml、湯で時間4分位。「4分30秒」ではなく「4分位」。お湯も他の半分だ。

 ネギだけは常備したいのだが、切らしている。条件を同じくするために、葱抜き。具はスライスハムのみ。胡椒パラリで抜身のシンプル勝負に持ち込む。

 結論。どれも旨かった。独特の旨みとトロミがある旭川醤油を見事に再現している。麺も生麺っぽい。粉が噴いた麺ではないから簡単に湯がくことができる点もポイント高し。

 みそ味の「よし乃」は優劣つけがたいが、他の4種の醤油系はどれも似ているが微妙に異なる。個人的には「青葉」か「梅光軒」か。他の3種も含め、それぞれの実店舗で啜らねば判断つきかねる。袋麺で181円は高額かもしれないが、ヘタなその辺の店の600〜700円のラーメンより遥かに旨い。旭川空港かどこかで見かけたら、ぜひお試しあれ。

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どれも旨かったです。
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(付記)
このバカブログを御笑覧の銀河系30名ほどのセニョール&セニョリータ、いつもありがとうございます。2017年ラストは年越しそば替わりに旭川の名店の味を再現したローカル袋麺特集でございます。大晦日の夜更けは麺類を啜りながらステキな年越しをお過ごしくださいませ。2018年もご贔屓に!
posted by machi at 16:00| Comment(2) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月30日

第1856夜:桃と橙の官能【富良野(北海道】(後編)

 すっきりとクリアなのに味がどこまでも重層的。麺とのカラミも抜群。円熟と新鮮が高難度に同居した奇跡の逸品。シメ〆のシメに現れた「さくらアイス」を一口だけ頂く。うっすらと桃色がかっている。……。桜餅の味がするアイスだった。

 富良野最強の呑み歩き侍・Aキラ氏が不在だったので、気を使って下さったY田氏のお誘いでH谷川氏とI塚氏の4人でY田氏同級生が営むバーへ。

 ディタソーダを注文する。「えっ、何ですか、それ?」と返され少し時が止まったが、気を取り直しジントニックに切り替える。

 乾きモノをツマミに男女のイトナミを含めた森羅万象を話題に杯を重ねていると、思いっきり仄かに黄色と緑がかった橙色のヌレヌレが大皿山盛りで飛来してきた。メロンだ。

 北海道産メロンの代表格といえば夕張かもしれぬが、富良野産メロンも凄まじい実力を秘めているという。食べ慣れているはずの3氏とも何故か驚いている。

「これ、最後のメロン⁉」

 富良野産メロン(ふらのメロンではないらしい)の最盛期はとっくに過ぎており、十分に熟した最高級の甘さと果汁を有した奇跡の1玉であるらしい。

 私は普段果物を口にする習慣が皆無なので最初はそれほどテンション上がらなかったが、同行氏たちの弾けっぷりを拝見すると試さずに居られない。

 フォークで果肉を突き刺す。手ごたえのある柔らかさとしか表現できぬ。弾力と柔軟がむっちりと瑞々しく同居しているようだ。

 口に運ぶ。……。ほんのわずか、ごくほんのわずか果肉に歯が当たっただけで、密が溢れ出した。なんだ、これは。

 さらに噛みしめる。口の中が極上の甘い川で氾濫する。果物を口にしてこれほどの衝撃を受けたのは間違いなく人生初。果肉もグズグズではなく張りを保っているのに、溢れる密。

 これは、食べる官能小説である。1切だけのつもりが、フォークが伸びる。半分ほど一人で腹に入れてしまった。今後、これ以上のメロンに出会うことはないだろう。

 この甘さに対抗するには、甘いカクテルよりキリッと爽やかな蒸留酒系が合う。ワイルドターキーのソーダ割、つまりバーボンソーダだ。

 バーボンの香りに潜む仄かな甘味が、ビチビチにはねた炭酸と絡み合い、口の中でバブルダンスを暴れ踊る極上の密を洗い流していく。夢のような、富良野の夜。

 大満足で外に出る。まさに交差点で4人バラバラ別方向に解散。キリッと済み切った寒さが心地よい。台風が近づいている。しかし、富良野の夜は満天の星だ。

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我が生涯最初で最後の最高のメロン。
posted by machi at 13:58| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月28日

第1855夜:桃と橙の官能【富良野(北海道】(前編)

 ラムしゃぶ。私は大学時代の4年間を札幌で過ごした。社会人になりオッサンになった今も、最低年1回以上、多い年は10回ほど札幌だけでなく道内各地を訪れる機会があった。

 北海道といえば、ジンギスカン。要するに羊の焼肉である。ラム、マトンに関わらず私は羊肉を愛しているが、これまで「焼いた」ことしかなかった。2017年10月までは。

 我が体感温度は冬であったある10月中旬の北海道富良野の夜。ラムを焼かずに湯がく「ラムしゃぶ」がウリの<千成>さんへ新相生商店街のナイスガイ8人で繰り出した。

 ラム肉はジンギスカンスタイル、つまり焼くことがすべてと思い込んでいたので、しゃぶしゃぶは想像もつかなかった。余談だが、私は牛しゃぶより豚しゃぶ派だ。

 目の前に美しすぎる薄切り桃色の可憐なラムちゃんが並んでいる。ボリュームたっぷりだ。薬味も3色色鮮やか。ポン酢かと思いきや、甘味のあるジンギスカンのタレとも違う独特の旨みを放つタレ汁だった。自家製なのだろう。これまで味わったことのない風味だ。

 生で乾杯し、鍋がグツグツ煮える間にお通しをツマミつつ談笑していると、対面のH谷川氏がラム肉を生で喰いだした。牛はOK、豚と鶏はアウトであることは知っていたが、羊の生はOKなのか?一瞬引きつつも呆気に取られてしまう。

 氏は頷きながら旨そうに頬張る。富良野スタイルは生喰か…。肝を冷やしていると、私だけでなく同行氏たちも引いていたので一般的ではなかったようだ。何故か少しほっとする。

 生で喰える(らしい)ラム肉をさっと泳がせる。わずかに色が変わるとタレにつけ頬張る。……。私の空気頭の皺なし脳がメェ〜と鳴いた。柔らかく、さっぱりとしているのにラム肉特有のキックが舌にタップする。鼻から抜ける野生の香りすら高貴。いくらでも食べられる。

 煮過ぎはご法度。ふんわりと柔らかいタイミングでさっと湯がくのが王道。ジンギスカンにおける羊の脂で焼かれた野菜の旨さは他の追従を許さないが、ラムしゃぶ野菜も負けていない。野菜が数倍旨くさせる魔法が羊にはあるのだろう。

 シメは北海道らしくラーメンで。うどんや雑炊は想像できぬ。ラーメン一択の鍋だ。タレに付けて啜る。……。ムヒョムヒョしたくなる旨さだ。

 隣のY田氏が鍋の出汁を器に直接すくい、ラーメンを投下している。おや、どうしたのだろう。……。

 オリジナル塩ラーメンだった。ラム肉と野菜の旨みが溶け込んだ油膜煌めく透き通る出汁に麺を入れ、多めに塩を振る。胡椒パラリ。塩多めがポイントらしい。

 実験ラボの気分で私も試してみる。塩、多め。まずはスープを啜る。……。今、新しく愛が生まれた。新相生商店街の相は『愛』に改名すべきだ。おもてなし部門富良野最強を目指す新相生、勝手に改め新愛生商店街。そんな気分にさせる極上の鍋シメであある。〔次夜後編〕

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可憐な美しさ。

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煮過ぎはご法度。

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〆ラーメン、極上。

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毎月ありがとうございます。

posted by machi at 18:22| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月27日

第1854夜:奥会津の玄関口【柳津(福島)】

 赤べこ。読んで字の通り‘赤牛’の意味である。土産物玩具として見かけるが、その発祥の地が福島県柳津町である(らしい)。

 ある秋の夕方。奥会津の玄関口として風光明媚な柳津へ初めて訪れる機会を得た。お仕えして6年半(2017年10月時点)にある我が主君・岩手県宮古市末広町商店街S香前理事長が柳津町商工会で講演されることになり、私は太鼓持ちとして同行させていただくことに。

 会津若松まで迎えに来て下さったのが柳津町の主要産業を一手に引き受ける財閥かわちやグループの稲M部長。たまたま偶然だったが、その半年以上前に岡崎で開催されたまちゼミサミットにて隣席をご一緒させていただいた美魔女・稲M姐さんの弟様だった。凄まじい奇遇に鳥肌を立てながら車で約30分、柳津へ到着する。

 かなり暗くなっていたが、稲M氏に町内を車でご案内いただく。コンパクトな坂の町。斜面に家を建てているので2階が玄関の家も多い。ライトアップされた日本三虚空蔵菩薩とされる圓蔵寺も風情満点だ。

 その夜。S香親分の凄すぎる密度のご講演が終了した後、ワークショップ形式で参加者が柳津の魅力・強み・チャンスを出し合った。

 圧倒的なシンボルが前述の禅寺・圓蔵寺。紅葉、桜、雪景色など風光明媚。温泉が湧き出ている。エメラルドグリーン(普段は)の只見川とそれに掛かる赤い橋、ホタルが飛び交いウグイが泳いでいる。日本屈指のローカル線・只見線にはSLが走る。清水も美味しそうだ。

 町には休止中だがスキー場もありスポーツ施設が充実。門前町の街並みが風情満点で、会津一とされる花火大会や七日堂、十三講詣りという伝統行事も根付いている。名物はソースカツ丼で、会津若松と柳津でソースカツ丼の流儀が異なるらしい。

 最大の名物が「あわまんじゅう」。私もお土産で頂き食べてみた。粟を使っているのか生地が独特の食感。そして災害に「あわない」という意味を掛けているという。

 人口3,500人という顔の見える人間関係の濃さも賛否あるだろうが魅力の一つ。芸術関係の造詣ゼロの私は勉強不足で存じ上げなかったが、斎藤清美術館もスゴイらしい。世界的に有名な版画家という。

 柳津は一般的なビジネスホテルはないようで、温泉旅館に泊まることになる。その夜は商工会副会長様がかわちやグループ会長でもあり、<清流の宿かわち>に泊めていただく。贅沢に広々とした和室が一人一室。「東さま1名」とドアの横に貼られている。

 旅館内で懇親会。贅を尽くした料理がびっしり目の前に並ぶ。何故か私と佐香親分は結婚式に高砂のような配置で座っている。会津若松の稲M姐さんも参戦。私と佐香親分だけ生ビール。それからは観たことどころか市販されているのかもわからないプレミアムすぎる地酒をコップでガバガバ。一升以上呑んだのではなかろうか。

 24時過ぎにお開き。露天風呂大浴場は24時で終わりなのだが、特別の計らいでお借りする。広々を独り占め。疲れがホロホロと湯に溶けていく。気分最高である。

 部屋に戻る。会津若松で買った地酒を手に親分の部屋を訪ねると、鍵開けっ放しのまま爆睡されていた。私は部屋に戻り、コップ酒でさらにグビグビ喉に放り込んだ。

 翌朝。朝食準備完了の電話で目が覚める。さっと誰もいない露天風呂で軽く酒を抜いてから朝食会場へ。親分はまだ寝ているようだ。普段こんな時間に朝食を食べぬが、温泉旅館は別。心のこもったオカズに感動し、ご飯をお代わりしてしまう。味噌汁がしみじみ旨い。さらに 女将さんが地酒とあわまんじゅうと赤べこキーホルダーをお土産に下さった。感激である。

 午前中少し時間に余裕ができた。グループの方のご案内で福島屈指の地域資源「圓蔵寺」へ。車を降りて階段を上る。格式のある禅寺だ。注意書きはかなり多いが、素晴らしい古刹。空気の静謐が体の芯にカツを入れてくる。

 厳粛な気分に浸っていると、私達の登ってきた階段の逆側からどんどん観光客が山津波のように押し寄せてきた。あっという間に100人以上が境内に。会津の奥座敷、底知れぬポテンシャルである。

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風情ある門前町。

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贅沢の極み。

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贅沢の極み・その2。

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何故か親分と高砂席。

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超プレミアムをコップでガバガバ。

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温泉を独り占め。

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朝からがっつり。

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普段はエメラルドグリーン。

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日本三大虚空尊像がある圓蔵寺。

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柳津最強の名物「あわまんじゅう」。

posted by machi at 18:15| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月25日

第1853夜:ならぬことはならぬ【会津若松(福島)】

 戊辰戦争。1867年大政奉還・王政復興となり翌年に鳥羽伏見の戦いが勃発。戦局は会津へと向かった、日本最後の内戦の地が会津である。会津の中心は福島県会津若松市である。江戸情緒と明治風情が絶妙に同化する日本屈指の観光地であり、城下町である。

 2017年10月下旬。私は会津若松に足を運ぶ機会を得た。しかし、滞在時間はわずか2時間弱。初訪問と思い込んでいたら、記憶その他を色々ひも解けば2002年頃、要件すら覚えていないが訪問した形跡が過去の手帳やネット上に残っていた。その時の記憶を引っ張りだす。

 神戸から会津若松へ向かう道中、東●圭吾先生の大傑作超大作『白夜行』(集英社文庫)を読みながらだった。あまりにも面白く気付けば東京駅。それから色々乗り継いだはずだが、読書に夢中で乗り過ごしそうになった記憶がよみがえった。

 その日は日帰りだったようで街並み散策もせず要件(覚えてないが)が済めば宇都宮へ移動し、当時「食のまち構想」を神戸新長田で展開しようと目論んでいたので、宇都宮餃子のまちづくり視察に専念していたことは覚えている。ゆえに会津若松の印象は忘却の彼方だった。

 郡山からバスで約1時間。15年ぶりに会津若松に足を踏み入れる。駅で我が主君・お仕えして6年半になる宮古市末広町商店街S香親分と合流。今回は親分が会津の柳津町で当夜にご講演されることになり、私はその太鼓持ちとしての同行だ。

 先方と会津若松で合流することになっているが、2時間弱のフリータイム。会津若松にも詳しい親分とオヤジ2人で城下町デートに勤しむことに。

 駅前のどなたかの銅像の横に「あいづっこ宣言」なる標語があった。

一 人をいたわります
二 ありがとう ごめんなさいを言います
三 がまんをします
四 卑怯なふるまいをしません
五 会津を誇り年上を敬います
六 夢に向かってがんばります
やってはならぬ やらねばならぬ ならぬことは ならぬものです

 わが身に置き換える。……。最近人様をいたわった記憶がない。オヤジになるにつれ感謝や謝罪がおざなりに。日頃からガマンなどせず欲望のまま生活している。魑魅魍魎が跋扈する卑劣卑怯裏切りの世界で生きている。郷土(神戸)をあまり誇らなくなった上に年上には横柄な態度で接している。オヤジになって夢など滅失してしまった。

 ……。私は「あいづっこ」にはなれないが、せめて会津若松滞在中だけは「あいづオヤジ」でありたい。

 親分と七日町(なぬかまち)エリアへ。アンテナショップとカフェが併設された駅舎が激シブである。街並みは可能な限り保存されており、風情満点。土産物屋も多く観光客で賑わっている。様々な新施設もオープンしているようで勢いを感じさせる。周遊バスもレトロだ。

 私はS郷隆盛氏に瓜二つと言われている。薩摩とは1oも縁もゆかりも有していないが、見た目は完全に薩摩隼人。薩摩といえば、長州とならび会津にとってはDNAレベルの不倶戴天の仇敵。私が歩くだけで石を投げられるのではないかとヒヤヒヤしながらの散策だったが、会津の皆さまは親切で笑顔が素敵だ。

 市内には数えきれぬほど史跡がある。とても全部回れない。野G英世青春通りへ。N口氏は青春時代を過ごしたそうで、生家と記念館が残されている。

 S香親分が酒蔵を探している。お目当ては「末廣」。末広町の親分が「末廣」を目指すのは独特の妙がある。非常に立派な酒蔵で30分に1度工場見学を行っている。ここでしか買えない酒も充実している。

 貴重な機会なので工場見学に参加。蔵内は様々なイベントが展開されており、地域貢献の度合いの高さが伺える。

 見学を終え、売店で土産に日本酒を購入する。そして5種類の酒が無料で試飲できる。ふくよかで甘い酒の香りをたっぷり嗅ぎ、酒造りの蘊蓄をたっぷり拝聴した後である。ぜひ試飲してみたい。しかし、間もなく柳津町でミッション開始。

「がまんをします。ならぬことは ならぬものです」。

 2時間限定にわか会津オヤジとして、我慢という名の奥歯を噛みしめた。

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親分と散策。

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あいづっこ宣言。

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酒蔵。

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誘惑の試飲コーナー。
posted by machi at 09:37| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする