宮古に通い詰めて6年目に突入した私だが、秋まつりだけは観たことがなかった。台風10号被害で延期され、私が担当する商店街主催の「宮古街なか復興市2016秋」と結果的に共催っぽくなったため見学することができた。
日が沈み、一気に周囲は暗くなった。思いっきり冷え込んできた。10度を軽く切っているのではなかろうか。私のミッションは終わったので震えながら路上に佇んでいると、<肉のよしだ>に大将が私を手招き。店に入る。ドアが閉められているので暖かい。
すかさず缶ビールを手渡して下さった。カシュッと乾杯。すかさず料理が並べられた。新鮮極まりない秋刀魚の刺身。醤油に一味唐辛子を振りかけて浸して食べる。初めての体験だが、目から鱗の旨さ。意外なほどサッパリといただける。
鮎の塩焼を頬張っていたら、驚愕も松茸御飯も降臨。松茸をツマミにビールを呑んでいると、お囃子が聴こえてきた。M川先生率いる手踊りパレード隊である。
いったん店を出て声援を送る。少し暖まった体が一瞬で冷え込んだ。慌てて<肉のよしだ>店内に戻る。何かの肉(牛ではなかったと思う)と野菜を煮込んだ暖まる料理と、日本酒だ。日本酒がしみじみ嬉しい。思わず目を細める。
再度大きな音が聞こえてきた。思わず店を飛び出す。巨大な船出汁である。先陣を切るのは山口太鼓。固定演技は何度も拝見したが、パレードは初めて。「やっちゃれやっちゃれ!」と叫び提灯を上げ下げしながら勇壮に、元気いっぱいのパレード演舞。これは素晴らしい。
<肉のよしだ>さん。最高の桟敷席である。続いて宮古のそのまんまネーミングゆるキャラ(サーモンくんとミヤコちゃん)と市長閣下が乗った山車が続く。宮古あばれ太鼓、よさこいチームが闇夜の商店街に活気を与えていく。
パレードが終わったようだ。冷え込みはさらに増してきた。それにしても寒すぎる。打ち上げに参加するまで時間が余っている。末広町のS香親分とO田シニア氏と商店街の<小本屋支店>へ。酒屋さんだが、店内で呑むことができる。本州最東端の「角打ち」でなかろうか。
缶ビールや缶チューハイなど視界に入らない。カップ酒一択。できれば熱燗でヤリたいところだが、それは叶わぬ夢。「あさ開」を手に取り乾杯。グビリとやる。胃の腑がキュッと温まる。
小本屋さんからでもパレードは十分に楽しめただろう。寒い夜に暖かい店内で酒精とともに楽しむ商店街パレード。大相撲の砂被りに負けない極上の贅沢である。

やっちゃれやっちゃれ山口太鼓。

<肉のよしだ>さん店内から。

サーモンくんとみやこちゃん。

あばれ太鼓。

おそらく本州最東端の角打ち。