どきどきうどんの聖地は北九州小倉だが、それも駅中心の中心市街地ではなく車なくてはたどり着けぬディープゾーンにどきどきは生息。イチゲンでは再訪困難な分かりにくさ極める場所にある。北九州市民でも未啜な方が多いとお聞きする。
麺道の黒帯・北九州U野氏に初めてどきどきうどんの店に連れて行っていただいて以来、私はすっかりその魔力の虜。これまで何度もこのバカブログで魔性ぶりを書き散らしてきた。
二日酔いの朝。風邪気味の日。体調絶不調の日の特効薬は、私にとってはどきどきうどんに限る。どうしても神戸の自宅で啜りたくなり、いそいそと自宅近くのスーパーへ。どきどきの再現を試みた。どきどきうどんは「ほほ肉うどん」。牛のほほ肉など普通手に入らないので、牛丼の具で代用する。実はこれが私なりの工夫である。
うどんを湯がいてザルで切る。続いて鍋に水、麺つゆ、醤油を入れて沸騰させる。冷凍牛丼の具を汁ごとぶち込む。牛丼の具の汁で甘みを加え、醤油を足すことでしょっぱさを際立たせる。甘みと辛みのコントラストがキモである。
沸騰すれば、ザルで切ったうどんをぶち込んで軽くひと煮立ち。丼に移して8割完成。これだけならただの肉うどんだが、ここからが自家製なんちゃってインチキどきどきの本領だ。
生姜はチューブではなく、土生姜をたっぷりとすり下ろしておく。きざみネギはスーパーでパックされたものが簡単。唐辛子は一味や七味ではなく、強烈な粗挽か輪切タイプがパンチ力を高める。
湯気を上げる丼に、きざみネギ、すりおろし生姜、輪切唐辛子をたっぷりとトッピングする。肉と汁のブラウン、うどんのホワイト、生姜のイエロー、唐辛子のレッド、ネギのグリーン。戦隊ヒーローのような華やかさである。
出汁を啜る。……。生姜と唐辛子の辛さが強烈に舌を刺激する。うどんを啜る。肉を喰らう。頭皮から汗が吹き出し、涙腺から滴が垂れる。幾度も鼻を噛む。頭がボーっとする。意識が遠のく。食べ疲れる。……。胃の腑が暴れている。汗が引かぬ。……。1時間後、体内の細胞が弾けんばかりにすっきりし、体調が回復している。デトックス効果というヤツか。
本場小倉のどきどきうどんの味わいには1000分の1も及ばないが、雰囲気とそれっぽい味にはなっている。どきどき未体験の紳士淑女は5分で出来るので、ぜひご自宅でお試しあれ。北九州在住の方は……お店でホンモノをお啜りあれ。

自家製なんちゃってドキドキうどん。
(付記)
このバカブログを毎度御笑覧の銀河系30名ほどのセニョール&セニョリータ、2016年もありがとうございました。本年最後は、年越しそば代わりにうどんネタで。ネタの死蔵ストックが200以上まだ残っておりますので、これからもボチボチ続けていけたらと思います。皆さまにとってステキな2017年になりますように。これからも御贔屓に!