私は2軒目と思い込んでいたが3軒目に訪れたのが<風丹>さん。明け方6時まで開いている頼もしさだ。ラストオーダー30時という表記を初めて目にした。カウンターはバルの参加店舗オーナーたちで賑わっている。戦いを終えて皆さんステキな表情を浮かべている。
この店のバルメニューは強烈である。24時以降限定のラインナップが揃っている。しかも伊丹57会というグループメンバーとのコラボという。9種類のコラボメニューはどれも旨そうだが、とんでもないパンチ力を放っている。
私は最初「殺人ロシアンカレーパン」という暗殺者メニューを頼もうとした。しかし、汁モノでシメたい。「殺人麻婆うどん」も危険な香り漂っているが、「麻婆ホルモン殺人カレー」がダントツで凶悪なオーラを放っている。<風丹><ナゴミヤ><吉田>コラボメニュ―らしい。
最終的にどのように注文したのかあまり覚えていないのだが、どうやら私は「殺人麻婆うどん」と「麻婆ホルモン殺人カレー」を組みあわせた「麻婆ホルモン殺人カレーうどん」なるハイブリッドな悪の新生児を生み出し、啜ったようである。翌朝のスマホ画像で分かったのだが、ちなみに撮影時間は深夜4時だった。
啜る。……。濃厚に旨い。中華とカレーが絶妙にミックスし、ホルモンの歯ごたえと旨みとコクが全体を包み込んでいる。その5秒後、激辛という弾丸でコメカミを撃ち抜かれた。体中の血液が一瞬で沸騰し、アルコールと化学反応を起こした。このあたりで記憶が飛んでいるのだが、後日マダムのFBを拝見すると私は汁まで完食したらしい。その後、つっぷくしたようである。
外に出た。朝日が眩しい。阪急伊丹線に乗り込み、塚口で普通列車に乗り替えて神戸三宮へ。車中爆睡。どうやって乗り替えたのかも覚えていない。
ふと覚醒した。意識朦朧のまま何故か春日野道駅のホームに立ちすくんでいる。そして、抱え込んでいるはずのカバンがどこにもない。
財布、定期、ガラケー、スマホは作業着ポケットの中で無事だったが、カバンにはスケジュールを書きこんだ手帖がある。これがないと今後の予定が全く分からず、多方面にご迷惑をおかけしてしまう。そして、我が自宅マンションのカギである。このままでは家に入れない。
阪急忘れ物センター営業時間まで2時間ほど。電車の中で爆睡し、いったり来たりを繰り返しながら9時頃電話。氏名とカバンの特徴を伝えた。何時間かしてもう一度電話してくれとおっしゃるので、4時間後に期待せず掛けてみた。
何と見つかったそうだ。しかし、何故か西宮北口駅構内で捕獲されたようである。この駅に降りた記憶が全くない。麻婆ホルモン殺人カレーという極上絶品バズーカで私の海馬あたりが破壊されたようである。

深夜4時のリーサルウエポン。

魅力あふれるコラボメニューの数々。

スマホに残っていた画像。2軒目らしいが、1oも記憶なし。