ふくよか熟女は私の上半身の作務衣をはだけだした。熱々のタオルも何枚も頭や首に巻き、肩のあたりにたっぷりとローションを摺り込んできた。
仰向けのまま肩揉みされるのも初めて。気持ちいい状態とツボに入ってかなり痛い状態を交互に繰り返す。気持ち良くて眠りそうになると、痛いツボを刺激されて目を覚ましてしまう。
10年ほど前は頻繁にクィックマッサージを利用したが、最近は足を踏み入れた記憶がない。疲れていないのだろうか。
頭、手の平、足裏が私の快楽指圧3本柱。肩、腕、手の平などの上半身の後は、太ももやふくらはぎの下半身をマッサージ。太ももの膝に近い内側を刺激された時は激痛で悲鳴を上げそうになるが、ぐっと黙って眉間にしわを寄せる。
うつぶせになれと指示された。ふくよか熟女は「痛かったら言って」と言うやいなや私の足の裏、脹脛、腰、背中、肩あたりを縦横無尽に全体重掛けて足踏みし始めた。確かに見事にツボを刺激してくる。ただ、決して痛くはないのだが「重い」のだ。
腕時計を外しているので時間が分からないが、そろそろフィニッシュだろう。足裏が残っている。足裏に迫りくる快楽に期待で光悦していると、「はい、終わり」と一言。あれ、足裏は…?
どうやら「全身」に足裏は含まれていないシステムだった。時間切れで発射タイミングを逃した下半身だけ裸のバカ殿になったような釈然としない気分のまま部屋を出る。
足裏以外の全身(股間除く)をたっぷり90分間揉み解されて今まで経験したことにおない血流の巡りで体が熱っぽい。しかし、お預けを喰らった足裏だけが妙に落ち着かない。
台湾最後の晩餐を終え、屋台を視察し、ホテルに戻る。空港行きバス出発まで1時間ほど残っている。ホテル周囲はマッサージ屋が溢れている。
私は寸暇を惜しみ、先ほどのリベンジにホテル近くの日本語看板表記が頼もしい<呉老師>へ。美容院のような造りだが、明るくて開放的。先ほどの店の隠微さは微塵も感じられない。
男性スタッフは私にしきりと70分全身コースを進めてくるが、バスに乗り遅れて帰国できない。アロマスパ足湯+足裏マッサージ(頭・首・肩付き)40分500元(約1750円)を選択。先ほどの店は足裏だけなら30分700元(約2,450円)。かなり安くてお得な気がする。
更衣室で短パンに履き替え、アロマ足湯に10分浸かる。その間に頭、肩、首を揉み解してくれる。武道家のごとき短髪の引き締まった男性が力強く指圧してくる。痛いが我慢できる絶妙の力加減。先ほど90分も全身マッサージを施したのに凝っているようで、自分でも理解できない。
残り30分はたっぷりと足裏とふくらはぎ。足裏にローションをたっぷり使用し、グリグリと滑らせるように指圧される。痛気持ちいいとはこのための言葉。体が溶けそうになった。
ちなみにこの店、「足裏を含む」全身マッサージ(アロマバス足湯付き)が120分で1,200元(4,200円)。足裏もスッキリし、ホテルへ戻る。ちょうどバスが迎えに来る時間だった。
暗く隠微なマッサージルーム。
明るく開放的。
2016年07月31日
2016年07月30日
第1505夜:バカ殿様の全身マッサージ【台北(台湾)】(前編)
<ダイナスティ理容名店>。日本語表記では床屋みたいだが、タクシー運転手の揚さんが電話で予約して下さったマッサージ店である。
店頭に何故かバカ殿メイクを施した志村●ん氏の巨大パネルが。なんだ、ここは?入口付近ではオッサンや制服を着たオバちゃ…じゃなく貴婦人たちが気だるそう煙草を吸っている。
地下に受付ロビーがある。壁面には芸能人のサインや写真がいくつか飾られているが、圧倒的にスペースを制圧しているのが志村け●氏。氏オススメの店という表記がある。
ママさんのような人がメニュー表を持ってきていろいろ説明して下さる。足裏健康マッサージが30分で700元(約2,450円)、全身マッサージが90分で1,500元(約5,250円)。明らかに全身の方がお得である。
他にも様々なオプションコースがあった。同行氏たちは全員30分の足裏マッサージ。私だけ全身コースを選択する。
ぼんやり店内を眺める。青い事務員の制服のようなものを着た年配熟女が多数だが、時折明らかに制服ではない露出度の高い若くてスレンダーな美人女性が小さなポーチを手にして店の内外を行き来している姿を頻繁に見かける。ちなみに制服年配熟女のスカートも膝上だ。
私は、妙な違和感に襲われた。我々が座るソファーにはオッサン3人(私を含む)とその奥様2名と小学生のお嬢様1名。店内の醸し出す雰囲気と我々の面子構成のギャップが凄まじい。
「全身コースのお客さまぁ〜」。お呼びがかかった。
私は極力照明を落とした通路に入ると、目視レベルで推定年齢50代前半の太ったオバチャ……ふくよかな熟女がタオルを持って待っており、私を個室に誘導する。そして、カーテンを閉めた。
個室にはマッサージベッドが中央に鎮座しており、正面は鏡。明らかにクイックマッサージではない雰囲気が漂っている。
スカート膝上ふくよか熟女は超カタコト日本語で笑顔も見せずに私に服を脱げと指示。上着を脱ぐと、「下も」と一言。パンツ1枚になり、作務衣のようなものに着替えさせられた。
トイレに行かなくてよいかと尋ねられたのでとりあえず向かう。壁面には何故か巨大なコンド●ムのポスターが掲示されている。廊下ですれ違うのは露出度の高い若くてスレンダーなポーチを持ったいい匂いのする美女ばかり。おやおや。
個室に戻る。仰向けに寝かされる。ふくよか熟女がいったん部屋から離れる、別の満面の笑みを浮かべた熟女が入室。横になっている私に顔を近づけ、笑顔で「オニィサン、イイヒトネ〜」。
状況が呑み込めないので困った笑顔を浮かべていると、美顔マッサージのオプション営業だった。私には1oも効果があるとは思えない。お断りすると、秒殺で退出していった。
再びふくよか熟女が戻ってきた。個人的に目つきの険しい愛想のないふくよか熟女は最初のセッティングだけで、若いオネエサンに変わるのかと期待したのだが、私が甘かったようだ。〔次夜後編〕
バカ殿様がお出迎え。
店頭に何故かバカ殿メイクを施した志村●ん氏の巨大パネルが。なんだ、ここは?入口付近ではオッサンや制服を着たオバちゃ…じゃなく貴婦人たちが気だるそう煙草を吸っている。
地下に受付ロビーがある。壁面には芸能人のサインや写真がいくつか飾られているが、圧倒的にスペースを制圧しているのが志村け●氏。氏オススメの店という表記がある。
ママさんのような人がメニュー表を持ってきていろいろ説明して下さる。足裏健康マッサージが30分で700元(約2,450円)、全身マッサージが90分で1,500元(約5,250円)。明らかに全身の方がお得である。
他にも様々なオプションコースがあった。同行氏たちは全員30分の足裏マッサージ。私だけ全身コースを選択する。
ぼんやり店内を眺める。青い事務員の制服のようなものを着た年配熟女が多数だが、時折明らかに制服ではない露出度の高い若くてスレンダーな美人女性が小さなポーチを手にして店の内外を行き来している姿を頻繁に見かける。ちなみに制服年配熟女のスカートも膝上だ。
私は、妙な違和感に襲われた。我々が座るソファーにはオッサン3人(私を含む)とその奥様2名と小学生のお嬢様1名。店内の醸し出す雰囲気と我々の面子構成のギャップが凄まじい。
「全身コースのお客さまぁ〜」。お呼びがかかった。
私は極力照明を落とした通路に入ると、目視レベルで推定年齢50代前半の太ったオバチャ……ふくよかな熟女がタオルを持って待っており、私を個室に誘導する。そして、カーテンを閉めた。
個室にはマッサージベッドが中央に鎮座しており、正面は鏡。明らかにクイックマッサージではない雰囲気が漂っている。
スカート膝上ふくよか熟女は超カタコト日本語で笑顔も見せずに私に服を脱げと指示。上着を脱ぐと、「下も」と一言。パンツ1枚になり、作務衣のようなものに着替えさせられた。
トイレに行かなくてよいかと尋ねられたのでとりあえず向かう。壁面には何故か巨大なコンド●ムのポスターが掲示されている。廊下ですれ違うのは露出度の高い若くてスレンダーなポーチを持ったいい匂いのする美女ばかり。おやおや。
個室に戻る。仰向けに寝かされる。ふくよか熟女がいったん部屋から離れる、別の満面の笑みを浮かべた熟女が入室。横になっている私に顔を近づけ、笑顔で「オニィサン、イイヒトネ〜」。
状況が呑み込めないので困った笑顔を浮かべていると、美顔マッサージのオプション営業だった。私には1oも効果があるとは思えない。お断りすると、秒殺で退出していった。
再びふくよか熟女が戻ってきた。個人的に目つきの険しい愛想のないふくよか熟女は最初のセッティングだけで、若いオネエサンに変わるのかと期待したのだが、私が甘かったようだ。〔次夜後編〕
バカ殿様がお出迎え。
2016年07月26日
第1504夜:白菜はどこだ?【台北(台湾)】
故宮博物院。世界四大博物館の一つと称される、広大な敷地を有する人類の至宝を集めた宝物殿である。
悠久の歴史を誇る中国。先史時代から近年(清)までの中国大陸歴代皇帝が収蔵してきたコレクションを一堂に会している。65万に及ぶ宝物の中でも、展示されているのは1%以下らしい。本館以外にも2015年の12月末に別館がオープンしたそうだ。
見どころたっぷりだが、私達の持ち時間は60分ちょっと。残念だがとてもすべてをじっくり見学できる時間はない。私のようなムー系考古学フェチには一日居ても飽きないかもしれない。
チケットを買って館内へ。日本語表記も多いので有難い。日本人もかなり多いが、中国本土からの観光客も凄まじい数。私は一人で駆け足気味に見学する。
博物院が誇る3大至宝がある。2800年以上昔の西周時代の銘文が刻まれた三足青銅器「毛公鼎」、豚の角煮そっくりな象牙の「九層象牙球」、そして圧倒的一番人気が翡翠を材料にした清代の白菜の置物「翠玉白菜」である。ガイドブックを観て、私は首を傾げた。これらの存在を髪の毛一本ほども知らなかった。
65万点に及ぶ人類の至宝の中で一番価値があるとされているのが、清代の白菜の置物。翡翠を使っているので高価なのだろうが、なぜ白菜なのか。そして、なぜ豚の角煮なのか。これらがルーブルならモナ・リザ、大英ではロゼッタ・ストーンに匹敵するというのか。
チケット売り場にはこれらの品が展示されている部屋番号が掛かれており、この場所は混むから注意してというような内容の表記があった。土産物売場は白菜をかたどったストラップや栓抜き、ボールペンばかり。それほどまでの一枚看板なのか。
とりあえず1階から攻めていく。明から清にかけての生活用品中心。じっくり見たいが時間がない。2階を泣く泣く飛ばし、重要宝物が収められている最上階の3階へ。
8000年前のイヤリングに驚かされた。また、伝説の国家であるはずの夏王朝の遺物もあった。個人的に一番感慨深いのが、春秋戦国時代から秦の時代の武具や酒器。なぜなら超絶悶絶超弩級面白漫画『キン●ダム』にハマっているからだ。キ●グダムの時代に想いを馳せる。コミックの1シーンがリアルな実感を伴って脳裏に浮かぶ。
3大宝物の中で「毛公鼎」はじっくり鑑賞できた。時間が無くなってきた。せめて残りの2至宝だけでも目にしたいが、広大な展示面積のためどこにあるか分からない。
豚の角煮は諦め、白菜一本に絞った。私は速足で展示会場を物色したが見当たらない。人が多く集まっているエリアに目星をつけたが、適度に分散されている。残り時間10分。敷地が広いので集合場所まで時間がかかる。
私は館内のイヤホンを耳に装着している女性学芸員に尋ねることにした。日本語が通じるかと思ったが全く無理。英語で尋ねようと思ったが、白菜という単語が分からない。忙しそうな女性学芸員は早くしろというスルドイ目を送ってくる。
周りを見渡した。白菜のポスターがあった。それを指差し、首を傾げながら思いっきり日本語で「どこ?」と一言尋ねた。お姉さんは即答した。「没有」。
メイヨウ。意味は「ありません」。私でも分かる中国語である。お姉さんは即座に立ち去った。世界四大博物館が誇る一枚看板、どこにいったのか。
タクシーで同行氏らに尋ねたら、どこかに貸し出しているらしいとのこと。日常生活の中で最も身近かつポピュラーな存在である白菜、故宮博物館では近そうで遠い高値の華である。
故宮博物館。
ミュージアムショップは白菜グッズばかりなりけり。
悠久の歴史を誇る中国。先史時代から近年(清)までの中国大陸歴代皇帝が収蔵してきたコレクションを一堂に会している。65万に及ぶ宝物の中でも、展示されているのは1%以下らしい。本館以外にも2015年の12月末に別館がオープンしたそうだ。
見どころたっぷりだが、私達の持ち時間は60分ちょっと。残念だがとてもすべてをじっくり見学できる時間はない。私のようなムー系考古学フェチには一日居ても飽きないかもしれない。
チケットを買って館内へ。日本語表記も多いので有難い。日本人もかなり多いが、中国本土からの観光客も凄まじい数。私は一人で駆け足気味に見学する。
博物院が誇る3大至宝がある。2800年以上昔の西周時代の銘文が刻まれた三足青銅器「毛公鼎」、豚の角煮そっくりな象牙の「九層象牙球」、そして圧倒的一番人気が翡翠を材料にした清代の白菜の置物「翠玉白菜」である。ガイドブックを観て、私は首を傾げた。これらの存在を髪の毛一本ほども知らなかった。
65万点に及ぶ人類の至宝の中で一番価値があるとされているのが、清代の白菜の置物。翡翠を使っているので高価なのだろうが、なぜ白菜なのか。そして、なぜ豚の角煮なのか。これらがルーブルならモナ・リザ、大英ではロゼッタ・ストーンに匹敵するというのか。
チケット売り場にはこれらの品が展示されている部屋番号が掛かれており、この場所は混むから注意してというような内容の表記があった。土産物売場は白菜をかたどったストラップや栓抜き、ボールペンばかり。それほどまでの一枚看板なのか。
とりあえず1階から攻めていく。明から清にかけての生活用品中心。じっくり見たいが時間がない。2階を泣く泣く飛ばし、重要宝物が収められている最上階の3階へ。
8000年前のイヤリングに驚かされた。また、伝説の国家であるはずの夏王朝の遺物もあった。個人的に一番感慨深いのが、春秋戦国時代から秦の時代の武具や酒器。なぜなら超絶悶絶超弩級面白漫画『キン●ダム』にハマっているからだ。キ●グダムの時代に想いを馳せる。コミックの1シーンがリアルな実感を伴って脳裏に浮かぶ。
3大宝物の中で「毛公鼎」はじっくり鑑賞できた。時間が無くなってきた。せめて残りの2至宝だけでも目にしたいが、広大な展示面積のためどこにあるか分からない。
豚の角煮は諦め、白菜一本に絞った。私は速足で展示会場を物色したが見当たらない。人が多く集まっているエリアに目星をつけたが、適度に分散されている。残り時間10分。敷地が広いので集合場所まで時間がかかる。
私は館内のイヤホンを耳に装着している女性学芸員に尋ねることにした。日本語が通じるかと思ったが全く無理。英語で尋ねようと思ったが、白菜という単語が分からない。忙しそうな女性学芸員は早くしろというスルドイ目を送ってくる。
周りを見渡した。白菜のポスターがあった。それを指差し、首を傾げながら思いっきり日本語で「どこ?」と一言尋ねた。お姉さんは即答した。「没有」。
メイヨウ。意味は「ありません」。私でも分かる中国語である。お姉さんは即座に立ち去った。世界四大博物館が誇る一枚看板、どこにいったのか。
タクシーで同行氏らに尋ねたら、どこかに貸し出しているらしいとのこと。日常生活の中で最も身近かつポピュラーな存在である白菜、故宮博物館では近そうで遠い高値の華である。
故宮博物館。
ミュージアムショップは白菜グッズばかりなりけり。
2016年07月25日
第1503夜:過去現在未来【台北(台湾)】
「龍山寺」。ガイドブックによると、台湾最強のパワースポットであるそうだ。台北最古の寺院らしく、地元で最も信仰を集めているという。
台湾は仏教、儒教、道教が混在する多神教かつ多宗教国家。信仰も篤い。中に入らずとも門の前に通りかかった人が手を合わせている。タクシーなどいったん門の前に止めて、運転手さんが手を合わせてから颯爽と走りだすほどだ。過去から現在に至る歴史の重みを実感できる。
台湾の今(現在)を体感できるのが商業施設。日本から(確か)撤退した<カルFール>が核テナントのショッピングセンターへ。<ニTリ><Y野家>といった日本でお馴染みの店も入っている。
台湾の吉N家も気になるが、ここで牛丼戦争を一人で始めたら昼食予定の小籠包が腹に入らない。回転寿し店も1階の目立つ場所で圧倒的存在感を放っていた。
前夜に夜市で土産を買いこんだ私は、カバンが欲しかった。紙袋よりもしっかりして大きく、そして安いものを。カルFール店内を物色していたら発見。キャスター付で便利だが、人間が入りそうなほどの大きさ。安物なのでガラガラ音が強烈に賑やかだ。
「A1鮑魚麺」なるインスタントラーメンも購入。アワビラーメンである。その10日前、韓国釜山で午前中にビールを呑みながら啜った記憶が鮮明である。食べ比べてみよう。ちなみに値段は日本円で約530円。袋麺の中でも突出した高値だ。
屋台で買いこんだ土産と同じものが売っていた。値段を確認すると、屋台よりも2割以上高い。こちらは値引きなどできないだろうから屋台の方が安いということになる。
食品売り場が楽しい。弁当が100円程度で売っている。鍋専用食材バイキングも充実。焼き立てパンの香りが実に香しい。
レジで精算し、店外へ出ようとしたらセンサーが反応する。幾度試しても反応する。警備員が私に駆け寄ってきた。レジのお姉さんが万引き防止アラームの取り外しを忘れていたようだ。
レジのお姉さんは駆け寄ってきて「すいませ〜ん」と日本語で申し訳なさそうな顔をする。私は何と答えたらよいかわからず苦笑を返しただけだった。
台湾の未来を感じさせる建築物といえば、台北の新たなシンボルとなった「台北101」。高さ509m、地上101階、地下5階の超高層タワービルである。2004年竣工当時は世界一だったそうだ。ちなみに日本一は大阪天王寺の「あべのハルカス」300m。倍近い差を付けられている。
中に入らず下から仰ぎ見るだけだったが、大昔の人がバベルの塔を見上げた時はこんな気分だったのだろう。神から罰が降らないことを祈るばかりだ。
台湾のパワースポット「龍山寺」。
インスタント麺売場に惹かれる。
509m。
台湾は仏教、儒教、道教が混在する多神教かつ多宗教国家。信仰も篤い。中に入らずとも門の前に通りかかった人が手を合わせている。タクシーなどいったん門の前に止めて、運転手さんが手を合わせてから颯爽と走りだすほどだ。過去から現在に至る歴史の重みを実感できる。
台湾の今(現在)を体感できるのが商業施設。日本から(確か)撤退した<カルFール>が核テナントのショッピングセンターへ。<ニTリ><Y野家>といった日本でお馴染みの店も入っている。
台湾の吉N家も気になるが、ここで牛丼戦争を一人で始めたら昼食予定の小籠包が腹に入らない。回転寿し店も1階の目立つ場所で圧倒的存在感を放っていた。
前夜に夜市で土産を買いこんだ私は、カバンが欲しかった。紙袋よりもしっかりして大きく、そして安いものを。カルFール店内を物色していたら発見。キャスター付で便利だが、人間が入りそうなほどの大きさ。安物なのでガラガラ音が強烈に賑やかだ。
「A1鮑魚麺」なるインスタントラーメンも購入。アワビラーメンである。その10日前、韓国釜山で午前中にビールを呑みながら啜った記憶が鮮明である。食べ比べてみよう。ちなみに値段は日本円で約530円。袋麺の中でも突出した高値だ。
屋台で買いこんだ土産と同じものが売っていた。値段を確認すると、屋台よりも2割以上高い。こちらは値引きなどできないだろうから屋台の方が安いということになる。
食品売り場が楽しい。弁当が100円程度で売っている。鍋専用食材バイキングも充実。焼き立てパンの香りが実に香しい。
レジで精算し、店外へ出ようとしたらセンサーが反応する。幾度試しても反応する。警備員が私に駆け寄ってきた。レジのお姉さんが万引き防止アラームの取り外しを忘れていたようだ。
レジのお姉さんは駆け寄ってきて「すいませ〜ん」と日本語で申し訳なさそうな顔をする。私は何と答えたらよいかわからず苦笑を返しただけだった。
台湾の未来を感じさせる建築物といえば、台北の新たなシンボルとなった「台北101」。高さ509m、地上101階、地下5階の超高層タワービルである。2004年竣工当時は世界一だったそうだ。ちなみに日本一は大阪天王寺の「あべのハルカス」300m。倍近い差を付けられている。
中に入らず下から仰ぎ見るだけだったが、大昔の人がバベルの塔を見上げた時はこんな気分だったのだろう。神から罰が降らないことを祈るばかりだ。
台湾のパワースポット「龍山寺」。
インスタント麺売場に惹かれる。
509m。
2016年07月24日
第1502夜:衛兵の交代式【台北(台湾)】
「中正紀念堂」台湾建国の英雄・蒋K石閣下の偉業をたたえて作られた巨大な建築物である。その前の広場は何万人も集客できそうな広大さ。植栽の手入れも行き届いて素晴らしい。階段を上ると閣下の巨大彫像が鎮座している。まるで神様だ。
彫像は4階に位置し、同じフロアに無料の資料展示場もあるが、階下には一般貸出しているホール(会議室含む)が多数存在する。1時間に1度衛兵の交代式があり、その待ち時間に観光客がヒマつぶしに施設内をうろうろする。
私もうろうろしたが、完全な個人の作品の無料展覧会(署名だけするタイプ)を見学してしまう。賃料はいくらか存じ上げぬが、結果的に大勢の観光客が個人趣味の作品を目にすることになる。ある意味秀逸なシステムである。
この日は最高気温34度だったらしい。蒸し暑い。特に衛兵の交代式はカメラを構えた観光客が押し寄せている。衛兵は彫像の両脇を仁王像のように対になって歩哨警備している。ピクリとも動かない。瞬きすらしない。観光客がバシバシ写真を撮っても微動だにしない。
よく公園などの大道芸で全く動かない芸があるが、それよりもスゴイかもしれない。クソ暑いのに華麗な軍服を一分の隙も無く着こなしているからだ。二日酔いの翌日はしんどいだろう。下痢の時はどうするのだろうか。たっぷり10分以上、キビキビした交代式を堪能する。
その日の夕方に「忠烈祠」へ。何の施設か分からないのでタクシーに同乗するF田氏にお聞きすると「台湾の靖国」とのこと。これほど分かりやすい回答は類を見ない。
スリッパ禁止なので靴に履き替え、閉館ギリギリに足を運んだ。到着すると白い軍服に身を包んだ凛々しい衛兵たちの交代式の真っ最中だった。思わず背筋が伸びる。キビキビした動き、一分の隙もない振る舞いに思わず見とれてしまう。
午前中に「中正紀念堂」で衛兵交代式を見学し、夕方にも見学することができた。彼らは軍隊の超エリートであるそうだ。私のように太ったヤツなど一人もいない。皆さん背が高く引き締まっている。私は今朝の行動を振り返ってみた。
ぐっすり寝てスッキリし、ホテルの朝食バイキングに向かおうとしたが普段朝飯を腹に入れる習慣のない私は朝飯を喰うと頭がボケる上に昼飯をたっぷり食べられない。昼は世界一有名な小籠包店<鼎泰豊>に向かう予定。腹をキュンキュンに空かせておくべきである。
ホテル朝食でなく、地元の人が屋台のようなところで食する朝粥体験に惹かれたが、そもそも私はお粥や雑炊という食べ物に1oも興味がない(北九州小倉旦過市場<空>さんの鍋〆は別ですが)。よって朝飯はキャンセルして体調と気力を万全に整える。
……。こんなことばかり考えていたのでは、生まれ変わっても私は衛兵になれないだろう。
「中正紀念堂」
広大な広場。
S介石閣下の巨大座像。
きびきびとした交代式。
「忠烈祠」。
凛々しさ満点。
彫像は4階に位置し、同じフロアに無料の資料展示場もあるが、階下には一般貸出しているホール(会議室含む)が多数存在する。1時間に1度衛兵の交代式があり、その待ち時間に観光客がヒマつぶしに施設内をうろうろする。
私もうろうろしたが、完全な個人の作品の無料展覧会(署名だけするタイプ)を見学してしまう。賃料はいくらか存じ上げぬが、結果的に大勢の観光客が個人趣味の作品を目にすることになる。ある意味秀逸なシステムである。
この日は最高気温34度だったらしい。蒸し暑い。特に衛兵の交代式はカメラを構えた観光客が押し寄せている。衛兵は彫像の両脇を仁王像のように対になって歩哨警備している。ピクリとも動かない。瞬きすらしない。観光客がバシバシ写真を撮っても微動だにしない。
よく公園などの大道芸で全く動かない芸があるが、それよりもスゴイかもしれない。クソ暑いのに華麗な軍服を一分の隙も無く着こなしているからだ。二日酔いの翌日はしんどいだろう。下痢の時はどうするのだろうか。たっぷり10分以上、キビキビした交代式を堪能する。
その日の夕方に「忠烈祠」へ。何の施設か分からないのでタクシーに同乗するF田氏にお聞きすると「台湾の靖国」とのこと。これほど分かりやすい回答は類を見ない。
スリッパ禁止なので靴に履き替え、閉館ギリギリに足を運んだ。到着すると白い軍服に身を包んだ凛々しい衛兵たちの交代式の真っ最中だった。思わず背筋が伸びる。キビキビした動き、一分の隙もない振る舞いに思わず見とれてしまう。
午前中に「中正紀念堂」で衛兵交代式を見学し、夕方にも見学することができた。彼らは軍隊の超エリートであるそうだ。私のように太ったヤツなど一人もいない。皆さん背が高く引き締まっている。私は今朝の行動を振り返ってみた。
ぐっすり寝てスッキリし、ホテルの朝食バイキングに向かおうとしたが普段朝飯を腹に入れる習慣のない私は朝飯を喰うと頭がボケる上に昼飯をたっぷり食べられない。昼は世界一有名な小籠包店<鼎泰豊>に向かう予定。腹をキュンキュンに空かせておくべきである。
ホテル朝食でなく、地元の人が屋台のようなところで食する朝粥体験に惹かれたが、そもそも私はお粥や雑炊という食べ物に1oも興味がない(北九州小倉旦過市場<空>さんの鍋〆は別ですが)。よって朝飯はキャンセルして体調と気力を万全に整える。
……。こんなことばかり考えていたのでは、生まれ変わっても私は衛兵になれないだろう。
「中正紀念堂」
広大な広場。
S介石閣下の巨大座像。
きびきびとした交代式。
「忠烈祠」。
凛々しさ満点。