2016年04月05日

第1425夜:正殿への道【那覇(沖縄)】(前編)

 首里城。琉球王国の栄枯盛衰を後世に語り継ぐ沖縄のシンボルである。2000年12月に世界遺産登録された。首里城の創建は14世紀頃と言われ、1879年、最後の国王が明治政府に明け渡すまで約500年に渡って栄華を誇ってきた。中国と日本の築城文化が独特に融合している。

 第二次大戦で首里城は焼失したが1992年、本土復帰20周年を記念して復元。沖縄観光のメッカとして賑わっている。学生のころ(たぶん)2回、働き始めてから前職時代を含め10回以上沖縄に足を運んでいるが、首里城へ訪れた記憶がない。

 日本列島を寒波が襲い、特に首都圏や東日本の交通を麻痺させたある冬の午後、積雪もなく暖かだった伊丹空港からさらに暖かい那覇空港に降り立った私は、夜のミッションまで6時間ほどの余裕があった。天候不順に備え早めの便を手配しておいた賜物である。

 那覇空港からモノレール(ゆいレール)で終点の首里駅へ。そこから約1q歩くと首里城公園である。ほとんどの観光客がバスか自動車らしく、私は守礼門を通らずに裏口のようなところから公園に入った。日本人よりもアジアおよび欧米人の方が多そうだ。

 
 天気快晴。寒くも暑くもない最高の散策日和。スーツケースを引きづりつつなだらかな坂道を上るが、疲れを感じぬほど快適である。

 石垣が巨大で立派。『キングダム』に描かれる城壁のようだ。和中折衷の魅力が横溢している。中国式庭園風の円鑑池に浮かぶ弁財天堂をチラ見し、歓会門、瑞泉門、漏刻門などを潜り正殿前へ。ここまでは無料だが、正殿横に入場券売場という名の険しく厳しい関所がある。

 沖縄には毎月どころか毎週通っている感覚に陥っていた2016年1月時点の私にとって、いつでも首里城を訪ねることができるだろう。しかし、一期一会である。今後二度と足を運ぶことができぬかもしれぬ。私にとって首里城は、『花の慶次』琉球編。陰謀渦巻く王宮を舞台に慶次一味が大暴れするシーンが脳裏に焼き付いている。

 8秒ほど迷ったが、正殿に背を向けた。一度焼失して25年ほど前に復元したという点が2割、820円という入場料にためらいを感じた点が8割である。こんなショボい私に王の間・正殿へ足を踏み入れる資格はない。

 同じルートで帰路に着く。公園内や周辺に飲食店を数多く見かけたが、完全に観光客向け。外に貼りだされたメニューの外国語表記に気後れしてしまう。

 久々のたっぷり散策で空腹を覚えた。駅に向かう途中の観光客向けで何か腹に入れようか。それとも国際通りまで戻るか。ぼんやり歩いていた私の視界に、奥まった地下のガラス戸に貼りだされたPOPに目線がくぎ付けになった。「沖縄そば360円」「カレーライス310円」。安すぎる。どこだ、ここは?〔次夜後編〕

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首里城への表玄関・守礼門。

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『キングダム』に出てきそうな城壁。

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那覇市内を一望。

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正殿は有料。

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どこだ、ここは?
posted by machi at 07:15| Comment(0) | 沖縄県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする