小鍋でシメと思いきや、更なる逸品が運ばれてきた。沖縄そばのざるそばである。巨大隕石落下級の衝撃だったので、別途このバカブログで紹介する。
トイレから戻ってくると、デザートが運ばれてきた。ぜんざいであるという。私はぜんざいが苦手な上に、すでに満腹。勿体ないが手をつけずに遠慮しよう。
……。しかし、何か感じるものがあった。普通のぜんざいにはないオーラを感じる。器を手に取ってみる。……。あれ、冷たい。冷えたぜんざい?……。
あずき色に混じって気づかなかったが、チョコアイスらしきブツがトッピングされている。O城氏曰く、沖縄独特の「アイスぜんざい」であるそうだ。付き出しからデザートまで驚かされっぱなし。
ぜんざいを食べた記憶など少なくともこの15年間ない。餅も好まないので、私は正月すら雑煮を食べない。しかし、ここは沖縄。蛮勇を振り絞って試してみる。
……。おや、それほど甘くない。チョコの冷たさとほろ苦さが絶妙に馴染んでいる。緑がかった白玉のような物体が入っており、これが餅かわりなのだろう。
球速差100qの緩急に空振りの山を築きながら店を出る。沖縄独特の互助呑み会「模合(モアイ)」が大西通り会<リッチ>さんで開催されていた。O城氏参加の模合であり、私も飛び入り。1時間半遅れの参加だが、沖縄呑み会は2時間遅れなど普通。違和感なく溶け込める。
スナック風の店内だが、奥は広々。ライブハウス会場のようである。10人ほど居られただろうか。私とは皆さん初対面だが、場は濃厚極まりない風情を醸し出している。
真剣に話し込んでいるグループとカラオケグループに分かれた。私は唄わなかったがカラオケグループに。沖縄何とかスクール一期生だったというイケメンで歌も踊りも上手だがゲイでオネエのアラフィフオヤジを始め、バーを経営しているが店を開けたままほったらかして模合で呑みまくっている豪快なママ、マイクを話さないベテラン士業先生。キャラが濃すぎる。
私はママさんに沖縄民謡をリクエスト。超絶に唄の旨いママさんの歌声に耳を傾けながら泡盛(何故かジョッキでナミナミと)を鯨飲。気持ちよい沖縄の夜が溶けていく。
ママさんの店でワンクッション置き、ビールで再度乾杯しながら生のシークワサーも初めて試す。……。すっぱくて目が白黒する。それから結局明け方4時ごろまでO城氏とラウンジ2軒ハシゴ。オッサン2人だが、たまたま空いていて沖縄美女が8人も付いて下さる。
O城氏が「この人は神戸から来ました!」と美女たちに私を紹介する。「へぇ〜神戸!いいなぁ〜」「行ってみたいわ〜」「遠くからお疲れ様で〜す!」と声を掛けられるものと思い込み、その返答も用意していた。ところがその瞬間、8人の嬌声がほんの一瞬店内から消えた。
皆さんから一斉に出た言葉はただ一言「エッ‼?」。
……。あれ?なんだこの雰囲気は。永遠に感じられた1秒が経過した後、8人が一斉に同じ言葉をハモった。
「エッ‼?沖縄の人じゃないんですか?」。
模合の皆さんに負けぬほど、私も特濃沖縄顔である。

独特の沖縄スィーツ「アイスぜんざい」。

模合にて、真剣に話し込むグループとカラオケグループに。