一滴も呑まない日は3000日に1日ほどしかない私だが、鯨飲が続き毎夜のごとく記憶を飛ばし、超弩級三日酔いに苦しんでいた2015年9月中旬。北九州の玄関口・小倉駅でパンチU野氏と合流した私は、恒例の昼麺ドライブにしゃれこんだ。
車内は私の前夜の酒臭さに充満。本人は気づかないが、U野氏はさぞ臭かったはずだ。ご本人は「いい香り」と言って下さったけど。
都市高速で黒崎あたりでインターを降りる。さらに西へ移動する。U野氏がその素晴らしさを力説してやまない<天幻龍>さんへ初ダイブ。三日酔いにはヘビーなのだが、ビジュアルの魅力に負けてチャーシューメンを召喚。
運ばれてきたブツは旨そうな雰囲気がビンビン発揮されている。スープを啜る。……。丁寧な仕事である。コクがあって濃厚なのにあっさりとしたキレがある。思わず替玉してしまう。
無料サービスで辛子高菜とネギキムチがあった。ニラキムチは珍しくないが、ネギは珍しい。そしてラッキョウがある。その横に、何と梅干しがあった。
梅干しを一粒口に放り込む。思わずきつく目をつぶり、口をすぼめる。すかさず豚骨スープを流し込む。体内の疲れ切った細胞が息を吹き返してきた。濃厚豚骨、ネギキムチ、紅生姜、梅干し……。三日酔いの特効薬が揃っている。
その夜。北九州枝光で勉強会の後、八幡餃子が名物の<ママの餃子>へ。三日酔いが抜けたのか、その後もう一軒スナックにハシゴしたのだが、ビールや焼酎を軽く20杯以上呑んだかもしれない。ホテルに戻ってからも我がクライアント氏と部屋で夜中3時まで鯨飲を重ねた。
翌朝。スペースワールドが一望できる極上のツインルームで目を覚ました。頭が割れそうである。冷汗が止まらない。誰もいない大浴場に飛び込み、酒をじわじわ抜いていく。シアワセのひと時である。昨晩夜中3時まで一緒だったクライアント氏も飛び込んできた。酒呑みの発想と行動は極めて類似している。
時間は10時。酒が抜けきらない。そんな時はこれまで幾度となく触れてきた小倉名物「どきどきうどん(ほほ肉うどん)」。枝光の名店<かず>へ。開店と同時に一番乗りで飛び込み、ダブルにごぼう天追加。出てきたブツに大量の粗挽唐辛子と土生姜を鬼のようにぶち込み、一気呵成に熊啜。頭皮のてっぺんからイヤ〜な液体が噴き出し、目や耳に入るほど流れ出す。
店を出た。汗が引かない。前夜の酒が流れ出している。枝光駅から電車に乗った。車内はエアコンがしっかり効いているのに、汗が止まらない。小倉駅に着いた。新幹線に乗りこみ、ようやく汗が引いてきた。すると、一気にスッキリしだした。四日酔いが抜けたようである。嬉しくなって途中西明石で下車し、明石駅前の<神鷹>で呑み直してしまったけれど。
北九州八幡西区<天幻龍>さんにて、荒治療その一。
北九州八幡東区<かず>さんにて、荒治療その二。