2015年07月29日

第1263夜:明け方4時の酒雨【八尾(大阪)】

自社をプレゼンテーションしてみよう!大阪府八尾市の次世代(現役バリバリ含む)経営者育成塾「環山楼塾」第3回のテーマである。第2回でY本中小企業診断士による講義を踏まえて各人が作成した「一枚経営計画書」を一人持ち時間5分以内で発表。

 プレゼン力、それを聴く力、聴いて質問する力を深めることが主眼だが、他社の事業や課題、目標、強み弱みを共有することで塾生同士の新たなコラボ企画誕生の期待も根底にある。

 短いようで長い5分間。なかなか消化しきれぬが、皆さん見事なプレゼン力を発揮。質問する側の真剣だ。中でも若干23歳という最年少塾生・S山氏のプレゼンは緊張感が漂っているも、百戦錬磨の先輩塾生たちの質問に淀みなく的確に回答しているあたり成長の可能性は無限に広がっている。

 終了後、近鉄八尾駅前の大人気居酒屋で私も別事業でお世話になったオーナー氏が経営する<わっちょい>へ。現役塾生だけでなくOBも参加。熱い議論や楽しい歓談が至る所で繰り広げられている。中にはボルテージが上がりすぎた御仁も居られたようだが、ご愛嬌である。

 私は普段、終電で帰らねばならぬため22時半ごろ中座してしまう。思いっきり宴たけなわ状態で後ろ髪をマウンテンゴリラに引っ張られる気分である。呑み足りず、近鉄普通列車内で一人缶ビールやポケットウィスキーを呷っている。その日はふと気づけば23時を回っている。帰れない。呑むしかない。

 一次会が終了し、顔を出していた前年度塾生たちと旧交を温めるべく八尾駅周辺のバーでコロナビール。私は鯨飲中、記憶を飛ばすことはあっても眠りの落ちることはごく稀。ところがこの夜が、眠気が先に襲ってきた。

 バーを出て、さらに4人ほどでもう一軒バーへ。かなり広い店内で、ギュキュキュンというダーツの音がこだまする。確かギネスか何かを注文した記憶があるものの、半分も呑まずに意識が落ちた。完全に眠ってしまったようだ。

 3時頃覚醒。外は雨。始発まで2時間以上。駅前にカプセルホテルやサウナはなく、ビジネスホテルはあれど今更感が強い。環山楼塾OBのS藤氏の事務所兼ご自宅にお邪魔し、無理言って泊めていただくことに。到着後、さらにキンキンに冷えたジョッキにビールを注いで談笑。少し仮眠し、翌朝氏に駅まで送って頂く。恐縮の極みである。

 その前日、八尾市内のどこかで私は岩手県宮古市の我がボス(商店街理事長)のお店(カメラ屋)で買ったデジカメを無くしてしまった。無くした場所が思い当たらない。無くした日から2日後、四国を疾走する特急車内で八尾市役所の優秀な若手職員氏から携帯に着信が。

 「ペンタ●クスのデジカメが打合せ室にあったんですが、アヅマさんのですよね?観た記憶がありましたので」。我がデジカメ、私より遥かにプレゼンテーションが上手なようである。
posted by machi at 06:37| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月28日

第1262夜:「不法占拠」考【梅田(大阪)】

 <松葉>。恐らく関西で最も有名な店(だった)は阪神梅田駅にほぼ近い立食い串カツ店である(あった)。恐らく2坪ほどの店で、厨房(というのかな)には常に3、4人が忙しく立ち振る舞っている。客は白暖簾に頭を突っ込むようにして体を30度斜めに傾けている。いわゆる立ち飲み用語の`ダークダックス‘)。一人でも多くの酔客が肩を並べられるように。

 これまで私も何度立ち寄ったか分からない。この近くを通る時に香ってくる串カツの匂いは殺人的な吸引力がある。立ち寄らずには居られない。この数年、梅田地下街(特にEAST)の立ち飲みの充実ぶりに目を見張るものがある。

 目の前のトレイに置かれている串カツに手を伸ばしそうになるが、温め直してもらうか新たに揚げてもらう方がやはり旨い。最安値は1串100円だった。

 カレーが隠し味のチューリップが恐らく一番人気(だった)。普段は最初から生(または瓶)だが、財布に余裕がない時は、白角ジョッキ(300円)でノドを潤していた。1000円でジョッキ1杯、串5本でおつりが来る。チューリップはたしか200円という最高値。2本も注文する蛮勇を私は持ち合わせていなかった。

 余談だが、2015年春はキャベツが異様に高騰していた。ソース2度づけ禁止系串カツ店はキャベツ無料食べ放題が主流だからさぞ辛かったと推測される。

 松葉の件に関して、過去形表記が多くなる。キャベツが異様に高騰していた時、不法占拠だったことが判明し、周辺工事のついでに立ち退きを余儀なくされたからだ。全国ニュースになったほどだから記憶に新しい。最初は徹底抗戦の構えだったが、あっという間に陥落した。

 ファンはさぞ嘆き悲しんだことだろう。梅田地下街で腰を据えて串カツで呑む際は<鳥の巣>、サクっと小腹を満たす時は<松葉>と私は使い分けていたので、残念至極である。

 報道では何となく松葉が不法に占拠しているとされ悪者のように扱われていたが、このような事例は日本中にある。私が強調したいことは、「法律を犯している」のではなく、店(または商業集積)が出来た際、「法律がなかった」ということである。

 法律は後から整備されたのであって、法律以前から商売を営んでいると様々な権利が発生する。よって、猶予期間が与えられる。ただし、火災で焼失したり地震で倒壊して「修繕」ではなく「新築」になると、法に沿わねばならない。川上市場しかり、可燃物アーケードしかり、国道地下の商業集積しかり、幅が4m未満の道路しかり。法整備前の構造物には「不法」ではなく「無法」の方がしっくりくると思ったが、余計に危険な香りが漂ってしまった。

 もし<松葉>さんがどこかで復活を遂げられたとしたら、従来のような低価格と驚愕の坪効率は再現できないかもしれない。しかし、あのチューリップをもう一度咲かせていただけるなら、これまでのような超絶立地でなくとも駆けつける所存である。

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在りし日のチューリップ。
posted by machi at 07:12| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月27日

第1261夜:チーズナン再び【岡崎(愛知)】

 チーズナン。インド系カレーの定番・ナンに表面にも内部にもたっぷりチーズが絡められた至福の逸品である。プレーンタイプのピザに近いかもしれないが、一番の大きな違いは生地に甘みがあることである。この甘みが上品で、酒の肴としても上質を維持している。

 ある日曜の夕方。愛知岡崎幕府<みどりや城>へ上様に拝謁すべく月に1度の日帰り参勤交代へ。城の正門前で上様御自らが直々に私如き地方の外様をお出迎え。恐悦至極のあまり平身低頭する。19時より軍議が始まった。

 M井将軍を支える岡崎幕府の大老、老中、側用人といった幹部のお歴々が●●●(YTM)構想という黒船襲来(襲来というより誘致ですが)に備え、喧々諤々を繰り返す。

 その内容は城外不出の御法度のゆえ詳細はお披露目できぬが、軍議の前に上様直々に幕府重鎮の皆々様方へ夜食が振る舞われた。その2か月前、あまりの旨さにモヘンジョ・ダロが核爆発を起こした衝撃を受けた、岡崎康生町<スパカマナ>さんのチーズナンである。その至福の破壊力にこのバカブログでも鼻息荒く書き散らした。

 ほんのり暖かさが残っている一切れを私は押し戴き、口に運ぶ。……。思わず目を細める。一切れで一気に空腹が霧消し、満腹感が押し寄せる。頭と目がトロンとする。

 地方から流れてきた喰い詰め食客軍師の私に、上様は土産にと巨大な絶品チーズナンを2枚も下賜された。アルミホイルに包まれてズシリと重い。我が推測で1枚5000キロカロリーは下らぬ危険極まりない誘惑の果実。寝る前に食すことは背徳の味わいだ。

 軍議を終え、上様の御駕籠で最寄駅まで送って頂く。名古屋に移動し、新幹線に乗車。時刻は22時を回っている。駅構内の駅弁売場は21時半ごろには閉まってしまうそうだ。キ●スクすら22時閉店という。ギリギリで冷えた酒精は捕獲できたものの、駅弁捕獲に失敗。軍議前のチーズナンが効いているのか、それほど空腹ではない。新神戸まで1時間。耐えるのみだ。

 黒ラベルをカシュっと開け、ゴキュゴキュ喉に放り込む。軍議評定終わりの最初のイッパイは格別である。すると、一気に胃が活性化し始めた。空腹が襲ってきた。こんな時に限り、車内販売のオネエサンが中々やって来られない。

 私は紙袋からアルミホイルに包まれたチーズナンを取りだした。座席テーブルに置く。凄まじいサイズと存在感である。冷めているので香しい匂いは発しなかったが、結果オーライ。密閉された新幹線車内で熱々を広げてしまうと、凄まじい注目を集めてしまうこと必至だ。

 一切れ手に取り、齧りつく。……。冷めても旨かった。甘みが増し、チーズトロトロの熱々時より食べやすい。ビールを流し込む。手と口の周りをネチョネチョさせながら夢中で6ピース(半分)胃に消えた。持ち帰ったチーズナン、レンジで温めてからオーブンでカリッと二度焼に。かぶりつく。……。私の頭の中で、インド映画定番のダンスシーンが蘇った。

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圧倒的迫力。冷めても旨し。
posted by machi at 07:30| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月26日

第1260夜:観音寺駅「為五郎日替わり弁当」【Ekiben】

 「石臼造りえび天」(揚げかまぼこ)と「海老ちくわ」。観音寺駅構内の売店で捕獲した練かまぼこである。瀬戸内の地えびを使用しているそうで、どちらも200円程度。ともに福弥さんという観音寺のメーカーだ。酒のツマミによさそうだ。レジに持っていくと、レジ横に「為五郎」という観音寺の業者さんの惣菜・弁当コーナーがあった。講義の意味で駅弁である。

 出張が多い私の鉄板の選択肢に、立ち食いそば(駅そば)と駅弁がある。このどちらかがあればシアワセだが、両方揃っている駅は極めて少ない。観音寺はうどんのメッカなのでぜひ駅構内にうどん屋が欲しいのだが、ない。駅弁売場はなくキオスクしかないので、メジャー系コンビニ弁当しかないと思っていた。

 大手コンビニではありえぬが、キオスクではたまに地元食品会社(店)の惣菜や弁当を扱っている場合がある。値段も良心的で、いわゆる「駅弁」マーク入りと比較すれば半値。駅弁ジャンキーの私にとって、これらの地方ローカル駅売店限定弁当は十分に駅弁に分類できる。

 私が手にとったのは「為五郎日替わり弁当」。わずか410円。かなりの充実度である。日替わりなのに、何種類もある。メインのおかずが異なっているのだ。

 私は迷ったが、イカフライと思しきリング形の揚げ物に惹かれた。ただし、私が捕獲したのは朝7時半。これが夜なら売切れで捕獲は難しいと思われる。観音寺駅キオスクを何度か利用してきたが、見かけたことがなかったからだ。

 観音寺から当日中(夜)に帰る際は、駅弁がなければ練かまぼこでイッパイやる。酒はさぬき地ビールだ。カップ地酒も欠かせない。

 本州最東端の駅弁といえば、JR宮古駅の<魚元>さん。大津波前までは駅弁大会上位の常連だったが、現在は店での限定販売(予約)のはず。私はすでに実食済である。現在のリニューアルされた宮古駅のキオスクに、ホタテちらし弁当(400円)などを見かけたりする。

 隣接する駅そば屋では<小野寺餅店>さんの巻きずしやチラシ寿司もリーズナブルに置かれている。駅で売っている限定品だから十分に駅弁といえる。

 為五郎さんの日替わり。フライ3種が煌めいているが、生野菜も若芽酢もたっぷり。野菜炒めも脇を固めており、ヘルシーでバランスが取れている。ボリュームも申し分なし。ゆで卵半身も嬉しい。漬物もしっかりと味が効いており折り、妙に旨い白メシがノドをぐいぐい押し広げる。

 冷めても旨い駅弁の真骨頂である。フライはイカフライと後2種。かじってみる。コーンクリームコロッケだ。口の中でフワフワの天使が踊る。もう一つは何か。豚ヒレカツだった。柔らかいのに肉の旨みが凝縮。思わずビールが欲しくなる。

 なかなか為五郎さんと邂逅するタイミングは合わぬだろうが、別の日の日替わりが楽しみだ。本店ではなく、駅で買うことに駅弁の醍醐味がある。これだけは譲れない。

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素晴らしいコスパ。
posted by machi at 06:56| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月25日

第1259夜:眠ってはいけない寝台列車【観音寺(香川)】

 観音寺日帰り駅弁ひとり旅。週に2度目の観音寺。新神戸駅で往復のチケットを購入する際、帰路は観音寺からの特急終電が岡山まで直通しないため、途中坂出でさらに特急に乗り替えねばならぬことを切符売場のステキなお姉さんに伝えられた。親切なお姉さんは行程表もプリントアウト。特急サンライズという車両に乗り替えて岡山まで行くそうだ。

 岡山駅到着後、駅弁2ヶ捕獲。遅めの昼用と、帰路の特急用である。観音寺駅の売店は8時半で閉まってしまい、ローカル駅弁もあることはあるが売切確実。行きの特急車中は「牛肉駅弁大将松茸入り」。冷めてもうまい実力駅弁の調整元は広島三原の浜友さんである。

 パッケージを開けた瞬間、マツタケの香りがプ〜ンと香る。時期は6月中旬。どう考えてもシーズンではないが旨かった。ミッションを控えているため、ノンアルビールで耐え忍ぶ。

 食欲の抑えが効かずもう一つの駅弁に手を出しそうになった時、携帯が着信で震えた。毎週のように通っている八尾市役所からの着信である。電話の先は、優秀な若手職員氏。アヅマさんのものらしき見覚えのあるデジカメが見つかったのだが、という電話だった。

 その2日前、夕方からひたすら八尾ミッションが続き、21時から明け方4時まで鯨飲。その過程でデジカメを無くしてしまったことに気付いた。結局見つからず、観音寺から帰った翌日にデジカメを買わねばならぬと思っていた矢先だった。嬉しくて気持ち持ちも弾む。

 ミッション終了後、特急終電ギリギリなので駅まで車で送って頂き、駅前のコンビニで素早く缶ビールなどを捕獲。終電に乗りこむ。帰路のツマミも岡山駅弁「いいとこ鶏弁当」。歯ごたえありなのに柔らかく、味の沁み込んだ御飯もビールやチューハイのツマミに好適だ。

 30分ほどで坂出に到着。あわただしく下車し、5分後に岡山行きの特急が来るのでホームで佇んでいると、車両が入線してきた。思わず、目を剥いた。異様に立派である。カラーリングも上品かつ美しい。中に入る。まさかの寝台車両だった。岡山終点と思いきや、終点は東京。

 全席指定らしく、私はチケットに記載された場所に行くと、寝台フェリーの雑魚寝部屋のようだが、微妙にマジ切られている。私は、茫然とした。ミッション疲れと心地よい酔いが眠気を誘う。ごろんとなる。畳の上にじゅうたんを引いたような反発力だが、清潔で気持ち良い。

 睡魔に吸い込まれそうになるが、爆睡してしまうと目覚めれば朝6時の東京。どうしても帰らねばならぬため日帰りにした意味が消失する。快適なのに、眠ってはいけないという矛盾。寝てはいけない寝台列車は30分強で岡山到着。後ろ髪引かれながら降りる。かなり乗りこんできたようだが、少なくとも岡山で下車した輩は私しかいなかったように思う。

 私は凄まじいほど新幹線や特急を日々利用しているが、寝台列車がまだ走っていたことに驚愕。乗りテツでも撮りテツでもなく食べテツ(駅弁&駅そば)なので、そのあたりの事情は詳しくない。少なくとも寝台列車は、数年前にエジプトの南部からカイロまで移動して以来だ。

 岡山から新神戸まで30分。新幹線でバーボンをヤリながら、岡山駅売店で捕獲した瀬戸内名物で最近周囲を席巻しているレモン味いか天の姉妹版「すだち味のり天」をツマみつつ、華のお江戸に想いを馳せた。
 
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列車内とは思えぬ。
posted by machi at 11:16| Comment(0) | 香川県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする