北九州旦過市場の竜宮城でフグ祭に酔いしれた師走の夜。別忘年会で竜宮城に入城叶わなかったM渡氏と23時半ごろ合流。私もこの数年で幾度となく連れて行っていただいた<ムーランルージュ>へ。氏とは月2回以上お会いしている気がするが、2014年最後の二人呑みだ。
カウンターに座り、氏がキープしているプレミアム焼酎かスコッチウィスキーをロックで遠慮なく厚かましくガバガバ喉に放り込んでいると、明らかに見慣れぬ異質すぎるボトルが目の前に置かれた。前述の「ワイルドアフリカ」である。
まさに`野生の王国´といった存在感と力強さ。ネーミングのタフさやビジュアルのワイルドさは、まさに酒精界の百獣の王といった風格。度数は99度以上ありそうな空気感である。
こんなボトルを店でキープしているM渡氏を畏怖と羨望のまなざしで見つめながら、好奇心に負けて少し試飲させていただくことに。
ライオンではなくいかついヒョウの顔が前面にプリント。実際に、ヒョウ柄の布地でボトルが巻かれている。服を着せられた犬やカバーされた電話機などは目にすることはあっても、アルコールボトルは初めて。「馬渡様」と書かれたネームタグが凄まじい存在感を放っている。
グラスに少し注いでもらう。少し茶色がかった白。かなりトロリとしている。匂いに鈍感な私ですらほのかに甘い匂いを感じられる。口に近づけて、一口含む。……。カルアミルク?
私はバーでは普段スコッチかバーボンのロック、カクテルならジントニックかモヒートかギムレットしか呑まない。甘いモノが基本的に苦手なので、普段なら甘さ全開のスィート系は眼中に入らない。カルアミルクも昔、誰かに一口飲んでみてと勧められ、ホントに一口舐めただけ。ミルクそのものも得意ではないので、以降口にすることはなかった。
ラベルをよく見ると、「CREAM」と書かれている。奇抜すぎるデザインとヒョウのいかめしさに気を取られ、気づかなかった。好きな人にはコタエラレナイ味のはずだ。
M渡氏か店のおネエさんか誰か忘れたが、アイスに垂らすと旨いとおっしゃる。おネエさんの一人がコンビニダッシュし、ハーゲンダ●ツのカップを大量入手。私も普段アイスは年に1度口にするかどうかだが、好奇心に負けて垂らしてみた。ちなみにアイスはラムレーズン味。
口にしてみた。……。驚いた。アイスのコクが増し、甘さが控えめになってキュッとオトナの味わいに。惚れた女性にアタックしたいが勇気のない紳士諸兄、ぜひこのボトルを入手した際、ワイルドとナイーブを併せ持つこの酒を。度数は意外と強いので、彼女より貴兄が先にノックアウトされぬようご注意を。

凄まじい存在感。