2014年04月30日

第959夜:第2回!伊丹ATE‐1グランプリ【伊丹(兵庫)】(前編)

 「第2回ATE‐1グランプリ」。2014年2月23日、清酒発祥の地・伊丹の地酒に合う`あて´を競うという、呑んだくれ酔っ払いのパラダイスのような企画である。第1回に参加した際、これほど幸せなイベントは他にないと痛感した。

 数年前、この事業構想を伊丹でお聞きした時、実現できるのか不安に感じたこともあったが、すっかり伊丹の名物イベントに定着しつつある。関係者の熱意に頭が下がる。

 グレードアップした第2回。8店舗がエントリー。一般参加者が店で実食し、投票する。決勝に勝ち残った5店舗でグランプリを競う。決戦の場は<長寿蔵>。参加費はアテ5品に地酒「老松」(300ml)付で3000円。決勝当日は午前午後合わせて100名の市民審査員が実食し、これぞ伊丹というあてを選んで投票箱に酒瓶のキャップを投入するシステム。

 私は今回、特別の御計らいを得て特別審査委員として参加。別室で伊丹2大醸造メーカーである白雪&老松の役員方、ぐるなび王者、主催者のNPOいたみタウンセンターMダム理事長の5人で実食審査。特別審査員はキャップ2個の投票権を有する。光栄至極である。

 チケットと引き換えに決勝の5品をテーブルに一気に運ぶ。基本的に店頭提供価格を500円で統一。一品づつ完食後に取りに歩いていたら、酔っぱらって千鳥足になりそうだ。

 栄えある決勝進出は以下の5品。少しでもコース料理っぽく、私なりに下記の番号順に試してみた。生の貝系オードブル、煮物小鉢、鶏燻製、魚煮付、ローストビーフである。

1)BAR LINGUA*FRANCA「ホタテ貝のマリネ〜バルサミコ香る苺のソース〜」

 仮面舞踏会を思わせる凝った器と皿である。帆立が大きく女性が一口で頬張れないかもしれないが私はオッサンなので一口。……。プリプリである。酢は抑え目だ。器に残った赤い汁を啜る。トマトか梅かと思いきや、苺ソース。思いっきり甘かった。慌てて品書きを見ると、キチンと「苺のソース」と書かれている。一発目から度胆を抜かれた。

2)ほこ〜魚菜と地酒〜「帆立しぐれ煮と奈良漬け和えたん」

 帆立が続く。1食目はフレンチ風(らしい)だったが、この作品は和のテイスト。帆立をシグラせたものが地酒に合わぬわけはない。コピコピ地酒をやっていると、旨さが膨らむ。食べ勧めると、ポリッパリッとした異質な食感に突き当たる。奈良漬である。小さく刻んだものだが、見事なアクセント。清酒発祥の地・伊丹らしい香りが鼻孔を抜けていく。

3)開華亭「鶏チーくん(燻)のネギソース和え」

 帆立と一瞬だけ食感は似ているが、こちらは鶏の燻製。ビジュアルは2品目と幾分似ているものの、中華料理店らしい工夫に溢れている。地酒だけでなくビールや紹興酒も合いそうだ。燻製好きとしてはスモーキーな香りに心ときめくが、アクセントのチーズが絶妙。チーズと日本酒も相性はなかなかのものである。〔次夜後編〕

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決勝進出の5品。どれも絶品。
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2014年04月27日

第958夜:牛丼戦争〜すき焼鍋編〜【Aho-Boiled】

 すき焼鍋。低価格路線の悲惨なループから抜け出す牛丼メジャーの救世主として登場した冬の限定メニューである。BSEの際、確保できぬ牛肉の代替作としての「すき焼丼」は記憶にあるが、これは超低価格路線。高級路線は「すき焼鍋」だ。

 ちなみにこのメニュー、強烈に面倒くさいらしく「やってられぬ」と某チェーンではバイト大量離職という内部紛争が勃発し、分社化を余儀なくされたことでも最近有名に。

 2013年3月時点で3大メジャー(コピーライトマークめしばな刑事タチバナ)では<M屋>は一部店舗限定の取り扱いらしいが、<Sき家>と<Y野家>は思いっきり前面に押し出した気合ぶりだ。

 微妙にディテールは異なるが、基本ラインは卓上コンロに乗せられた「すき焼」、「生卵」、「漬物」、「ライス」という婦人は共通。値段も共に580円。異なる点は、名称。Y野家は「牛すき鍋膳」だがSき家は「牛すき鍋定食」。定食と御膳の異なりだが、御膳の方がそこはかとない高級感が感じられる。ちなみに、Sき家はライス大盛無料だった。

 すき焼には酒精が欠かせない。日本酒がビールで迷うところだが、Y野家は日本酒(冷やのみ)を常備しているが、Sき家はビールだけ。同条件とするために瓶ビールを選択。値段は共に400円。ライスのついたすき焼を肴にビール。1000円で20円お釣りが来る至福ぶりだ。

 瓶ビールをコップに注ぎ、プハっと一息。2杯目を注いでいると、セットが運ばれてくる。鍋がグツグツ煮えている。思わず生唾を飲む。生卵を軽く混ぜ、すき家にたっぷり唐辛子を振りかける。肉を箸でつまみ、生卵にチョン付け。口に運ぶ。……。牛丼の肉と共通と思われるので蕩けるような柔らかさではないが、十分に満足できる味付けである。

 肉や豆腐、野菜を生卵に絡め、口に運んでいく。適時ビールをあおる。……。思わず目を細めたくなる嬉しさがこみ上げる。ショボい温泉旅館の貧相な夕食より遥かにお値打ち。時折漬物や卓上の紅生姜で舌休め。チビチビつまみとかなりのボリューム感がある。

 量は多くないが、うどんが嬉しい。すき焼のうどんを生卵に絡めて啜る喜びは何ともいえないマイルドな気分になる。思わず笑みが漏れる。

 肉をほぼ食べつくした。ビールもちょうど無くなった。鍋に残った野菜をすべて生卵にぶち込む。手つかずのままキープしておいた丼に入った白飯にぶっかける。一気呵成にワシワシ頬張る。酒を飲むようになってシメ飯を喰わなくなったが、様々な味が染みて茶色くなった生卵を白米にぶっかけるのは、すき焼の醍醐味の一つである。

 ご飯もかなりの量。最後の最後に鍋のだし汁だけをぶっかける。下品だが、野趣あふれる味わいだ。紅生姜の酸っぱさと出汁の甘みと塩気が見事にスィングしている。

 Sき家とY野家。どちらのすき焼鍋の満足感が高かったか。店舗によって異なっていたのかもしれないが、Y野屋の肉量はSき家を圧倒していた。野菜の仕込みも丁寧に感じられた。すき焼鍋対決、私の中ではY野家の圧勝である。

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Sき家「牛すき鍋定食」

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Y野家「牛すき鍋膳」
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2014年04月24日

第957夜:世界最高峰アイクス山脈ビッグ峰登頂記【若松(北九州)】

 ビッグ。450g極上パテと鮮度抜群野菜が香ばしいバンズに挟まれた、北九州市若松区のアメリカテイスト漂う孤高のバーガーショップ<アイクスダイナー>さんの名物メニューである。

 ハーフの「レギュラー」も凄まじいが、「ビッグ」はその上を行く。ヒマラヤ、アルプス級の北九州若松のアイクス山脈。ビッグ峰は人類が生存困難なエベレストだ。

 アイクス山脈キリマンジャロ級(レギュラー)登頂成功から1年半ほど経た2014年2月中旬、エベレスト級(ビッグ)冬季単独無酸素登頂を決行すべくパーティを結成。世界遺産・熊野古道を牙城とする和歌山田辺のO崎氏も隊に。麓までのシェルパは地元北九州の入E氏だ。

 前夜2時ごろまで痛飲後、シメの豚骨チャーシューメンを啜り、胃はビバーク不可欠の大荒れ模様だが、何とか麓まで辿り着く。アイクス山脈を統べるNオーナーが登頂隊をお出迎え。私は蛮勇を振り絞り、ビッグ峰登頂を宣言。シェルパたちはレギュラーだ。

 緊張を隠しきれずソワソワしていると、まずはレギュラー峰が運ばれてきた。……。思わずうなり声が漏れるほどの圧倒的存在感。そして、我が眼前にビッグ峰がその姿を現した。

 ……。山の量感と質感に殴られそうである。あまりにも巨大。瞳孔開き、口は半開き。登頂ルートが全く分からない。バラして挑むぐらいなら、最初からハンバーグとパンとサラダを注文すればよい。ここは、世界で一番険しくも熱いパッション渦巻くアイクス山脈なのだから。

 手を伸ばした。ハンバーガーはどれほど大きく分厚くとも今まで左右を掴んできたが、万力のごとく上下に押さえたのは初経験。目の前の掲げると、私の巨大な顔面と変わらないサイズ。シェルパたちも半笑いで私の第一歩を見守っている。

 たまたま知り合いだけが店内を占拠していたが、見知らぬ客がいたらクスクス笑われていただろう。私の預かり知らぬSNS上でバカ画像として流布していたかもしれない。

 意を決した。通常の人間では顎を外しても咀嚼できる奇人超人以外、通常にかぶりつけぬ。私は大口を開け、顔を側面にぶつけた。口元だけでなく顔中をソースだらけにつつ夢中でかじりついた。野生動物を屠った肉食獣の気分である。ガツガツ、シャキシャク。……。旨い。パテがしつこくなくとんでもなく旨い赤身肉。野菜の新鮮さが口の中をフレッシュに。

 半分食べ終えた。皿の上はカオス。しかし、咀嚼する欲求が止まらない。ゆっくり味わっていたら登頂できぬ。即効型アルパインスタイルが不可欠だ。日本最古のレシピに基づくジンジャーエールの旨さと爽やかさが登頂を後押しする。

 10分後。私は、冬季アイクス峰登頂に成功。思わずガッツポーズ。達成感は半端ではない。下山途中のポテトフライ雲海は避けてしまったが、神戸人としてはで初登頂かもしれない。

 雪山で遭難して眠ると、死は近づいてくる。帰路、猛烈な眠気に襲われた。登山は登りよりも油断しがちな下りが危険と伝え聞く。私は遭難せぬよう、ホテルのベッドでビバークした。

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圧巻のビッグワールド。ガラケーの倍の高さ。

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「顔で喰らう」感じに。
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2014年04月23日

第956夜:呑みシメ対決・麻婆飯vs黒崎拉麺【黒崎(北九州)】

 北九州市黒崎駅前新天街商店街・10年後の未来希望図。同商店街の組合員参加全3回シリーズで展開された「商店街組織力強化事業」(椛S国商店街支援センター)にて、2014年1月から3月まで毎月1回、10年後の未来希望図づくりのための勉強会・ワークショップを開催。私はそのお手伝い。2014年3月上旬。その希望が一枚の模造紙に結実した。

 4つのグループそれぞれが発表。楽しく和気あいあい繰り広げられた。皆さん遠慮せず、先に発表させろというほどの意気込みに嬉しくなる。この4半世紀、数えきれないほどのセニョリータから聞かされ続けた人気グループのあの永遠の名曲ではなく、「未来希望図」であることがポイント。商店街の「未来予想図」をテーマにしてしまうと、少々難儀なことになる。

 岡田宮と黒崎駅を2核とし、商店街をモールとした回遊性向上、ロボット村、路面電車、人力車、フードゾーン、市場、豪華トイレ、病院、学校、笑顔、学生、あいさつ……。皆さまが提案した2024年緒未来希望図に一つでも近づいていることを願う。

 商店街内の激旨居酒屋にて20人弱で打ち上げ懇親会。日本一危険な繁華街へ移動し、2軒目のカラオケバーで小休止したら、すでに夜中2時前。小雨も降り出した。

 巨漢商店街理事長・F江氏、世界唯一パンチパーマ商業コンサル・U野氏、三陸宮古で一人よさこいをステージで披露し引っ込み思案な宮古人をドン引きさせた入E氏。腹は全く減っていなかったが、黒崎の酔っ払いにとって究極ディープのシメ飯があるという。

 連れられた先は<北京飯店>。明け方まで開いているカウンターだけの小さな店だが、旨そうなオーラが店内に充満している。ビールを飲みながら店内に張られた新聞記事に目を通すと、1972年創業。以来、名物中の名物「マーボーライス」(大・中・小)が黒崎酔っ払いたちの深夜の小腹を満たし続けたという。他にも本格的な一品料理も充実している。

 同行3氏は毛ほどの迷いもみせずマーボーライス。小サイズでもたっぷりボリュームで500円というお得感。私は、麺系汁物なら胃に入りそうだが、夜に米粒を腹に入れる習慣がない。目の前には「黒崎ラーメン 600円」という張り紙が目に。黒崎ラーメン?初耳である。

 一麺派の私は意地を張り、黒崎ラーメンを指名。「スペシャルな味(秘密)。説明はしません。食べてみんしゃい!!」と書かれているからさっぱり分からない。

 注文を待っていると、張り紙と異なりママさんが愛想よく黒崎ラーメンの説明を教えてくれるのだが、イマイチ要領が得ない。すると、私の視線を反らしながらボソッとつぶやいたママさんの一言が私の耳に突き刺さった。「実は、食べたことないんよ」。ズッコケそうになった。

 運ばれてきた。啜る。……。とんこつ醤油風だが、何とも表現が難しい。黒崎味としか表現できぬピリ辛。美味しそうに頬張っている両隣からマーボーライスを一口味見。……。さすが40年愛され続けた味。2024年もこの味で、黒崎の酔っ払いに愛され続けていただきたい。

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ワークショップを終えて。

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マーボーライスにするか、黒崎ラーメンにするか。

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謎の黒崎ラーメン。

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2014年04月22日

第955夜:夜の新種目・酔っ払い人間カーリング【黒崎(北九州)】

 カーリング。身体能力からして絶対に不可能なスキージャンプ、スノボハーフパイプ、フィギュアスケートと異なり、誰でもできるのではないか、オリンピックにこの種目なら私も、と思わせてしまう独特のウィンタースポーツである。実際にTVで食い入るように鑑賞すると、技術、精神力、度胸、繊細、戦略、緊張感が伝わり、超人スポーツであることを実感する。

 2014年2月中旬。世界はソチ冬季五輪一色だが、北九州市黒崎地区でも酔っ払い10人ほどが商店街理事長の経営するお好み焼店に集い、バッケンレコードなみに中身無きバカ話に興じていた。時間は確か24時ごろ。2軒目だったので、皆たっぷりと酒精を体に宿している。

 五輪の話になった頃、黒崎のアニキと慕われる人望者・H氏がそろそろ帰ると言い出した。かなり酔ってきたそうで、自宅で五輪観戦したいという。会場からは大ブーイング。私も酔っていたので記憶は怪しいが、誰かがこんなことを言い出した。「家で観なくても、ここでオリンピックをすればよか」(こんなニュアンス)。

 狭い店内で、冬季五輪。どのような種目が可能というのだろうか。4回転ジャンプに挑めば間違いなく酔いが増して吐きそうだし、机から飛び降りてテレマーク姿勢を入れればいいというものではないだろう。クロスカントリースキーを商店街全体で実施すれば日本中から警邏の応援に黒崎まで駆り出されている警察官から職質を受けることは免れない。

 ここは、カーリングしかない。しかし、ストーンがない。その時、ご本人が自主的だったのか周囲に抑えつけられたのか覚えていないが、Hアニキが体を丸めてしゃがみ込んだ。……。ストーンである。後日、ストーン状態になったアニキの画像を観たら、土下座を強要させられているかイジメられている亀にしか見えなかった。

 ソチに負けない熱気が北九州黒崎新天街商店街を包んだ。夜の新種目「酔っ払い人間カーリング」がいよいよ開幕する。敵チームはいない。自分自身との戦いだ。

 私は、ストーンを投じる大役を担う栄誉を浴した。ストーンの腰あたりをつかみ、氷上(床)のラインを読む。私は「ヤー」と叫びながら放った。するとストーンは少しも動かず、ゴンと床に先端(頭)をぶつけた。私のミスである。もう失敗は許されない。気を取り直し、裂帛の気合を込めて夜の金メダルがかかった最後の一投を放った。

 「ヤー!ヤー!」。私は叫ぶ。ストーンも奇声を発しながら雨に濡れた店内の床を匍匐前進で滑っていく。いつの間にかデッキブラシなどを手にしたスィーパーたちが必死のラインどり。……。Hアニキチーム、初代酔っぱらい人間カーリング金メダル獲得。歓喜に包まれた。

 その2週間後、五輪の熱気が冷め、関心は2016年リオ夏季五輪に向きつつあった2014年3月の夜中12時頃。Hアニキは新種目で夏季黒崎五輪に向け特訓中という。「男だらけの水泳大会・屋内アーケード酔っ払い自由形」。2年後も金メダル間違いなしである。

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金メダルの掛かった一投。
posted by machi at 06:44| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする