2014年03月29日

第940夜:焼そばにミートソース【長岡(新潟)】

 イタリアン。一般的にスパゲティやピザを含めたイタリア料理全般を指すと思われる。そもそもイタリアンに縁遠い生活を40年続けているのでよく分かっていない。

 新潟には市民に長らく愛され続けているソウルフードがあるという。その名も「イタリアン」。数年前、何かのグルメコミックでその存在を知り、気にかけ続けてきた。時を経て、それが漫画でどのように紹介されていたのかも忘れてしまった。

 2014年1月下旬。初めて新潟県長岡市を訪れることなった私は、到着時の遅めの昼食は何か手軽なご当地料理を腹に入れることを画策。適当にネット検索していたら「イタリアン」に突き当たった。数年前のグルメコミックの記憶が蘇った。その「イタリアン」は長岡駅構内で注文することができるという。

 14時過ぎ。長岡駅に降り立った私は、私のクライアントである某支援機関のK村氏と合流。遅めの昼食として「フレンド」というイタリアン専門店へ。注文してトレイに受け取り、フードコートで頬張るスタイルだ。

 メニューを見る。定番の「イタリアン」をベースに角煮やカレーの各種トッピングメニューがある。ソフトクリームやドリンクも豊富で、思いっきりファストフード感覚。しかし関西その他で見かけたことがないので、新潟ご当地のファストフードチェーンなのだろう。

 私は「ペア」を注文。何のペアか。餃子とイタリアンのペアである。紅生姜が添えられている。そもそも「イタリアン」の正体とは何か。それが、焼そばにミートソースをぶっかけた背徳の超B級グルメである。B級グルメブームが弾ける遥か前からソウルフードとして根付いていたそうで、年配者が学生時代に毎日放課後食べていたというほどである。

 私のペアがすぐに出来上がった。定番イタリアンに餃子4ヶついて430円という財布への優しさ。フォークではなく割り箸なので、やはりパスタより焼そば寄りなのだろう。付合せも紅生姜。私はパスタには不要だが、焼そばには絶対欠かしたくない必須アイテムである。

 シャツに跳ねぬよう慎重に啜る。……。焼そばの味がするのに、ミートパスタの味。妙な一体感がある。ハマりそうな旨さだ。自宅で焼そばを買ってきてミートソースをぶっかけても、同じ味にならぬだろうし、試そうとも思わない。焼きそばソースもミートソースも完全にオリジナルで独特の配合を用いているのだろう。缶チューハイや発泡酒が合いそうだ。

 その夜。長岡の方にイタリアンを昼に堪能した話をする。いかにイタリアンが長岡市民に愛されているかが伝わってきた。そして、長岡イタリアンと新潟イタリアンの2流派があるという。新潟は麺が太いらしく、またソースの味も付け合わせも微妙に異なるそうだ。

 私がお会いした長岡市民は皆、長岡イタリアンを強く推す。ソウルフードといわれる所以である。長岡市民ではない私は、もし新潟市に行く機会があれば、ぜひ食べくらべてみたい。

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2度目の訪問。唐揚げトッピング。
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2014年03月28日

第939夜:あごだし奥深し【平戸(長崎)】

 あごだしラーメン。平戸のガイドブックの多くに掲載されているご当地ラーメンである。「あご」とはトビウオの意。煮干だしのラーメンは岩手宮古にて、豚骨と煮干を掛け合わせたダブルスープ系は東京で頻繁に口にするが、あご(とびうお)だしラーメンは未経験だった。

 強風で骨盤まで凍りつく2014年2月。建国を祝う神事に飛び入り見学させていただいた私は、屋外演武に感銘を受けつつも、寒さで耐え切れなくなった。帰路の時間も迫っている。

 神事を中座して下山。思った以上に帰路時間までの余裕が生まれた。乗車時刻まで25分ある。宿泊先ホテルすぐ近くの<冨喜>さんの暖簾を潜る。暖かい一麺を啜りたい一心に加え、「あごだし」というこれ見よがしの表記が視界に飛び込んできたからだ。

 テーブルに座る。おでんが旨そうだ。メニューもうどん、そば、ちゃんぽん、丼などなんでもござれの嬉しくなる大衆食堂。店内POPにそば、うどんはすべて地元産のあごだしを使用と力強く表記。平戸ちゃんぽんも捨てがたいと視線をスクロールした先に「ラーメン400円」を発見。さらにその数段下に「あごだしラーメン450円」が煌めいていた。

 50円の違いに期待しつつ「あごだしラーメン」を注文。程なくして湯気を上げて登場。冷え切った顔を温めてくれる。まずはスープをすする。……。あっさりを極めた醤油味。魚介風味濃厚かと思いきや、控えめで奥深い味わい。鶏ガラとも異なる。麺のノド越しも良く、焼豚も嬉しき味。一滴残らず啜り終えた。

 店を出て乗車乗り場に向かう。残り10分。乗り場すぐ横のミニスーパーを散策していると、九州ではマルタイ、五木と並び要注目のサンポー「ごぼう天うどん」カップ麺が特売されていた。関西では見かけぬごぼう天系を私は溺愛。しかもフタに「焼きアゴ・かつお・昆布だし」と思いっきり表記されている。あごだしをカップ麺で楽しめる喜び。迷わずレジへ。

 さらに帰りの博多駅売店で「長崎あごだしラーメン」(九州丸一食品)なる200円弱の1食入り生麺も捕獲。あごだしは平戸だけでなく、長崎県全域なのだろうか。

 まずは生麺を自宅で早速仕様書通りに仕上げる。啜る。……。忠実な再現ぶりである。目をつむってスープを啜ると、平戸の街並みが脳裏に蘇る。あっさりと奥深い。

 カップ麺はどうか。こちらはうどん。ごぼう天がどのような化学変化をもたらすか注目。湯を注ぐ。まずはアゴだしだけを堪能すべく、先乗せごぼう天を後乗せにする。5分。啜る。……。くっきりとアゴだしの風味が香る。ごぼう天を投入。……。旨さが確変した。

 ちなみに平戸であごだしラーメンを啜った10時間前(夜中1時ごろ)、スナックで一緒だった麺道の黒帯・商工会議所O庭氏をFB世界で勢力を少しづつ拡大中の「一日一麺同盟」平戸支部長に任命。啜り終えてすぐに支部長に報告。支部長が最も愛するあごだしラーメンは生月島で生息しているという情報が間髪入れず私のもとに届いた。次回の楽しみである。

140328あごだしラーメン@冨喜(平戸).jpg140328あごだし生ラーメン&あごだしカップ麺.jpg
あごだし三昧。

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2014年03月27日

第938夜:国士たちの建国記念日【平戸(長崎)】

 2月11日。日本人であることを強く自覚することができる建国記念日である。その前日、長崎県平戸市で真夜中まで痛飲していた私は、翌朝(2月11日)、平戸の神社の総本山というべき亀岡神社で開かれる奉祝式典を見学させていただけることになった。2014年度より式典の事務局入りを果たされた木引田町商店街のヨビャー雲水・T中氏の計らいである。

 9時半後、宿泊ホテルからほど近い亀岡神社へ。広大な敷地、歴史、史跡、風情。開国以来様々な思念が神社に籠っている。山頂らしきところに位置するためとんでもなく強風で骨髄がシャーベット状になりそうなほど冷え込んでいるが、普段の自堕落な生活と怠惰をキリっと引き締めるかのごとく冷気に体が包まれる。目の覚める思いだ。

 私ごときイチゲンのヨソモノに、宮司様は親切丁寧に御もてなし下さる。お茶のご接待まで頂戴してしまう。国旗や標語が掲揚されている控室で足を崩していると、平戸中の老若男女の国士が続々来場。本殿へ一斉に移動する。緊張感が高まってくる。

 男女とも年配が多いが、皆さまピシっとスーツにネクタイ。ラル●ローレンのブルーYシャツにノーネクタイの私は明らかに異質で浮いている。

 10時、式典開始。宮司様による祝詞奏上、浦安の舞、地元小学生による見事な巫女舞、邦楽演奏を経て、市長様や国会議員ら名だたる平戸のVIPから始まる玉串拝礼。会場には今にも竹やりで敵に向かっていきそうな戦前和風戦闘スタイルの年配女性も数多い。

 11時、粉雪が唸りを上げて舞い踊る極寒の屋外へ。国士たちもさすがにコートやマフラーに身を包んでいる。カセットテープの不調でアカペラとなった君が代斉唱に合わせて、国旗掲揚。その大役を担うのが、前述のヨビャー雲水氏。国旗が天高く舞い上っていく。

 色々な想定外のプチトラブルも頻発していたようだが、式典は予定通り粛々と執り行われていく。奈良(たぶん)の橿原神宮に向かって遥拝すべく、一同で『紀元節』を斉唱。私は初めて目に耳に口にする言葉でありメロディであったが、静粛な気分になる。

 続いて奉納演武。空手や武術研究会、天道流平戸薙刀会(女性)の皆さんが気合満点の演武を披露。振り下ろす刃は寒空を切り裂き、裂帛の気合が籠った薙刀の突きは粉雪を両断する。

 この式典がいつから平戸で続いているか私は存じ上げない。門外不出の神事というわけではないようだが、私のようなヨソモノ一般参列者にも脈々と受け継がれてきた文化、精神、歴史が肌で感じることができる。国を思い、憂い、守り、誇る魂が境内に満ち溢れている。

 私は帰路につかねばならず、午後の総会や懇親会はご遠慮申し上げた。後日お聞きしたところによると、国士たちの情念は午後に入ってますます荒ぶり、総会は天候と同様に動議が飛び交い紛糾の大荒れだったそうである。

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巫女の舞。荘厳な雰囲気。

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凛々しく、雄々しく国旗を掲揚するT中氏(左の紳士)。

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寒天を切裂。

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粉雪を両断。

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2014年03月26日

第937夜:牛と下ネタ【平戸(長崎)】

 長崎県平戸市の地域資源。平戸大橋、カクレキリシタン、夕日と絶景、ザビエル大聖堂、神社と寺院が一体の風景、ツツジ、絶品魚介類、異国情緒……。ありすぎて惑うが、間違いなく平戸牛も最高ランクに位置づけられる。一次産業盛んな平戸島では、専業・兼業農家も多い。

 2014年2月中旬、強風鬼寒の21時過ぎ。地続きでは日本最西端と思しき長崎県平戸島の歓楽街にて、商店街や商工会議所の国士たちと楽しく痛飲。食べきれないほどの絶品料理と飲み放題。平戸の食肉王・H原氏の「どう?うまかバイ!」という心強いドヤ顔に惚れながら、王が中でもオススメされる揚げたてすり身天ぷらやきびなご刺身を満喫。思わず目を細める。

 夜這いならぬ「ヨビャー文化」が今でも引き継がれているという平戸では、酒席での下ネタも豪放磊落。女性客も引くどころかむしろノリノリ。口当たり最高のトマトチューハイのピッチと下ネタが暴走し始めたころ、一人の牛のごとき巨躯が店に入ってきた。私は初対面だったが、我々のメンバーには旧知の存在。市役所の農林関連部局に奉職する御仁である。

 テンションマックスの御仁はいきなり私を見て「Y本新喜劇のK畑座長ですか?」と真顔で握手を求めてくる。私は川B座長にそっくりとよく言われる。関西の大スターに似ていることは光栄至極だが、ご本人とガチで間違われたのは初めてだ。

 席につくやいなや、氏と氏を取り巻く国士たちの下ネタにエッジが効いてくる。牛の交尾や牛のオスの早漏ぶりから始まり、牛は感じやすいかどうかと下らない話はモ〜ウ止まらない。

 独身の氏は農林部局に在籍しているため、牛と交尾したのかと冷かされている。牛と交尾経験を有するらしい男。こんなバカ話は一笑一蹴で普通終わるのだが、本人も完全否定しないからややこしい。牛のイカせ方を真面目に話している姿からは狂気すら感じられた。

 店を出た。国士たちの中の大先輩の先導で一軒目の店から徒歩2歩のスナックへ。このスナック、平戸一流行っているという。ボックス席に通される。……。私は狂牛病のようにプルプル震えそうになった。思いっきり典型的なスナックなのに、ボックス席だけ畳式の掘りごたつ。何という居心地の良さであろうか。草の上で寝そべる平戸牛の気分だ。

 焼酎をグイグイやりながら、熱い議論、平和な雑談、時々下ネタ。大先輩の下ネタがかなり内角高めである。ママさんの豊満なオ●パイがことのほかお気に入りのようで、男前でダンディな外観の大先輩でなければ、ママさんも周囲もドン引きしていたことだろう。

 時間は夜中1時を回った。ギュゥとつかんで離さない大先輩のオッ●イトークをお聞きしながら、隣に座るママにビールを注ぐ。ぼんやり思いを馳せる。……。これまで食肉王に何度となくご馳走になった平戸牛。牛と交尾したらしい男。オッパ●トーク。なんとなくだけど、やはり平戸の地域資源は広義の意味で「牛」なのだろうなと感じ入った。

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この後、牛と●●した伝説を持つ男が登場。

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2014年03月25日

第936夜:新神戸駅「官兵衛の築城弁当」【Ekiben】

 「官兵衛の築城弁当」。新神戸駅で捕獲した淡路屋様が調整元の大河ドラマタイアップ駅弁である。官兵衛氏ゆかりの2大都道府県といえば、おそらく兵庫県と福岡県。博多駅で「福岡官兵衛弁当」「黒田八虎弁当」を実食していたので、兵庫も負けてはいられない。

 「黒田八虎弁当」は弁当箱に日本酒2合瓶が内臓されている奇策を用いており、まんまと術中に嵌った私だが、新神戸の築城弁当はさらにその上の軍略が仕掛けられていた。容器が思いっきり陶器で作られた一国の城の形状。フタが天守閣という驚天動地のトリックである。

 新幹線は動き出した。大改修中だった姫路城の囲いのごとく、駅弁城もウンチクが豊富に記された囲いに覆われている。じっくりと読み込む。

 この駅弁城は官兵衛氏とその友であった竹中半兵衛氏の友情物語を再現したそうだ。2種の鶏肉は二人の軍師を、厚焼玉子は官兵衛氏のお子さん(黒田長政氏)を表し、二人の大人と一人の子供を表現。竹中氏の家紋「黒餅」を、竹炭を用いたさつま揚げで再現。……。正直申し上げてかなり強引な見たてであるが、その心意気、あっぱれである。

 「有岡城の戦い」もこの駅弁パッケージで初めて知った。1578年、信長氏に謀反した兵庫県伊丹市の英雄・荒木村重氏が有岡城(伊丹)で籠城。説得に赴いた官兵衛氏を捕まえてしまう。信長氏は官兵衛氏が裏切ったと思い、その息子さん(長政氏)を殺すように竹中半兵衛氏に命じるが、半兵衛氏はこっそり自己領地の長浜にかくまう。

 官兵衛氏はどさくさに紛れて脱出、信長氏の誤解を解く。信長氏は自己の誤りを自覚し、後から官兵衛氏の息子(長政氏)が半兵衛氏の機転で生存していると知り、大いに喜んだらしい。命に背いたとして逆切れされなくて本当に良かった。官兵衛氏は感謝の意を込め、竹中家の家紋「黒餅」を黒田家の家紋にしたらしい。

 天守閣を外す。……。炊き込み御飯、鶏つみれ、玉子焼き、鶏唐揚げ、揚げ蒲鉾、キンピラ蓮根、菜の花、人参煮。見た目は地味だが、実に掘れば掘るほどボリュームがある。味もしっかり頼もしいが、車内でこの駅弁上を攻略するのは少々恥ずかしい。加えて、実食済の方は首肯して下さるだろうが、これほど食べにくい容器もあまりない。

 食べ終えた。立派な陶器の駅弁城。手放すのはあまりにも惜しいが、非常に重い上に異様に嵩張る。出張中に城を持ち歩く行為に少し疑問も感じてしまう。とてもカバンに入るサイズではないが、男の夢である一国一城の主に成れるチャンス。持ち帰り、自宅に飾る決意を固めた。 

 出張先でも移動中の電車でも私はよくモノを忘れるのだが、自宅到着前に5軒ほど神戸三宮でハシゴして最後は泥酔、タクシーにも乗ったが、奇跡的に持ち帰っていた。

 翌朝。駅弁城が崩落していることに気付いた。そういえば酔っ払ってフラフラしていて色んな箇所で駅弁陶器城をぶつけた記憶がある。3日どころか、半日天下だった。

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天守閣を外すという驚天動地の仕掛け。

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一晩たち、無残にも崩壊。悲しき半日天下。

東朋治フェイスブック⇒https://www.facebook.com/tomoharu.azuma
posted by machi at 07:02| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする