2013年02月27日

第671夜:花香る散策路へ【宮古(岩手)】

 第7回「みどり香るまちづくりコンテスト」。まちづくり屋として恥ずべきことだが、環境省様が主催するこのようなコンテストを全く存じ上げなかった。ところがかなり規模の大きな気合のこもった企画だったことが分かった。まちづくりに「香り」の要素を取り込むことで良好な香り環境創出を支援することが目的らしい。

 全国37団体が応募した名誉あるコンテストに、岩手県宮古市中央通商店街と宮古中央通りに緑を復活させる会のコラボチームが「震災復興特別賞」を受賞。2013年2月14日、中央通T橋理事長ら役員は受賞の喜びを宮古市長に報告すべく、市長表敬訪問を実施した。

 真っ黒なヘドロ海水が市街地を破壊していく様子が市役所職員たちの絶叫と共に何度なく繰り返された宮古市役所からの津波映像。市役所に隣接する中央通商店街は2m以上の浸水を呑み込まれ、多くの事業所が解体に追い込まれた。

 中央通は大津波前から花と緑の癒しの商店街として植栽に力を入れてきた。大津波でヘドロ海水をかぶったため、樹木はすべて枯れ果てた。中央通商店街名物「朝会議」でも、組合員からは花と緑の復活が最も希望されていた。

 全国から中央通に様々な花々が届けられた。2012年、中央通北側約500mにツツジやハナミズキなど約600本を植樹。2013年3月には南側にナデシコなど約500本を植える予定だ。これらの活動が評価され、今回の受賞に繋がった。副賞の樹木は4月に届けられ、植えられる。

 今回のコンテストは宮古市出身で盛岡在住のグリーンアドバイザーがプロデュース。テーマは「花かおる散策路」。地域住民に愛される花と緑で潤いのあるコミュニティ空間づくりが目標だ。宮古の四季を身近に感じ、散策の楽しさが増し、海風に運ばれる潮の香りと花の香りがブレンドされ極上の空間が生まれるという。

 植樹作業は組合員中心だが、協力して下さる市民ボランティアも数多く募集する方向だ。共同作業することで参加した市民に関心と愛着を持っていただくことも狙いの一つ。

 植樹作業中に「あら、何を植えているの?」と声を掛けられることも多く、地域住民や買物客と商店主とのコミュニケーションにも一役買っている。地域住民も花々の成長を楽しみに、毎日商店街を散策するという。

 震災復興支援地域通貨「リアス」事業、宮古あきんど復興市、商店街レッドカーペット…。メディアの話題を独占する破壊力満点の復興事業と比較すれば、極めて地味で地道な取り組みである。しかし、このような取組が近い将来、復興の大輪の花を咲かせることに繋がるはずだ。

 表敬訪問を受けられた宮古市長から中央通関係者は激励の言葉を頂いた。「一つ一つのこのような取組が、まちを元気にし、復興させていく」。私は大きく首肯した。

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宮古市長(右から2人目の紳士)を表敬訪問

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2013年02月26日

第670夜:ニンニク依存症【宮古(岩手)】

 ニンニク。ドラキュラ氏は血への渇きと反比例してニンニクが苦手なご様子だが、逆に私は血に全く興味はないけどニンニクを無性に渇望する夜がある。狂おしいまでに。

 雪が一面を覆う極寒の三陸宮古のある夜。居酒屋やスナックで痛飲していた私は、シメの一麺を欲していた。私が暖簾を潜ったのは宮古市歓楽街にあるラーメン居酒屋。大津波の後、気合で営業を再開していたときにフラリと入って以来。その時の顛末のご興味のあるフシギな方は、過去のバカブログでご覧あれ⇒http://www.aho-boiled.com/article/214751651.html

 店内は大勢のお客で大賑わい。活気と笑顔で溢れている。ラーメン居酒屋と名乗るに相応しいほどの豊富で充実したメニューで溢れている。ラーメンも20種類ほどあるかもしれない。一品料理は軽く50品を超えているだろう。以前味わったこの店のワンタンメンが絶品だった。

 出張続きで多少の疲れを感じていたのか、ニンニク系もがっつりと攻めたくなった。そんな私の目の前に飛び込んできたメニューが「にんにくの天ぷら」。ニンニク依存症の私は迷わず瓶ビールと一緒に注文。嬉しいことに「岩手遠野産とれたてホップキリ●一番搾り」だ。

 焼酎の湯割りを痛飲した後の冷たいビールが心地よい。カウンターで店内のスポーツ新聞を楽しんでいると、ブツが運ばれてきた。……。思わず目を剥いた。黄金色にカラリと揚がって実に旨そうだが、50ヶほど入っているのではないか。わずか500円なのに。

 圧倒されながら、口に運んだ。……。サクサク、ホクホク。旨みが凝縮されている。口にひと粒づつ放り込むごとに末梢神経が刺激され、血流が駆け巡る。胃のあたりは溶鉱炉状態だ。

 食欲がさらに刺激された私はワンタン麺を追加。凄まじいボリュームで提供される。スープを啜る。……。魚介と鶏ガラ(たぶん)の奇跡的コラボレーションにむせび泣く。ワンタンが最強。お肉たっぷりでジューシー。ツルツルしてあっという間に口から食道、胃へ滑り落ちる。

 ニンニクの天ぷらが大量に残っている。私はこれらをワンタン麺にぶち込んだ。天ぷらの衣の油がスープに溶ける。ひと味違ったパンチのあるスープに変貌する。

 ニンニクの過剰摂取で、私の中の何かが壊れた。胡椒や塩が集積するカウンターの調味料ゾーンに凄まじいブツがあった。巨大な瓶にたっぷりと収められたスリオロシにんにくである。腰かけた瞬間から目に入っていたのだが、天ぷらに圧倒され手を出そうと思わなかった。

 私は、瓶のフタを外した。スプーンで大量にすくい、ラーメンにぶちまけた。犬のように丼に顔を近づけて、夢中になった。それから、記憶が無い。

 翌朝。目覚めれば体全体が熱っぽい。口の中と胃が炭火でイコされたような感覚。自分では気づかないが、猛烈なニンニク臭を発しているはずだ。ドラキュラどころかオッサンすら寄りついてこないだろう。臭い消しには100%りんごジュースが効果的と何かに書いてあった。コンビニに急がないと。店員さんにも顔を背けられそうだけど。

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ニンニクと遠野産ホップビールをこよなく愛するニンニク依存症者にとって、究極最高のコンビ。

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2013年02月25日

第669夜:KOBE-man in MIYAKO【宮古(岩手)】

 関西弁。生まれも育ちも現住所も神戸人の私にとって関西弁とひとくくりにされるのは少し抵抗があるのだが、三陸人にとっては神戸弁も河内弁も京ことばも区別がつかないのだろう。

 私は宮古に限らず三陸沿岸で大津波絡みの活動をする際は、常に作業着上下である。神戸の自宅を出る時からこのスタイルだ。飛行機にもこのままだし、いったん東京で立ち寄ってから三陸に足を運ぶ際も、天下の銀座で作業着上下で酒を呑んでいる。厚顔無恥、ここに極まれり。

 宮古訪問当初。なじみになった居酒屋の暖簾を潜る。ママが「いらっしゃ〜い」と声を掛ける。上下作業着姿の私はニヤリと笑みを浮かべながら軽く会釈する。カウンターに腰を掛けるまで、私は一言も声を発していない。腰を掛けてから、呑み物オーダーのやり取りだ。

ママ「なに入れる?」
アヅマ「ビール」

 それまで客同士やママと談笑したりボンヤリTVを眺めていた常連客らが、一斉に私の方を見る。空気が一瞬、凍るのだ。遠巻きに私の方をチラチラ見ているのが肌で感じることができる。

 ビールが運ばれてきた。ママに軽く会釈する。タフな一日のご褒美としてゴキュゴキュ喉に放り込んでいると、かなり間が空いてから隣の常連客が話しかけてきた。「お兄さん、関西の人?」

 空気が凍った理由が分かった。観光客など100%訪れない生粋の地元居酒屋に、謎の関西弁男が常連のような顔で入ってきたのだから。皆さん戸惑ったのだ。

 私が発した言葉は一言。それも、「ビール」。3文字ともいえない2.5文字のような単語ですら、関西弁のイントネーションだったようだ。

 進学、就職などで一度も岩手県内を出たことがない生粋土着の宮古人にとって、生の関西弁は極めて珍しいそうだ。TVでお笑い芸人が発する関西弁しかなじみがないという。確かに、私は2年近く宮古に足しげく通っているが、関西弁と出くわした記憶がない。

 老若男女問わず、一般的な宮古人は人見知りで控えめ。しかし、いったん胸襟を開くとどこまでもフレンドリーでホット。前述の紳士が話しかけてきた後、他の常連客も一斉に私に話しかけてくる。ただ、私自身が当時は宮古弁がほとんど聞き取れず、微妙な笑みを浮かべながら適当な相槌でお茶を濁していたのだが。

 他の地区は分からないが、宮古市中心市街地で関西弁を日常言語として生活、活動しているのは私だけかもしれない。大津波直後は頻繁に見かけたが最近はほとんど目にすることのない作業着上下ルック。関西弁。太り過ぎ。泥酔。プチアル中…。とにかく目立つそうだ。

 「この前、宮古の呑み屋で上下作業着を来た関西弁のデブがグデングデンになっていた」という類の話を聞かれたなら、それは間違いなく私のことを指していると思われる。

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オール宮古人の中で関西弁で挨拶させていただく私。

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2013年02月24日

第668夜:宮古街なか商人通信、発行スタート【宮古(岩手)】

 「いわて宮古街なか商人通信」。宮古市中心市街地の108事業所で構成した被災商店主グループ「いわて宮古街なか商人グループ」が発行する組合員向けの手作り‘かわらばん’である。その記念すべき第1号が2月中旬に完成。さっそく配布された。

 「2012年7月に正式発足した本グループは単なる補助金受け皿団体ではなく、コミュニティの再生と拡充を担い、地域コミュニティの核として地域住民およびグループ内で交流・連携を深め、共に復興再生の道を歩みたい」。しっかりとグループの立ち位置も表記されている。

■「会費・入会金の納付手続き開始」

 冒頭から組合員には目にも耳にも痛い情報だが、グループの根幹と自助努力の部分であるため避けては通れぬ。極めて重要なニュースである。

■「『街なか店ガイド』平成25年版作成スタート」

 昨年度も作成した同ガイドだが、今回はさらに拡充して発行予定。掲載料は昨年一律2000円だが、今回はグループ加盟店は「無料」という嬉しいお知らせ。見事なアメとムチである。

■「小さな店の大きな魅力の発見と研鑽〜一店一芸研修会」

 一店逸品事業の専門家を講師に迎え、市内小売業者30名ほどが集まって「一店一芸事業」を進めるための研修会がスタート。そのレポートが興味をそそる。「宮古らしい店磨き」「個店の魅力探し・発信」。こちらも要注目である。

■「共同事業実施経過報告と今後の予定」

 グループ会費徴収(2月中旬から)、「おらほの街の店ガイド(バージョンアップ版)」作成開始(2月中旬から)、末広町街ごとWi-Hiテスト導入(3月上旬)、第3回一店一芸研修会(3月中旬)、第1期震災支援地域通貨リアス精算(3月下旬)。2013年4月以降も商店街うるおい創出事業、街なか商人体験学習事業、スタンプラリー、第2期リアス通貨発行と目白押しだ。

■「編集スタッフ紹介」

 商人通信の編集作成を担う2人の紹介。趣味が散歩・好物は白米という宮古在住のN澤氏と、趣味はドラマ鑑賞で和菓子が好物というT垣女史。今後の足を使った取材力に期待だ。

 私は神戸・新長田のまちづくり屋時代、「TMOかわらばん」(組合員用・500部)「神戸・新長田 新鮮トレトレにゅーす」(住民用・1万部)を10年以上ひたすら毎月発行し続けた。今回、このような‘手作りかわらばん’が誕生したことに喜びを抑えきれない。

 2013年2月以降、毎月定期発行する予定。復興野郎Bチーム・M好IT担当マネージャーが手掛けたホームページでも内容を確認できる。間もなく更新されるであろうから、ぜひご覧あれ。⇒「いわて宮古街なか商人グループ」http://miyako-akindo.com

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「宮古街なか商人通信」記念すべき第1号

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2013年02月21日

第667夜:鵜住居だより〜13通目【釜石(岩手)】

 鵜住居地区復興まちづくり協議会。岩手県釜石市内最大の被災エリア・鵜住居地区の地権者やテナント、地域住民らをすべて網羅したまちづくり協議会です。阪神・淡路大震災における神戸市内に林立したまちづくり協議会は基本的に地権者のみで構成していましたが、少し意味合いが異なります。釜石では別途「地権者連絡会」がその役割を担っています。

 まちづくり協議会内にグループがいくつかあり、私がお手伝いするのは「商店街を考えるグループ」。これまで2012年8月よりほぼ月1回、商店主・事業者が集まって本設に向けた勉強会を開催してきました。勉強会で提示された課題や方向性を、グループのリーダーたちはしっかりと協議会に伝えています。しっかりとしたリズム、体制がようやく構築されてきました。

<駅前再建希望チーム>:観光交流センター・体育館を核にした店づくり
<寺前交差点付近再建希望チーム>:地域住民に密着した店づくり
<テナント希望チーム>:スピード感を持った店づくり。

 2013年2月中旬。勉強会のテーマは「魅力ある観光交流拠点・施設とは?」「地元から愛される・地元に密着した店づくりとは?」の2点。

 「魅力ある観光交流拠点・施設とは?」に関して、観光交流センター、温浴施設、防災メモリアルパーク、体育館とそれに付随する大駐車場の必要性が上がりました。単なる資料館ではなく体験型の教育機能も兼ねたものに。桜並木通りも欲しいところです。来街を増やすよりも、滞留時間を増やす仕掛けづくりも必要……。意見がどんどん飛びだしてきます。

 体育館はスポーツだけでなくコンサートもできるものに。長崎平和記念公園のように印象に残る慰霊碑(亡くなられた方々の名前を刻む)も必要…。アイデアが尽きる気配はありません。

 「地元から愛される・地元に密着した店づくりとは?」に関して、ワンストップ型エリアを目指すべき、接客クオリティを向上させる、「鵜の市」の定期的開催…。時間が全く足りません。

 意見の中で「商業者も消費者に」というものがありました。これは私の神戸新長田時代にしみじみ痛感したことでもあります。

 新長田の巨大再開発では、低層部分の商業ゾーンが先行して整備。高層部分の分譲マンションゾーンはかなり後に。従来は1階が店舗、2階以上が住居だったいわゆる‘しもたや’が主流でしたが、他地区で住居を構える商売人が続出。‘通いの商売人‘が一気に増えました。

 従来は商売人も消費者でした。商売人の数もバカにならぬほどで、地域の経済循環に大いに貢献してきたのですが、それも昔の夢となりました。小売商業と居住はセットで整備されなければなりません。新たな買物難民を生むだけでなく、‘引きこもり商売人’を生み出すことにもなりかねませんから。

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