全国37団体が応募した名誉あるコンテストに、岩手県宮古市中央通商店街と宮古中央通りに緑を復活させる会のコラボチームが「震災復興特別賞」を受賞。2013年2月14日、中央通T橋理事長ら役員は受賞の喜びを宮古市長に報告すべく、市長表敬訪問を実施した。
真っ黒なヘドロ海水が市街地を破壊していく様子が市役所職員たちの絶叫と共に何度なく繰り返された宮古市役所からの津波映像。市役所に隣接する中央通商店街は2m以上の浸水を呑み込まれ、多くの事業所が解体に追い込まれた。
中央通は大津波前から花と緑の癒しの商店街として植栽に力を入れてきた。大津波でヘドロ海水をかぶったため、樹木はすべて枯れ果てた。中央通商店街名物「朝会議」でも、組合員からは花と緑の復活が最も希望されていた。
全国から中央通に様々な花々が届けられた。2012年、中央通北側約500mにツツジやハナミズキなど約600本を植樹。2013年3月には南側にナデシコなど約500本を植える予定だ。これらの活動が評価され、今回の受賞に繋がった。副賞の樹木は4月に届けられ、植えられる。
今回のコンテストは宮古市出身で盛岡在住のグリーンアドバイザーがプロデュース。テーマは「花かおる散策路」。地域住民に愛される花と緑で潤いのあるコミュニティ空間づくりが目標だ。宮古の四季を身近に感じ、散策の楽しさが増し、海風に運ばれる潮の香りと花の香りがブレンドされ極上の空間が生まれるという。
植樹作業は組合員中心だが、協力して下さる市民ボランティアも数多く募集する方向だ。共同作業することで参加した市民に関心と愛着を持っていただくことも狙いの一つ。
植樹作業中に「あら、何を植えているの?」と声を掛けられることも多く、地域住民や買物客と商店主とのコミュニケーションにも一役買っている。地域住民も花々の成長を楽しみに、毎日商店街を散策するという。
震災復興支援地域通貨「リアス」事業、宮古あきんど復興市、商店街レッドカーペット…。メディアの話題を独占する破壊力満点の復興事業と比較すれば、極めて地味で地道な取り組みである。しかし、このような取組が近い将来、復興の大輪の花を咲かせることに繋がるはずだ。
表敬訪問を受けられた宮古市長から中央通関係者は激励の言葉を頂いた。「一つ一つのこのような取組が、まちを元気にし、復興させていく」。私は大きく首肯した。
宮古市長(右から2人目の紳士)を表敬訪問
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