2012年09月30日

第572夜:ジンジャ、スマイル、ヒョウタンヤマ【東大阪(大阪)】

 スマイル瓢箪山。ラグビーの聖地・花園の隣駅である近鉄瓢箪山駅周辺商店街4団体の愛称である。駅北には瓢箪山中央商店街(サンロード瓢箪山)、南にはイナリ前商店街(ジンジャモ−ル商店街)と瓢箪山駅前東商店街が広がっている。何と言っても、私を含めた日本人の99%は書けないと漢字と思われる「瓢箪(ひょうたん)」という地名がユニークである。

 日本三大稲荷に数えられているらしい瓢箪山稲荷神社のある小高い丘はひょうたんの形をした古墳で、昔から「瓢箪山」と親しまれてきたそうだ。千成瓢箪がトレードマークの太閤秀吉公が大阪城から東を見渡し、ひょうたん形の丘に瓢箪(ふくべ)の神を祭ったのが瓢箪山稲荷神社の始まりという。

 稲荷神社に近接するジンジャモール商店街のアーケード柱は朱色で、鳥居を連想させる。商店街のアーケードからも巨大ひょうたんオブジェが飾られ、正面アーチも駅横の広場もひょうたんをモチーフに押している。店頭、柱、至る所にひょうたんだらけだ。

 ジンジャモールからサンロードはアーケードが近鉄駅前を除き架かっているが、アーケードが切れてからも商店街は続く。なだらかに傾斜し、道幅は狭いもののかなりの賑わいである。商店街は人で溢れ、自転車を押しているお客も多い。食品スーパーも多く、業種もバラエティに富んでいる。サンロードの一画にある3番街エリアなどは実に味がある風情だ。

 東大阪市役所から頂いた資料では、瓢箪山商店街はこれまでも様々な取組に勤しんでいる。5年ほど前に実施したらしい一店逸品事業「ひょうたんから逸品」、オリジナルテーマソング「スマイルひょうたんやま♪」CDや、オリジナルキャラクター「せんなりくん」誕生など。

 商店街を散策すると「ひょこタン」なる愛らしいキツネをデザインしたキャラが様々な場所で大活躍しているようだ。「せんなりくん」のライバルなのだろうか。

 サンロードには組合事務所とは別に安全安心ステーションがあり、様々な情報やサービスが入手可能。イベントやお祭りも頻繁に開催し、地域通貨も実証実験したそうだ。

 瓢箪山商店街はそれぞれ組合単位で活動し、連合体として「スマイル瓢箪山」は存在しつつも組織を横断する若手商業者の会は、呑み会レベルでしか活動していなかったそうだが、東大阪市商業課様の「元気グループコーディネート事業」に応募すべく、瓢箪山若手商店主らが「瓢箪山未来創生クラブ」を結成。2012年9月より半年間、勉強会や先進地視察、ワークショップを通じて次年度以降の活性化を検討することに。私が全体のお手伝い役を仰せつかった。

 瓢箪山の魅力を伝えるには、私のバカコラムではとても足りない。未来創生クラブのO東代表が発信するHPをぜひご覧あれ。大充実です。
ジンジャモール瓢箪山:http://www.jinjamall.com/
SMILE瓢箪山:http://www.hyotanyama.net/

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ジンジャモール瓢箪山商店街
posted by machi at 09:53| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月29日

第571夜:鵜住居だより〜10通目【釜石(岩手)】

 橋野高炉跡。鵜住居地区から遠野方面に20kmほど移動した橋野にある、現存する日本最古の洋式高炉跡です。要するに、日本最古の近代的な製鉄所。日本近代製鉄の先駆けです。時代は江戸末期にまで遡り、現在の新●鉄釜石に至ります。「鉄の歴史館」なる施設もあります。

 車で移動している途中、本当にこんなところに遺跡があるのかと不安になるほどの行程ですが、山の中の公園と思しきエリアに高炉跡が点在していました。あくまでも高炉ではなく「高炉跡」なので、見た目はただの石組にしか見えません。遺跡らしく廃墟ムードは満点です。

 そんな哀愁漂う橋野高炉跡ですが、泣くオトナも黙る天下の世界遺産候補地です。ただし、メインは北九州や山口の高炉跡らしく、そちらが世界遺産登録されればついでに橋野高炉跡も仲間に入れてもらえるかも、といった東北らしい謙虚さと遠慮深さが魅力的な国指定史跡です。

 岩手県の御当地ミネラルウォーターといえば「龍泉洞の水」ですが、釜石にもご当地ウォーターがあります。その名は「山華の雫」。ペットボトルでも売られており、採集地は鵜住居地区と橋野高炉跡の中間に位置します。義経北行伝説に登場する笛吹峠の麓、北上山地の霊峰片葉山を水源とする大仁田山の鍾乳洞より湧きでる天然水だそうです。

 とても車で入れそうにない山中の悪路です。本当に源流はこんなところにあるのかと不安になります。車がガリガリこする音が聞こえそうです。無事到着した時は安堵しました。

 ミネラルウォーターの採集地まで訪れることは、よほどの水マニア以外機会はないでしょう。美しい清流が山々の間を流れていきます。温度はグッと低く、マイナスイオンが舞っているのが目に見えそうなほどです。

 二日酔いの翌朝、キリッと冷やしておいた「山華の雫」をノドに放り込みます。まさに甘露。末梢神経まで鮮烈な大自然が行き渡るのが体感できます。ドロドロ血液がサラサラになるのが分かります。

 釜石が誇るシンボルと言えるのが、釜石湾を一望できる高台にそびえ立つ「釜石大観音」。48.5mという白亜の観音様で、神戸・新長田地区の鉄人28号等身大モニュメントの倍以上の大きさです。地震前までは観音像の中(胎道というそうです)に入れたらしいですが、地震の後は危険ということで胎内侵入不可です。

 釜石の復興を高台から見守る釜石大観音の威容は、新・世界の七不思議(建築)に崇められたブラジル・リオデジャネイロのキリスト像のような力強さと美しさに満ちています。そんな慈愛あふれる大観音は、麓から見上げるだけなら無料ですが、近くまで寄ってご尊顔を拝見しようとすると有料です。駐車場料金も三陸では珍しく有料です。

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世界遺産登録を目指す「橋野高炉跡」

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「山華の雫」の源流

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釜石のシンボル、大観音様
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2012年09月27日

第570夜:鵜住居だより〜9通目【釜石(岩手)】

 釜石ラーメン。釜石市内の中華料理店や仮設商店街では頻繁に「釜石拉麺」と染め抜かれたノボリを目にします。あっさり醤油味のちぢれ麺が特徴だそうです。

 釜石市西部地区の仮設商店街「はまゆり商店街」のラーメン店<こんとき>さんの暖簾を昼食に潜りました。店内は大賑わい。私は釜石ラーメンとミニチャーハンセットを注文。650円という感涙価格です。

 見た目は確かに醤油色。スープを啜ってみました。……。鶏ガラと煮干系と感じました。あっさりとシンプルな優しい味わいです。釜石から50km北上した宮古ラーメンの透き通った魚介100%(たぶん)スープとは異なります。

 釜石市中心市街地(東部地区)の<工藤食堂>さんは肉屋の直営食堂。仮設ではなく自店を修繕して営業を再開したようです。2階が食堂で、激安なのにボリュームたっぷりランチサラリーマンや工事関係者に大人気。同じく昼飯に入ったのですが、びっしり満員です。

 私はラーメンとミニカツ丼セットを頼みました。20分ほどして出てきたブツは凄まじいものがあります。カツ丼もミニではなくほとんど普通サイズ。しかも小鉢付きです。

 こちらのラーメンは出汁がしっかり効いて濃厚。私好みです。単品で380円、カツ丼セットでも800円という悶絶絶頂価格。あっという間に胃に収まりました。後日、チキンカツ定食に挑みましたが、皿からはみ出そうなほどの大きさ、分厚さでした。

 会議を終えた夜、ほとんどが21時に閉店してしまう釜石の飲食店で、割と遅くまで開いている貴重な中華料理店が<青龍>さん。第1期滞在中、2回訪れました。そこで味わったのが「味噌ちゃんぽん」。これもかなりのボリュームです。空腹ピークだったので一気に啜りこみました。

 前述のはまゆり商店街の<海舟>さんでは「ばくだん丼」なる逸品を堪能しました。とろろがベースで、刻まれた納豆とマグロが仕込まれています。ウズラ卵が一つ。これも初めて味わう滋味あふれるヘルシー丼です。500円。シビレました。

 ちなみに仮設商店街「はまゆり商店街」を舞台に9月15日は男女200人の「街コン」が開催されました。仮設を舞台にした街コン。実にシュールです。幸せが生まれることを願います。

 割烹のような店名のカレー専門店<あゆとく>さんにも夜に訪れました。釜石商工会議所D橋氏おススメの「スリランカ風カレー」。蕩けるように柔らかい大きな塊チキンが実に印象的。ちなみに夜にカレー屋で、しかもアルコールなく水だけで食事したのは20年ぶりでしょうか。

 麺フェチの私はご当地麺に目がありません。しかし、麺以外にも実力たっぷりの逸品も数多く控えています。絶品かつお得な昼食は、午前と午後のスイッチを切り替える大切な儀式であることを、タフな日々を過ごす中でしみじみ痛感しました。

 今回の「鵜住居だより」、鵜住居の情報が一つもないことに今気付きました。失礼しました。

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釜石ラーメン&ミニかつ丼セットin<工藤食堂>
posted by machi at 11:35| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月26日

第569夜:鵜住居だより〜8通目【釜石(岩手)】

 釜石時間。宮古(岩手)時間は集合時間の5〜10分遅れ、沖縄時間は1〜2時間の遅れで22時ごろから呑み会スタートなど、地域ごとに様々な独特の時間感覚があります。釜石市に滞在中、釜石時間または鵜住居時間なる概念があるかどうか分かりませんが、戸惑うほどに痛感しました。時間通り集合というのでなく、とんでもなく時間前集合が早いのです。

 私の釜石鵜住居第1期滞在は4泊5日。最初の3晩は商業者グループを男性、女性、若手と3分割し、18時半からそれぞれ私との意見交換会が釜石市役所、釜石商工会議所もオブザーバー参加しながら開催されました。最後の夜は懇親会です。

 私たち県・会議所・市の鵜住居支援チームは早い時は17時半ごろから、遅い時でも18時から会場準備を始めました。すると、18時ごろから続々と商業者が会場入りされます。

 私は最初、時間を間違えていたのかとヒヤリとしました。開始5分前にはほぼ全員が着席されています。遅刻の場合は事前に連絡が入っているようです。

 鵜住居商業者グループを対象にした午前中の岩手県補助事業の説明会でも、10分前には会場はぼびっしり埋まっています。律義さに感動していると、地元の方が私に教えてくれました。

「慣れない時や不安な時は、早く集まる傾向があるみたいですよ」

 私は日本各地を訪問しますが、会議や打ち合わせを定刻通りスタートできることの方が圧倒的に少数です。鵜住居の皆さまの不安が解消されると、遅刻者続出なのでしょうか。または時間ギリギリ出席になるのでしょうか。

 もう一つの戸惑いは、中心部の夜の静寂です。会議終了後から片付けや打合せで会場退出は21時ごろになります。毎夜、夕食に悩みました。市内中心部ですら飲食店は21時には閉店多し。チェーン居酒屋の灯りがより煌々と目立っています。

 鉄の街として大いに賑わって景気も良かった時代は遅くまで開いていたようですが、今や代行タクシーが21時には営業終了だそうです。岩手県宮古市では落ち着いてきたとはいえ、代行は少し前まで3時間待ちが普通。終夜走りまわっています。

 商工会議所のD橋氏は必死で営業時間を確認して下さいます。同じ中華料理店に2回、営業終了していたのですが頼み込んで開けて頂いたカレー屋1回。恐るべし夜の釜石時間です。

 旅館まで車で15分。運転手役を担って下さる県庁のT橋氏に申し訳ないので生ビールをグイグイは気がひけます。10年ぶりに麺類やカレーライスと水という夜ご飯を経験しました。ちなみにスリランカ風カレー、実に美味でした。昼食にぜひもう一度と思います。

 ある夜、我慢できず、2回目となったラーメン屋でニラレバ炒め、餃子、瓶ビールの黄金トリオを一人で注文してしまいました。しみじみと旨かったです。

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「鵜住居を新生する会」女性グループ会合にて。バシッと定刻通り。
posted by machi at 07:22| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月24日

第568夜:鵜住居だより〜7通目【釜石(岩手)】

 宝来館。釜石市鵜住居地区の海岸沿い(根浜)に屹立する4階建ての立派な旅館です。2011年3月11日の大津波の際、女将さん決死の避難誘導が全国の耳目を集めることになりました。

 私の釜石市鵜住居地区第1期滞在中、私は宝来館に宿泊していました。会議を終え、夜に宿に向かう途中の道路は漆黒の闇です。掛け値なしに真っ暗です。車で慎重に突き進んでいくと、闇夜を照らす希望の灯台のごとく、宝来館が目に飛び込んできます。

 宿の前を含め、辺り一帯は砂浜が広がる海水浴場でもあったそうです。ところが前回の大地震で地盤沈下し、砂浜が水没してしまいました。海が、近いのです。

 蓬莱館には今、日本のみならず世界中から宿泊客が訪れています。常に観光バスが泊まっています。宿泊客にとって釜石鵜住居訪問の大きな目的の一つが、女将による臨場感あふれる大津波の際のお話です。

 女将さんは巨大パネルを用いて、生々しく伝えて下さいます。おそらくこれまで、宿泊客に100回以上お話されているのではないでしょうか。女将さんの活躍は宿舎内や釜石市内、日本全国に留まらず、フランスやアメリカにも御招待され、大津波の語り部を務められています。

 大津波で大ダメージを受けた宝来館は2012年1月、リニューアルオープンしました。かなり湯が熱めの大浴場はサウナと露天風呂は故障中(2012年8月末時点)でしたが、一日の疲れを芯から癒すことができます。世界的指揮者氏が宝来館前でタクトをふるったことでも知られています。敷地内には慰霊の鐘もあります。

 朝食の充実も目を見張ります。地元産の食材もたっぷりの温泉旅館朝食形式で、仮設商店街「鵜!はまなす商店街」内のパン屋さん<あんでるせん>さんのパンも食べ放題という豪気さ。ふんだんなおかずで朝からお櫃の炊きたて白御飯が口、ノド、胃に飛び込んでいきます。

 再開してからはなかなか予約が困難ですが、鵜住居地区では皆さんが集うことができる大きな飲食店どころか、集会場すらありません。私の第1期滞在最後の夜、「鵜住居を新生する会」に加盟する商業者約30名、市役所、商工会議所、県庁、そして私の合同懇親会が開かれました。震災後、鵜住居地区の商業者が集って呑み会をすることも初めてだったそうです。

 1次会終了。地区内に2軒目をハシゴする場所はなさそうです。館内のロビーになんとなく居残った面々で酒を呑みながら涙なしには聞けない、または腹を抱えて笑ってしまうような話に華が咲いていると、九州から戻ってこられた女将さんの航空写真パネル付きマシンガントークショーの始まり。

 私は釜石の地酒「浜千鳥」の一升びんを一人でグイグイやりながら聞きいっていました。何度も胸が熱くなりました。一升びんが空になるころ、記憶が吹っ飛びました。女将さんの話も申し訳ありませんが半分以上吹っ飛びました。もう一度聞かせていただけるでしょうか。

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東朋治フェイスブック⇒http://www.facebook.com/#!/tomoharu.azuma
posted by machi at 08:14| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする