2011年12月28日

第387夜:拝啓、震災のまちから〜61通目【宮古(岩手)】

 「一陽来復」。厳しい冬もいつか過ぎ去り、暖かい春が必ずやってくるという意味だそうです。

 被災地の皆さまと談笑していると、年賀状の話題になることがあります。特に文面です。「あけましておめでとうございます」という言葉に抵抗を感じる人も多いそうです。三陸沿岸部の方をはじめ被災県に住む人にとって、大小あれど身近に悲しい出来事を背負われています。

 商店街の事務所で作業している昼下がり、初売りのチラシの校正の訪れた衣料品店の大将が、私に「一陽来復」の意味を教えてくれました。例年ならチラシに「あけましておめでとうございます」と書くところですが、ご親族を亡くされた大将は「一陽来復」の四文字熟語を力強くチラシに書きこんでいます。私にとっても初めて目に、耳にする熟語です。

アヅマ「へえ。そんな意味があるんですね。「復」は「福」の間違いとちゃいますの?」
大将「いやいや、それが合ってるんだわ。辞書で調べたから大丈夫だべね」

 実にいい言葉です。私も年賀状に「一陽来復」の四文字を使わせていただくことにしました。

 2011年は被災者の方々だけでなく、日本中にとって忘れられない1年になったことでしょう。私自身、1995年に並ぶほどの苛烈な1年でした。

 2011年3月11日、TVや新聞の報道を見て、これほど無力感を感じたことはありませんでした。阪神大震災も未曾有の災害と言われてきましたが、正直に申し上げて私が生きている間に阪神以上の大災害が発生するとは思ってもいませんでした。

 3月11日から2ヶ月を経た2011年5月13日、中小企業庁様および全国商店街支援センター様からの命を受け、岩手県宮古市の中心市街地商店街に足を踏み入れました。それから1ヶ月間、宮古に常駐。怒涛の連続でした。毎週6回の朝会議、イベント実行委員会、6月10日に開催した「宮古あきんど復興市」、10月9日の「宮古あきんど復興市秋」、中心市街地商店街復興ビジョン検討会議…。

 9月7日からは宮城県気仙沼中心市街地商店街のお手伝いも兼任しました。仮設以降を見据えた本設店舗再建の検討会、クリスマスイブに開催された復興商店街オープンイベント…。

 全国商店街支援センターの皆さま方をはじめ、復興野郎Bチーム、現地マネージャーの面々たちが頼りない私を力強くサポートして下さいました。

 その間も単発ですが福島県福島市、福島県白河市、宮城県石巻市、岩手県釜石市の商店街関係者の方々と意見交換させていただく機会を得ました。改めて、東北人の粘り強さ、足腰の強さ、ぶれない強い気持ち、再建への意欲に応援するはずの私が逆に勇気と希望を頂戴しました。

 私は今日(2011年12月28日)、宮古から神戸にいったん戻ります。年明け早々から宮古、気仙沼に‘帰り’ます。被災地は猛烈に冷え込んでいます。被災者の皆さまだけでなく、日本中、世界中のすべての人々にも暖かい春は間もなくやってきます。「一陽来復」です。

 高くジャンプするためには、一度しゃがむ必要があります。2011年は2012年に驚くほど高く跳ぶための準備期間。2012年は最高にスバらしい1年に必ずなるでしょう。

 このバカコラムに毎度お付き合い頂いているユニークな方々、よいお年を。来年も御贔屓に!

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宮古市中心市街地商店街(末広町・中央通)を神戸市商店街連合会が神戸にご招待(2011年11月6日ANAクラウンプラザホテルにて)

(付記)
2011年12月29日からバカコラムも一人前に年末年始休暇をいただきます。ホタホタと書き散らしているうちにいつの間にやら387回も更新。東北から九州まで月に25日前後出張しているのでネタとストックは溜まる一方。賞味期限が完全に過ぎた死蔵ストックであふれています。
年明けは2012年1月4日(気が向けば3日)に更新開始です。今(2011年12月28日)私は宮古に居ますが、半端なく寒いです。骨が冷える感じです。しかし、年明け2日からドカンと初売りイベントを予定しており、商店街の熱気はとどまるところ知らずです。気仙沼も2日から初売りイベントが開催されます。
最近呑み屋で「ブログみてるよ」と声をかけていただくことが増えてきたように感じます。そんな銀河系30名ほどの呑ん兵衛の皆さん、ありがとうございます。よいお年を!

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2011年12月27日

第386夜:拝啓、震災のまちから〜60通目【宮古(岩手)】

 駅−1グルメ。JR三陸沿岸および三陸鉄道の各駅で最もおススメできる地元の味をSMAP様が認定した極上のご当地グルメです。ちなみにSMAPの略はSanriku Marketing Action Party。あの国民的アイドルグループとは少し違うようです。

 宮古においてSMAP様が認定した駅−1グルメは、宮古の台所・魚菜市場になる2大食堂の一つ<りきさん亭>にあります。その名は、「みやこ金色麺」。一日限定15食というレアぶりです。

 2011年5月に宮古を訪れるようになってから、様々な店で昼食を楽しみました。その中でも<りきさん亭>の駅−1グルメを注文する勇気がありませんでした。

 ある日の昼前、朝食を抜いて空腹に耐えかねた私は復興支援マネージャーとして神戸から宮古入りしているY川氏と早めのランチを摂取すべく<りきさん亭>の暖簾を潜りました。吉K氏は焼魚定食を注文しましたが、私は一人ではないという蛮勇が沸き起こり、「みやこ金色麺」を店員さんに注文しました。

アヅマ「みやこ‘きんいろ’麵、注文できますか?」
店員さん「みやこ‘こんじき’麺ですね。大丈夫ですよ」

 少し赤面してしまいました。期待と動揺で心がチリヂリに乱れていると、駅−1グルメが運ばれてきました。私の目の前に出てきたのは、三陸の宝石箱です。

 丼中央にルビーのように煌めくイクラが女王様の風格を備えてたっぷりと浮かんでいます。マツモ、フノリ、生ワカメという海藻三銃士を従え、圧倒的存在感で王様のごとく君臨しているのが、アワビ。殻付き丸ごと1個入りという豪壮さです。これらすべての具材は宮古産。宮古の昆布や魚介からとった澄んだ出汁に金色に輝く「黄麺」。油を一切使わないそうです。

 レンゲでスープを啜ってみました。……。あっさりとした和風出汁です。イクラ、アワビ、魚介ダシが濃厚なのですが、澄み切っており、甘みを感じます。

 麺を啜りました。ラーメンのようでラーメンでない不思議な食感です。ツルツルとノド越しよく滑って行きます。

 アワビを口に運びます。柔らかく煮付けられ、肉厚で旨みが濃いです。たっぷりとした量に感動します。イクラはレンゲでスープと共に味わいました。口の中でイクラがはじけ、和風出汁の味を一変させます。生臭さなど皆無で、純粋な魚介の旨みを堪能できます。

 私はライスを追加注文しました。レンゲでイクラをすくい、ライスにぶっかけるのです。たちまちいくら丼が完成しました。ワシワシと頬張り、存分に幸せを噛みしめました。

 最後の一滴まで出汁を啜りました。あっという間の天国でした。なぜ私が今まで注文を躊躇していたのか。やはり値段です。2000円。高いか安いか判断は分かれるところですが、宮古にお越しになられたら、ぜひ試していただきたい駅−1グルメであります。

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「みやこ金色麺」2000円なり。

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2011年12月26日

第385夜:拝啓、震災のまちから〜59通目【気仙沼(宮城)】

 2011年12月24日。51店舗が集う東日本大震災後の仮設商店街としては最大規模を誇る「気仙沼復興商店街 南町紫市場」がクリスマスイブにグランドオープンしました。

 気仙沼には珍しく雪が降り積もり、路面はアイスバーンに。最高気温も氷点下という極寒の中、24日から2日間、オープンイベントが開催されました。

 2日間計4回実施された先着プレゼントには、寒空にめげず配布2時間前から行列が形成。八幡太鼓の勇壮な演奏、弁天連の力強い神輿練り歩きの後、復興商店街のM上理事長ご挨拶、来賓ご祝辞の後、気仙沼カトリック幼稚園の園児たちによる開会宣言です。

「いまから、けせんぬまふっこうしょうてんがい みなみまちむらさきいちばが、おーぷんしまぁす!」

 あまりの愛らしさに会場から笑顔がこぼれます。開会宣言のためにたっぷり練習したのでしょう。オトナでも噛みそうな文章を見事に詰まることなくはっきりと宣言できました。

 11人のテープカットと同時に、園児たちが希望を込めた風船を天高く放ちました。歓声が湧きあがります。震災から9カ月半、ついに仮設商店街がグランドオープンしたのです。

 とにかく半端ない寒さです。寒いというより痛いほどです。厳しいコンディションですが、ジャズやゴスペルライブ、フォークソングなどがステージ上で披露。気仙沼が生んだスーパーアイドルグループ「SKC45」の皆さんも半袖で見事なパフォーマンスを展開。気仙沼高校ダンス部やダンスパフォーマーグループも寒空を吹き飛ばす躍動感を見せつけてくれました。

 南町の新たに誕生したイベントスペース「cadocco」でもシュールな一人芝居をはじめ様々なイベントが行われました。屋外では直径1mの巨大カステラが作られ、子供だけでなくオトナたちも舌鼓を打ちました。急遽出演が決定し、チラシに間に合わなかった下ネタ満載のヒーローショーも会場を湧かせました。個人的にはステージ進行責任者の私のグダグダぶりを完璧にフォローして下さったMCのN村女史と音響のS司氏に感謝するばかりです。

 よく年内にオープンが間に合ったものです。S本氏、O野寺氏という替えの効かない超強力ツートップの鬼気迫るリーダーシップと滅私奉公的行動力には、ただ頭を垂れるのみです。

 会場では40人近いサンタが大活躍。T京大学を中心としたボランティアの皆さんで、夜行バスで東京から気仙沼入り。避難所で雑魚寝し、翌日に帰路という弾丸ツアーで会場を大いに盛り上げ、サポートして下さいました。サンタ軍団を統括するK西女史、現地マネージャーのS井氏、CPのY川氏をはじめ、大勢のサポートで気仙沼商店街は支えられています。

 オープンはゴールではありません。本格復興に向けたキックオフです。気仙沼中心市街地で本格的に構造物が再建されるのは、5年以上先になるでしょう。これから壮絶な修羅場が被災商店街を待ちかまえています。しかし、今はオープンを祝福したい気持ちでいっぱいです。

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園児たちの開会宣言&テープカット&風船放天

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八幡太鼓と弁天連の競演

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さぞ楽器が冷たかったであろうジャズライブ

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雪の積もる悪コンディションにも負けず、半袖でパフォーマンスを披露する「SKC45」の皆さん

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下ネタ満載のヒーローショー

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この日を待ち浴びた被災者の皆さん方で大賑わい

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巨大カステラをクリスマスケーキに

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約40名の学生ボランティアサンタ。彼ら彼女らの活躍なくして成功なし

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被災商業地の聖夜を彩る仮設商店街

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2011年12月22日

第384夜:拝啓、震災のまちから〜58通目【気仙沼(宮城)】

 愛称・南町紫市場。壊滅な被害を被った東日本大震災から9ヶ月半、三陸最大級の仮設商店街「気仙沼復興商店街 南町紫市場」が2011年12月24日午前10時、ついにグランドオープンいたします。

 はやぶさの帰還よりも困難でドラマティックな障害を乗り越え、気仙沼市中心市街地の南町・一番街地区から51店舗が参加。被災地の消費者にとっても、商業者にとっても一生忘れられないクリスマスになることでしょう。

 12月24日は10時より八幡太鼓の勇壮な調べや弁天連とともにオープニングセレモニーを開催。見どころは幼稚園児たちによる願いを乗せた希望の風船放天。天高く舞い上がる風船は、未来への希望の架け橋でもあります。また、先着100名様にマル秘景品が進呈されます。

13時からもオープニングプレゼントが先着150名様に進呈。10時のマル秘景品とは異なった品目という芸の細かさです。

 他にもJAZZライブ、ゴスペルライブ、大学製作による映像上映、こども参加イベントなど盛りだくさんの内容です。
 
12月25日のイベントテーマは「子供たちのクリスマス」。気仙沼が生んだアイドル「SCK45」やダンスパフォーマー「跳力」とジュニアダンサーズのパフォーマンスをはじめ、気仙沼高校ダンス部も加わり躍動感あふれる一日に。フォークソングライブも挟まれているというシブい構成です。

この日も10時30分と15時の2回に分けて先着マル秘豪華プレゼントが進呈予定。もちろん景品は別種類というこだわりぶりです。

 新たに整備された街角イベントスペース<cadocco>もお披露目。24日はファイト新聞レプリカ授与、25日は10時から一人芝居「それゆけ桃太郎」が上演されます。

 12月24日(土)・25日(日)2日間限定の目玉企画は、仮設住宅送迎無料バスの運行です。仮設住宅にお住まい方々にとっても、商店街の復活を待ちわびられていたことでしょう。ただ、仮設住宅は場所の利便性にどうしても差異が出てしまいます。

まずは2日間、仮設住宅にお住まいの方々に、思いっきり商店街でお買い物をするという震災前の日常を取り戻していただきましょう。もちろん各店魅力たっぷりの商品をご奉仕価格でご提供予定です。

 当日は気仙沼の商店街を支えて下さった多くのボランティアの方々もサポートに駆けつけて下さいます。商店街への最高の復興支援は、商店街に出向き、店主と笑顔を交わし、そしてお金を使うこと。美しいイルミネーションを施された復興商店街に、温かい服装でぜひお越しくださいませ。(詳しくはコチラ「気仙沼復興商店街HP」http://kesennumafs.com/
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2011年12月21日

第383夜:小浜駅「焼き鯖そぼろ寿司弁当」【Ekiben】

 「焼き鯖そぼろ寿司弁当」。福井県小浜市にある小浜駅構内のキオスクで発見した激レア(おそらく)駅弁である。製造者は「御食国若狭おばま食文化館別館お食事処濱の四季」様。パッケージ包装は‘濱のかあちゃんのまごころ’と記されており、(社)福井県観光連盟様の推奨品シールも貼られている。

 竹を編み込んだような昔懐かしい弁当箱のフタを開けた。ヒューという嬉しい呻きが私の口から洩れた。宝石箱のように豊かな若狭湾の恵みが広がっている。同封の解説書によると、焼き鯖を手でほぐし、小骨を1本ずつ丁寧に取って甘辛く仕上げた「焼き鯖そぼろ寿司」(黒豆式部ごはん)がメイン。濱のかあちゃん手づくり「スローフード」を賞味できるという。

 そぼろ寿司を口に運ぶ。……。脂の乗った鯖に濃いめの味づけがベストマッチ。いくらでもご飯が進みそうだ。フレーク状になった焼き鯖の脂の乗った旨みを、黒豆や生姜などがサッパリと中和させる。見事なコンビネーションだ。

「揚げ鯖の甘辛煮」も季節感たっぷりで脂が乗り切っている。秋鯖の旨みを凝縮した逸品だ。骨を気にせず丸かじりできる。口の中は若狭の海だ。

 炊きたてご飯に最も合う最強の友は何か。生卵、海苔、塩鮭、明太子、塩辛、ふりかけ、いくら醤油漬…。三日三晩議論しても永遠に答えの見つからない難題だが、私にとって必ずベスト3に入っている友がいる。それは「鯖のへしこ」である。

 へしことは鯖や鰯を塩と糠で1年以上漬けこんだ若狭地方の伝統食。敬愛する小泉武●先生曰く「魚の漬物」とは言い得て妙。猛烈に塩辛いが、わずかの量で白飯3杯は軽く平らげてしまう魔力に満ちている。若狭地方に限らず、海から遠い内陸部で土産物としても見かけることがある。先人の知恵が詰まった保存食だ。ちなみに私は鰯より鯖のへしこを好む。

 嬉しいことに、「鯖の焼きへしこ」が弁当に入っている。わずかの量だが、感涙の旨さ。弁当の飯だけでは足りず、別途レトルトパック飯を購入しそうになった。へしこが入った駅弁は極めて珍しいだろう。

 旬の地場野菜を昆布とかつおのダシ汁で煮込んだ「煮しめ」、さつまいもをダシ汁とレモンで煮込んだ「さつまいものレモン煮」をはじめ、素朴な「わらび」、マヨネーズとケチャップに味づけされた「エビ」、味づけされた「煮しめゆで卵」など一品一品がどれも手間暇かかった極上の味づけ。素朴なのだが、豪華でもある。どれもが酒の肴としても逸品だ。ちなみにデザートは「黒糖わらびもち」である。

 ボリュームもすごかった。味づけも良かった。この内容で駅弁としては840円という破格の安さ。小浜駅で発見したら、迷わずに購入してほしい。午前中で売り切れるかもしれないが。

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小浜駅「焼き鯖そぼろ寿司弁当」

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posted by machi at 07:40| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする