2019年08月26日

第2262夜:幕の内 or 一点豪華主義【駅弁】

 K王百貨店。新宿を本拠地とする百貨店である。日本中に百貨店は数あれど、私のようなある分野のマニアにおいては「聖地」であり「甲子園」であり「紅白歌合戦」でもある。では、どの分野なのか。言わずと知れた「駅弁」である。

 毎年1月上旬に約2週間の京O百貨店駅弁大会が開催される。出店業者の泣き笑いや情熱に密着したドキュメンタリー(2010年)の再放送を令和元年の梅雨真っ最中の真夜中に呑みながら鑑賞。すっかり駅弁モードにスイッチが入った。

 我が自宅には『駅弁ひとり旅』『駅弁特急』『車窓のグルメ』といった駅弁コミックが揃っている。これらは我がバイブルであり、日本各地で駅弁を捕獲する際の指南書としている。

 2010年から駅弁道に足を踏み入れ10年目に突入した令和元年7月現在、おそらく700種類ぐらいは堪能しているはずだが、まだまだ未食が多い。

 このドキュメンタリーを観て唸らされたことがある。酒のサカナとしての駅弁はおかず豊富な幕の内系が望ましい。しかし催事においては、酒抜き、旅情という点も加味すると、幕の内系ではなく「一点豪華主義」でインパクトと見た目を訴求するという。激しく首肯させられた。

 その翌日、8時過ぎに神戸の自宅を出て三陸宮古へ向かった。駅弁ドキュメンタリーでは宮古の料亭<魚元>の駅弁も紹介されていた。

 上記のコミックでも紹介されている超有名駅弁だが、度重なる災害等の影響ゆえか、今は存在しない。しかし大津波の翌年(おそらく)、たまたま会議で一緒だった女将さんに無理行って作って頂いたことがある。その感動はこのバカブログにも昔だけど激筆した。

 遅めの朝食は伊丹空港で空弁を物色。私が選んだのは「神戸焼すきやき弁当」@淡路屋。肉びっしりの一点主義。「神戸牛」とどこにも書いていない点が幾分姑息とはいえ、これも関西人のなせる味のうちといえよう。

 ラウンジで珈琲をヤリながら喰らう。冷めても旨しだが、肉系は温めた方がやはり良い。

 花巻空港着。雨が降り続いている。バスで盛岡へ。寒さで震え、パーカーを羽織る。

 遅めの昼は駅弁売場ではなく土産物売場でひときわ煌めきを放つ<田清魚店>。この店の魚系駅弁はコスパ良く絶品。この昼は「まぐろ丼」。税込702円なのに鮪の刺身とネギトロがびっしり。醤油も追加でサービスしてくれる。

 普段はバスで宮古へ向かうが、旅情気分なら電車である。一日4本ぐらいしか宮古まで直通していないが、ちょうど30分後に出発する。

 1車両ゆえかなりの混みっぷりだが、臆せずにまぐろ丼を取り出す。これも「一点豪華主義」。醤油を2袋、わさびもぶっかけて頬張る。

 ……。まぐろ刺身で白飯を味わう至福。ボリュームも申し分なし。ビールではなくカップ酒が飲みたくなってしまう。ミッション前なのでどちらも断念したけれど。

 私の駅弁道がセカンドステージに突入した。酒のサカナとしての夜は幕の内系を、酒が飲めない朝食昼食では一点豪華主義で。九州南部の梅雨前線のごとく停滞気味だった私の駅弁熱が、再び熱量を伴って雨雲を蹴散らし始めた。

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伊丹空弁。

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盛岡駅弁。
posted by machi at 10:43| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月23日

第2261夜:回転すしざんまい【三宮(神戸)】

 <すしざんまい>。築地を本拠地に日本を席巻する多店舗寿司店である。その魅力が余すところなくお気に入りコミック『その「おこだわり」、俺にもくれよ!』第3巻に記されていた。

 無性に行きたくなった。関東方面に出張すると特に都市部でよく見かけたが、暖簾を潜ったことはなかった。そんな<すしざんまい>が神戸三宮の生田筋にいつの間にかオープンしていた。

 ある夏の午後。私は寿司を思う存分「ざんまい」してやろうと地下鉄三宮駅から地上に上がった。西口改札からならすぐなのだが、何故か東口から地上に出た。

 <すしざんまい>に向かおうとしたら<海鮮三崎港>の看板が視界に入ってきた。おや、こんなところに回転寿司が……。

 海鮮三崎港は(たぶん)Y野家系列の回転寿司チェーンである。真横に吉野家もある。三ノ宮駅高架下なのだが、奥まった中にあるので気づかなかった。関西であまり見かけない気がするが、回転寿司チェーンではこの店を私は最も好んでいる(2019年7月末時点まで)。

 <ざんまい>に行かずとも<三崎港>で十分ではないか。外から中を覗く。回転レーンは回っているが、寿司は回っていない。要するに握りたてを食べてほしい心意気と見た。

 ざんまいはコスパ良いらしいが、回転寿司よりは高いはず。三崎港で値段を気にせず思いっきり食べてやろうではないか。

 スイッチが入った。私は店内へ飛び込む。空いていたのでのんびりゆったりと腰掛ける。注文はタッチパネルスタイルで、1度に4品注文できる。様々な季節限定メニューが踊っている。

 エアコンが凄まじく効いていたので、熱燗(1合)をヤリつつ思う存分注文する。

第1陣:烏賊(2種類)・赤身(2貫)・小肌(2貫)。

第2陣:貝3種盛(赤貝・つぶ貝・帆立)、北海水蛸(2貫)、えんがわ(2貫)、下足(2貫)。

第3陣:中とろ(1貫)、炙り中とろ(1貫)、豚カルビ(2貫)、軍艦3種(葱とろ・いくら・ウニ)。

最後の第4陣:トロタク巻とかんぴょう巻。

 どれも鮮度抜群。私はあまり変わり種を好まぬが、回転寿司だけでしか味わえないだろう「豚カルビ」(2貫110円)は思わず笑みの秀逸さ。回っていないけど、回転寿司の醍醐味といえる。

 110円皿×5、190円皿×3、260円皿×3、390円皿×1、590円皿×1、熱燗1合(390円)だった。値段を気にしないとはいえ、110円皿からスタートし徐々にランクアップ。最後の細巻で一周。しかし、結果的にレシートを観ると、どこかで日和ってしまっている雰囲気が否めない。

 お会計は、そこそこしっかりした寿司屋で満喫する値段の3分の1程度。これで<すしざんまい>に行かなくてもすむ。……。いや、絶対に行かねばならない。三宮の寿司楽園を比較検討の上で確保するためにも。

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第1陣。

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第2陣。

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第3陣。

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最後の陣。
posted by machi at 12:27| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月22日

第2260夜:立ち呑みステーキ【難波(大阪)】

 <赤垣屋>。大阪ミナミ(難波)やキタ(梅田)で手広く営業している立ち飲み系居酒屋である。難波の商店街のど真ん中で屹立する店舗は朝から大賑わいである。

 店内は銭湯のオトコ湯オンナ湯のごとく喫煙ゾーンと禁煙ゾーンに分かれている。入口も異なっている。右斜め45度に肩を入れ合う、いわゆる‘ダーク’ポジションだ。酒の種類も安くて豊富で、発泡酒の生が常時200円代で楽しめるのも嬉しい。

 客の9割以上が注文していると推測されるのが、1本100円の「どて焼」(少し前まで80円)。圧倒的名物である。私もまずは入店と同時にどて焼2本と270円の生発泡酒を頼む。30秒もせずにネギがこんもり盛られて運ばれてくる。生発泡酒もほぼ同時に出てくる。

 鬼のように私は七味唐辛子をかけて頬張る。すかさず生発泡酒で追いかける。チープな組合せの妙を満喫しながら、この店限定「難波ステーキ」(280円)を注文するのが私の定番である。

 難波ステーキとは何か。初めて注文した時、サイコロステーキ程度の肉片が3ヶ程度小皿に盛られてくるようなものと推測していた。最初に拝謁した時、思わず目が丸くなった。

 生発泡酒とどて焼が無くなる頃、難波ステーキが運ばれてくる。一つの大きな肉の塊ではない。恐らく牛バラ肉をミルフィーユ状に重ねてクルクルと丸くまとめた物体である。これが2ヶ刺さった串が2本。出汁が掛かっているので、焼くというより煮るステーキといった塩梅だ。

 難波ステーキに合う酒は何か。いろいろ試してみたが、瓶の黒ビールに落ち着いた。コップにドボドボ音と泡を立てながら注ぎ、肉に七味を振りかける。串を手に取り、かぶりつく。……。肉の旨み、サラリとした脂のコク、だし汁がジュワリと口の中に溢れてくる。

 黒ビールをノドに放り込む。苦みと甘き深みがサッパリと洗い流していく。難波ステーキ、なかなかのボリュームである。下手なステーキより10倍リーズナブルで100倍旨い。

 もっとじっくりヤリたい時は、ハムカツやミンチカツ、コロッケを頼んでウスターソースをドボドボぶっかけて、チビチビつまむ。ホッピーの中(焼酎)お代わりを繰り返す。季節のおススメメニューや串カツも捨てがたい。

 オトコ一人、昼下がり。どて焼2本と生発泡酒1杯。難波ステーキ(2串)と黒瓶ビール1本。約15分。1000円強。店を出ると、太陽の光がアーケード越しに降り注ぐ。ダラダラ長居せず、小腹を満たしてほろ酔う程度が心地よい。

 これで食い足りなければ、難波の千日前や本通には立ち食い麺屋(イスがあるけど)が林立している。その中の一軒で、生卵を追加した肉うどんか、ダシの旨みが倍加する脂かすうどんを啜る。牛すじ肉。牛ばら肉。脂かす。徹底して肉で攻める。それも、立ったままで。

 だけど、帰りの電車は座りたいものである。

(付記)
令和元年七夕の午後、北Q州から来襲したパンチU野氏と<千とせ(別館)>で肉吸いをツマミに生をヤった後、<赤垣屋>へ。瓶ビールで乾杯し、難波ステーキを頼もうとしたら無くなっていた。そのかわり「なんばビーフカツ」が新たに誕生していた。どちらが好みかは、アナタ次第(私はどちらも好みでした)。

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幻となった「なんばステーキ」。

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新たなスター「なんばビーフカツ」。

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パンチとプチ赤ウィンナー祭。

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立ち寄らずにいられない。
posted by machi at 08:38| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月21日

第2259夜:肉吸小玉【難波(大阪)】

 「肉吸」。大阪なんばグランド花月(NGK)すぐ近くの<千とせ>さんの超弩級に有名な看板メニューである。10時半開店で14時過ぎには閉店。行列が途切れることなく、狭い店内は相席確実。明らかに観光客と思しきカップルも多く見かける。

 肉吸とは何か。簡単にいえば肉うどんのうどん抜きである。昔々、Y本新喜劇の看板役者・H紀京氏が二日酔いで訪れた際、肉うどんのうどん抜きを注文。これがキッカケらしい。

 土瓶蒸し、チャーシュー麺の麺抜き…。私は汁モノを肴に酒を呑むことに無上の喜びを感じる。出汁の中にたっぷり入った肉をつまみに、コップに注いだ瓶ビールを飲み干していく。

 麺がないので伸びる心配なし。肉の旨みが溶け込み、甘さ抑えた関西風極上ダシを啜り、ビールをノドに放り込む。休日午前中の天国である。

 4分の3ほど食べ終えた後、底に沈んだ半熟卵を潰す。クライマックスである。肉に絡めて口に運ぶ。……。マイルドなコクが口いっぱいに広がる。間髪いれずダシを啜る。ビールも肉吸も一滴残らず体内に吸収される。豆腐入り肉吸もある。

 仕事を控えてビールが飲めない平日。ビールの代わりに腹の減り具合によって「大玉(だいたま)」「小玉(しょうたま)」のどちらかを選択する。

 店内に入り、メニューも見ずに四文字熟語のごとく「肉吸大玉」「肉吸小玉」と声を発すると、常連気分を味わうことができる。店内のイチゲンさんたちから尊敬のまなざしを集めることができるかもしれない。

「大玉」とは卵かけ飯の大盛、「小玉」はその普通サイズを意味する。どちらも漬物が付いている。ほかほか白飯の中央に鎮座する黄身がセクシーだ。

 肉吸の肉をオカズに卵かけ飯を頬張る。口の中がすき焼き状態になるという至福。卵かけ専用醤油を垂らして口いっぱいに御飯を頬張ると、胃の底から力が湧きあがってくる。漬物が見事なアクセントだ。若い頃は迷わず「肉吸大玉」だったが、最近はすっかり「肉吸小玉」だ。

 「肉うどん」も絶品である。関西風のモチモチした食感が実に艶っぽい。肉のエキスが油膜を張るダシに絡めて啜ると、体内のチャクラが回ってしまいそうになる。夢中で啜りたくなるが、ものすごく熱いので要注意である。

 コンビニで<千とせ>の肉うどん再現を試みたカップ麺をたまに見かけることがある。ホンモノと味を比較することに意味を感じないが、再現しようという心意気を高く評価する。

 私はこれまでかなりの回数<千とせ>の暖簾を潜っている。9割以上が肉吸か肉うどんを注文。私も同様だ。しかし、この2品以外のメニューを迷わずに注文する客がいると、圧倒的な存在感を放つ。ホンモノ常連さんオーラのまぶしさに、思わず目を細めてしまう。ごくたまに肉吸の存在を知らぬイチゲンさんの微笑ましいウッカリも見かけるけれど。

(付記)
この本文を書いたのは恐らく5年以上前。その間、このお店に足を運んでおらず。
令和元年の七夕の昼、北Q州から織姫ではなくパンチU野氏が難波へ。氏と昼過ぎにNGK前で合流し、どこかに入ろうとしたらNGK内に<千とせ>の別館が。しかも空いている。券売機スタイルに戸惑ったが、肉吸い&生ビール。それよりも驚愕したのが、神戸長田名物「ぼっかけうどん」が券売機にメニュー化されていた。感慨深さで涙してしまいそうになった。

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別館にて。

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パンチ襲来。

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長崎駅前バスターミナル内の「肉吸い」。500円でおにぎり2ヶ付。おすすめです。
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2019年08月20日

第2258夜:行くな!絶対に行くなよ!【富良野(北海道)】

 「押すな!押すな!絶対に押すなよ!」。言わずと知れたDチョウ倶楽部が誇る熱湯芸である。

 ラベンダーシーズンに突入し、観光客が殺到。7月なのに異様に肌寒い夕方の北海道のへそ・富良野。新相生商店街で打合せしてたらリズム溢れる怒鳴り声が絶え間なく聞こえてきた。

 なんだと思って外に出ると、富良野高校の学園祭450人パレード。笑顔溢れる様子にオヤジの私は目を細めて微笑する。

 ミッション終了後、私のチキン人生屈指の実力<鳥せい>のフライドチキン&炭焼チキンにかぶりつく。いつ喰っても絶品である。

 〆はいつものオニギリではなく、何故かこの夜限定という鶏だし素麺。刮目瞠目。薬味も爽やか。かなりのボリュームだったが、最高の喉ごしが啜る箸を止められない。

 この店で呑んでる途中、同行の紳士淑女たちから集中業火を浴びた。

「アヅマ呑み過ぎだ」
「体に気をつけろ」
「真夜中に山岡家行くなよ」
「絶対に行くなよ」

 私はうなだれながら、1軒目では生1杯とメガハイボール2杯に抑え、2軒目は<ニューラベンダー>で6杯ほどにセーブする。

 夜中1時前に<ホステルトマール>帰着。「山岡家行くなよ、絶対に行くなよ」はある意味でGOサインかと思ったが。昼の札幌味噌ラーメンと夜の素麺という二重の防御麺作戦が功を奏し、誘惑の振り切りに成功。蕩けるように眠りに落ちた。

 深夜の超濃厚山岡家ラーメンスルーに成功し、胃もすっきり快調な朝。7時前にバスに乗って旭川空港へ。普段は朝から飯を食おうと思わないが、珍しく空腹を感じた。健康のサインなのか。

 リニューアルしたカードラウンジへ。2日前に札幌七厘会U氷氏&T樫氏にオミヤでいただいたセコマ限定「山わさび塩ラーメン」を朝食代わりに湯を入れて啜る。

 ……。完全に油断。ここまでわさびが効いているとは。汁と麺を啜るごとに湯気が鼻に入ってむせまくり。涙流れるまま。山わさびは大好物だが、これは異次元の破壊力。旨かったけど、あまりにもデンジャラスな新食感。

 皆さま、北海道に行けば<Sイコーマート>でこのカップ麺を捕獲あれ。しかし、啜るなよ!絶対に啜るなよ!未体験の刺激をお約束しますけど。

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旨すぎてキュン死(この言葉を使ってみたかったので。使い方あっとるんかな?)

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最高の喉ごしにキュン死。

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同行氏たちの美声にキュン死。

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異次元の破壊力に激死。

posted by machi at 10:51| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする