2012年5月13日の福興寄席は、特別に入場無料のチャリティとして開催された。高座に上がったのは、名古屋在住の小学6年生「KOHARU亭たいちろう」氏と小学4年生「KOHARU亭けいじろう」氏兄弟。天才小学生アマチュア落語兄弟として地元・名古屋で大人気のローカル大スターである。
兄のたいちろう氏は宮古市鍬ヶ崎地区の履物店の下駄を愛用していたが、昨年の大津波で履物店が被災。大阪で避難生活を送られている履物店ご夫妻を励ましたことが御縁で、宮古でのチャリティ上演が実現した。大震災後、兄弟は全国で震災支援のためのチャリティ落語会を十数回開催。被災地に元気と笑顔を届けられている。
午後3時。着物に身を包んだ兄弟が登場。会場からは「かわいい〜」という声が漏れる。下ネタ交じりのマクラからいきなり会場を爆笑に包む。客との掛け合いも円熟を感じさせる。
トップバッターはたいちろう氏が「まんじゅうこわい」を、続いてけいじろう氏が「小言幸兵衛」を披露。
私は目を奪われた。アマチュア小学生として侮ることなかれ。完全にプロの至芸である。特に弟のけいじろう氏は、クリクリ坊主頭の愛らしさで普通の小学生にしか見えないのだが、高座では本当に長屋のオヤジに見えるほどの熱演だ。
芸能プロダクションからもスカウトが絶えない実力者兄弟に、地元名古屋のTV局密着取材。ワッハ上方アマチュア演芸コンテストに弟は優勝、兄は準優勝を獲得。大阪くらしのミュージアム今昔館子供落語大会では兄弟そろって優勝するなど、受賞歴も多数。実力は折り紙つきである。
たいちろう氏のイリュージョナルな影絵パフォーマンスの後は、実力派若手漫才師「いたしかいし」。喜美いとし・こいし師匠の最後のお弟子さんで、会場を大いに沸かせた。
小学生落語家と若手漫才。正直申し上げて少しスベるのではないかと幾分危惧していたのだが、全くの杞憂。会場を占めたご婦人方の心を完全に鷲掴みにしていた。常に爆笑で、はたから見ていて死にそうになるほど笑い転げているご婦人も見られた。最後は会場全員で大合唱だ。
終了後、たいちろう氏とけいじろう氏の御両親、いたしかいしのお二人、TV局、商店街も交えて総勢20名ほどで懇親会。受け答えは完全に芸人の小学生兄弟だが、着物を脱いで普段着に着替えるとどこにでもいるような利発そうな小学生に戻る。兄弟仲が非常に良く、常に二人でじゃれ合ったりしている。小学生兄弟はジンジャーエールで乾杯だ。
懇親会を盛り上げたのは、兄弟のお母さま。中途半端な芸人なら裸足で逃げ出すほどのマシンガントークで場を制圧。その横でニコニコ目を細める物静かそうなお父様。被災地に幸せを運ぶ田中さんご一家の、いたしかいしのお二人のますますのご活躍を祈念いたします。
兄の「KOHARU亭たいちろう」氏・小学6年生(江戸落語)
弟の「KOHARU亭けいじろう」氏・小学4年生(上方落語)
爆笑に包まれた会場
東朋治フェイスブック⇒http://www.facebook.com/#!/tomoharu.azuma

