2019年06月24日

第2222夜:プレイバック80〜90’s【三宮(神戸)】

 とくれん。神戸の小学校給食のスィーツであり、神戸市内の公立小学校へ通っているガキのソウルフードである。私が小学校時代(1980年代)は存在していた。月1回程度しか供給されない極上のプレミアム感があった記憶がある。

 ある初春の遅めの午後。三宮で用事を済ませ、昼飯を腹に入れるため旭通あたりまで歩いた。久々に<吉兵衛>に行こう。センタープラザ地下の本店は行列だろうが、ここは空いているだろう。案の定楽勝で座席を確保する。

 券売機に対峙。いつの間にかタッチパネルになっている。ふと気づいた。「創業の味」とある。プラス100円で「肩ロース」に変更できるという。濃厚な旨味が特徴という。

 思わず膝を叩き、首肯した。この数年、私が高校時代から食べ続けている吉兵衛はあきらかにカツがあっさり味になった気がしていた。ちなみに現在は「背ロース」がデフォルトという。

 私はずっと肩ロースの味に慣れ親しんできた。しかし最近の変化は単に私の味覚が変わっただけと感じていた。結果として、店から足が遠のいてしまっていた。

 創業の味を思い出すべく、しかも若い頃は楽勝だった「だぶる」を押す。

 阪神淡路大震災前のセンタープラザ地下で5人しか座れない今思えば2坪ほどの店からスタートされたのではなかったか。今は難波の一等地にも居を構える一大勢力に。

 どこかの新聞記者からお聞きしたが、オヤジさんは第一線を引退し後継に託されたという。有難うございました。お疲れ様でした。

 ブツが運ばれてきた。一味と山椒をパラリし、カツにかぶりつく。……。首肯した。目尻が下がった。口角が上がった。これである。これが私が慣れ親しんだ吉兵衛の味である。濃厚な肉の旨味がガツンと体内で破裂する。

 沢庵で口の中をリフレッシュさせながらワシワシ食べ進める。さすがに半分を超えたところで苦しくなってきたが、ここは一気呵成である。

 残り3分の1のタイミングで、気になって仕方がないPOPを再度ガン見。「とくれん」である。神戸のソウルスィーツとある。100円。懐かしい。半冷凍のシャリシャリが思い出される。

 私は小さな声で「とくれん、お願いします」とささやいた。店員さんは店中に響き渡る声で「えぇっ!?とくれんですか!?今すぐお持ちすればいいですか!?」。かなり恥ずかしかったが、今すぐ持ってきて頂く。

 かつ丼をペロリ完食し、とくれんのフタ紙を外す。スプーンは厚紙なあたりがエコ意識の進展なのだろう。我が人生44年で初めて知ったが、とくれんの「とく」は徳島の意味だったとは。

 シャリっとスプーンを突き刺し、口に運ぶ。……。一気に1980年代にタイムスリップした。ジャンクな甘さで記憶の奥底が蕩けそうになる。

 2019年3月26日。後5日で平成が終わる。昭和50年代の学校給食のお楽しみだった「とくれん」、平成4年頃から現在まで食べ続けている「吉兵衛のかつ丼」。

 新元号になっても、吉兵衛の「だぶる」を食べ続けられるオヤジでありたい。とくれんを食べ続けるオヤジにはなりたくないけれど。

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たしかにソウルスィーツ。

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頼まずにいられないPOP。

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創業の味に破顔。
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2019年06月23日

第2221夜:2週間限定の必殺技【神戸(神戸)】

 黒ホッピー。関西の居酒屋では稀に「白」は見かけても「黒」はめったに味わえない。シンコは思いっきり高級魚になってしまったが、くぎ煮になる前の釜揚げは神戸の春の風物詩である。どちらも居酒屋でしかあまりお目にかからない。

 ある3月下旬のいかなごが相変わらず不漁で1s数千円という悲鳴が聞こえそうな生暖かい夕方。ハーバーランドで用事を済ませ、腹が減りノドを潤したくなった。新開地まで歩くのも面倒ゆえ神戸駅前の立ち飲みに狙いを定める。どうせなら初ダイブの店にしよう。

 1件目は駅前の立ち呑み酒場。居酒屋の駅前グループが展開しているのだろうか。瓶ビールの大瓶が480円で色々選べる。サッポロ赤星が嬉しい。

 ポテトサラダ250円と葱入りだし巻き玉子280円を召還し、凄まじいスピードでビールを飲み干す。店内のTVに見入ってしまう。内容はくだらないのだが、正月にTVとDVDデッキが同時に壊れてからニュースを観る機会が皆無ゆえである。

 メニューはかなり充実。刺身類も豊富。ホッピーが黒と白の両方ある。これは凄い。シンコの釜揚げ300円を召還。ポン酢でヤリながらホッピー黒。

 ホッピー(しかも黒)とシンコの組合せはもしかすると日本全国を入れても3月中旬〜下旬のこの店でしかなし得ない奇跡のコラボかもしれぬ。地味だが、超A難度の必殺技である。

 昭和のナポリタンも旨そうだが、目の前の「ケンミンの焼ビーフン」のPOPが激しく主張してくる。‘ピーマン入れんといてや〜♪でおなじみ’‘神戸の家庭の味’……。

 このキャッチに1gも覚えがない。ケンミンの焼ビーフンの存在はもちろん知っているが、神戸の家庭の味とは、生まれも育ちも生粋の44歳(当時)神戸市民だが1oも存じ上げなかった。値段は400円。私はピーマンは割と好きなので入れといてもらう。

 ブツ降臨。私が愛してやまないソーメンチャンプルに似ている。まずは具をツマミに3杯目のホッピーをヤる。いい感じの塩コショウ加減である。麺を啜るというより、口に運ぶ。……。独特の歯ごたえ。伸びないしピシっとしているからチビチビつまめば酒の肴に好適かもしれない。

 料理4品、酒精4杯で2700円ちょっと。大満足で満腹腹をさすりながら店を出る。

 ビーフンは麺類だが、私にとっての〆は汁モノ。ビーフンはツマミだった。かなり腹は張っているが、もう一軒攻めたい。〆の汁麺はまだ早い。

 すぐ近くに立ち飲み屋があった。突撃する。生ビールとお任せ2品(枝豆と切干大根)500円セットを召還。

 店内のTVでは大リーグの開幕戦が日本で開催されているらしく、イチ●―選手の雄姿が映し出されている。TVに見入ってしまう。

 生の後は黒糖焼酎へ。追加ツマミは「揚げたてポテトチップス」。揚げたてが嬉しい。熱々と冷え冷え焼酎のコラボ。黒糖をお替りし、至福に浸る。お会計は1700円だった。

 日本中で毎日のように旨い料理や酒を満喫する機会を頂戴しているが、立ち飲み系安居酒屋が一番落ち着く。この夜は結局料理7品、酒精7杯(ビール大瓶含む)で4500円以下だった。

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「赤星」が瓶で一番好き。

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黒ホッピーとシンコ。ある意味で奇跡の組合せ。

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神戸の家庭の味を44年にして初実食。

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2軒目へ初ダイブ。

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揚げたて旨し。
posted by machi at 15:25| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月22日

第2220夜:03/23/19【宮古(岩手)】

 『11/22/63(上・中・下)』(S・キング 文春文庫)。帝王キングのケネディ大統領暗殺に絡めた『このミス』1位のタイムスリップミステリである。

 では「03/23/19」は何か。2019年3月23日である。約8年ぶりに宮古〜釜石間のJRが三陸鉄道に移管し、久慈から盛まで三陸全線が開通する記念日である。そして、宮古の台所・魚菜市場がリニューアルオープンした日でもある。

 吹雪で氷点下だった2019年3月23日、私は埼玉県川口市から岩手県宮古市へ駆けつけた。三陸鉄道全線開通、魚菜市場リニューアルが目的ではない。一週間前に末広町商店街で発生した火災の状況確認が主目的であり、2か月ぶりに酒友たちと酒を酌み交わすためである。

 末広町の入り口に差し掛かると焦げた臭いが鼻をつく。崩落の危険をふせぐために建物全体が養生されているが、よく広範囲に類焼しなかったものである。奇跡である。しかし全焼してしまった店舗の再開までの苦闘を思い浮かべるだけで胸が詰まる。

 2か月ぶりに末広町商店街の皆さまに挨拶し、S香親分と魚菜市場へ。生鮮食料品を扱わないスーパーが核店舗となり、生鮮食料品店が濃縮されて並んでいる。鮮度良さそうだ。オープン初日は雪に見舞われたが、台所の復活は市民に笑顔を運んでくれる。

 私はジャケットを羽織っているだけなので寒い。我が定宿にチェックインする前に<たらふく>。三陸鉄道全線開通のため朝から客が殺到したようで、私が入店したのが16時だが私と後2人入ってきたところで暖簾が下げられた。ギリギリ間に合う。幸運の極みである。

 涙腺崩壊必至の三陸の宝を熊啜し、我が常部屋1701号室へ。コインランドリーに隣接しているのがこの部屋の魅力であり、私は8回に7回は1701号室をあてがっていただいている。

 高校野球と相撲を観ながら洗濯し、愛する<のり平>が連休中だったので商店街の酒友たちと<Roji>へ。私が知る限り、唯一酒に合う「Rojiサラダ」や渡り蟹のクリームパスタ、油淋鶏などをツマミに話し込んでいると、焼酎ボトル2本が軽く滅失。

 2軒目は当然<myフレンド>。ママは私の来訪目的を即座に見抜く。途中、若手のTオルが熱くなり、S香親分は呂律が回らなくなり発言内容が意味不明になったので夜中1時前にお開き。

 酔い覚ましに親分を家まで送る。この御仁はありとあらゆるモノを大小問わずよく無くす、または忘れる方だが、この夜も自宅のカギを無くしている。家呑みを誘われたが奥さんが間違いなくブチ切れるのでとばっちりを喰わわぬ前に退散する。

 帰りに新しくオープンした<Rーソン>でカレーチーズまんをと手塚先生の極厚『火の鳥 太陽編』購入。寒空の中、齧りながら歩く肉まん無敵。

 火の鳥、内容も物量的にも重すぎ。スーツケースに入らなかった。作中で火の鳥がカプセルなどに治まり切れなかったように。

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リニューアルした三陸の台所。

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すがすがしいまでの一択。

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啜らずにいられない。

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酒に合う巨大サラダ。

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若手が熱弁。

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三鉄リアス線として全線開通。

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内容も含めて重すぎ。
posted by machi at 09:11| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月21日

第2219夜:ポテンシャル無限大【八王子(東京)】

 三多摩の大都市。言わずと知れた人口約60万人を誇る八王子を指す。駅周辺に賑わいは強烈で、若い人が目立つ。物販店と飲食店と風俗店とサービス業態が絶妙のバランスを保っている。

 ある3月下旬の暖かい祝日。ただ呑むだけのために昼過ぎに八王子入りした私は、宿に荷物を預け、すぐ近くのスモーカーが憩う屋外喫煙スペースで紫煙を燻らせていた。

 程なくして煙草メインのコンビニからジャンパーを着た若い女性が近づいてきた。プルームテックという新商品の試吸を勧めてこられた。

 様々なフレーバーを試しながら20分ぐらい吸い続けてさすがに気持ち悪くなった頃、S木氏が登場。氏の目の前で氏が経営する煙草店からこれ見よがしにブルームテックを購入。これを機に紙巻から無煙へ移行してみよう。

 S木氏と向かったのは<海賊船>。14時オープンだが、氏の人徳とパワーで13時半過ぎだが入店を許可される。

 鮪刺身のチョモランマ盛や春野菜の天ぷらに舌鼓を打ちながらホッピー9杯。途中、U本氏も合流されたが多忙な氏は1時間ほどでアルコールを嗜まずに中座。S木氏と話し込んでいると17時を回った。仕事があるS木氏といったん別れる。

 ホテルに戻る前、ふらりと玉葱トッピングな「八王子(一平)ラーメン」370円で一度目の〆を決行。今や絶滅寸前の鶏ガラ醤油。あっさりだがコクがあり〆に最適である。

 ホテルのユニットバスで酒を抜き、オープン戦応援後に神宮から駆けつけてくれたU奥氏と20時から氏に連れられるまま2軒ハシゴ。<勝っちゃん>はかなりシブい店だ。

 瓶ビールで乾杯の後はハイボールを数杯。ツマミはウィンナーと春キャベツの盛合せ。S木氏も再合流し<絶望的八王子食堂>というシュールなネーミングの店へ。ホッピーで乾杯。中が超濃いめ故、外1:中5のペースで。白菜漬物をツマミに6、7杯。深夜1時前まで。

 途中、TVでイチロー選手の引退会見が。日本球界に復帰するかと問われ「神戸に球団があれば……」とのお言葉。オリ●クスは今すぐ本拠地を大阪ドームからグリーンスタジアム神戸に戻すように。

 いったんホテルの部屋に戻ったが、どうしても汁モノで〆たくなり、呼び込みを搔い潜りながら<一番館>という店へダイブ。「かけらぁ麺」召還。たっぷりモヤシとひき肉入りで少しも「かけ」でないのに290円という超弩級の破壊力。

 八王子のポテンシャル、底なし。それと、昼呑み+〆、夜呑み+〆、トータル20杯ほど呑んだ私の胃と肝臓のポテンシャルも底なしである。40代半ばのオヤジですが。

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一軒目。

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1回目の〆。

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2軒目。

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3軒目。

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2回目の〆。
posted by machi at 17:41| Comment(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月20日

第2218夜:昇らなくてもよいオトナへの階段【長崎(長崎)】

 オトナの階段のぉぼる〜♪。80年代にヒットした名曲のワンフレーズである。当時この唄を耳にしたのは小学生か中学生の頃。オトナへの階段を憧れたものである。

 <長崎揚げかんぼこ研究所>は全世界に「研究所」と呼ばれる施設や組織がいくつあるのか存じ上げないが、世界屈指に魅力ある研究所である。

 3月中旬の夜。長崎市の2018年度ラストミッションを終え、この研究所へ向かった。22名の「研究員」が終結。打ち上げ懇親会のスタートである。余談だが、この2年半、長崎市の懇親会における乾杯の発声は何故か私が担当している。

 2018年度のミッションの大きな成果として、12月22日に開催した長崎市内5商店街空き店舗ツアー参加者が城栄商店街へGWに新規出店することが確定。誠に喜ばしいことである。高揚感と次年度以降への課題の反映を意識しながら杯を重ね、談笑する。

 揚げたてのかまぼこ、絶品である。チーズを挟んだハトシ風も極上。呑み放題で3000円の破壊力に研究所の底力を感じさせる。

 この日は遅めの昼に定宿からすぐの<キッチン政>でスタミナ野郎カレーライス(チキンカツと鶏肉玉葱炒めをトッピング)の大辛(5段階の真ん中)を腹に入れていた。基本サイズがすでに大盛ゆえ空腹感はあまりなかったが、その分酒のピッチが加速していく。

 この夜の主役は、長崎市商店街ミッションに無くてはならぬ長崎大学Y口研究室4回生たち。4月より社会人として巣立っていく。Y口先生をはじめ、学生の皆さまの献身が無ければ成立しないミッションである。

 皆さん、私が学生の頃と比較したら太陽とホコリ以上の差がある。信じられぬほど優秀。社会に出られて大活躍されることを心より祈念する。学生たちから最後に私ごときにまでメッセージカードが進呈された時は、一瞬涙腺が壊れそうになった。

 24時前。学生たちとお別れし、すっかり社会の波に揉まれて初々しさが滅失している中年男女7人で銅座エリアへ。武将門が24時で閉まってしまうので‘お化け屋敷’へ。

 途中、我ら中年男女は学生にはない財力を駆使し、銅座エリアで展開している長崎3大テイクアウト(桃太呂のぶたまん・雲龍亭の餃子・かにやのおにぎり)を大量捕獲。お化け屋敷に持ち込み、ウィスキーをやりながら大量摂取。炭水化物祭りが深夜2時まで続く。

 翌朝。6時のバスで空港へ。意識朦朧爆睡しつつ9時過ぎには神戸三宮着。凄まじい二日酔いの荒治療は二郎系ラーメン。「ラーメン(並)豚トリプル+ニンニク&魚粉増し増し・味薄め」。

 ……。二日酔いが悪化したような気がした。学生たちには私(たち)のような呑んだくれダメ人間への階段をのぼらないことを切に願うのみである。

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風情満点の研究所2階。

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素晴らしく優秀な学生さんたち。

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昼のカツカレー。

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お化け屋敷にて。

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炭水化物まつり。

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翌朝の二郎系ラーメン。
posted by machi at 09:58| Comment(0) | 長崎県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする