2025年03月24日

第3626夜:ご褒美の顛末【大宮(埼玉)】

 ご褒美。私はあまり日々の生活で自分に与えないが、珍しくご褒美を与えても良いかなというタイミングがあった。

 令和6年度から新たに慣れぬミッションが始まった。7月下旬から8月上旬まで、盆前後の毎年恒例といえ、土日も無くとにかくタフだった。暑かった。そして、8月上旬の春日部(武里)ミッションが終わればカキモノは吐きそうなほど溜まっているが11日間出張無しに。

 盆前ラストミッションの春日部武里、攻め攻めの内容で終了。笑みが漏れるほど順調である。ミッションは15時半終了。この日は帰るだけ。いつもなら駅前のバーガーショップでレポート書きなどしているが、この日は盆前を乗り切れたご褒美。つまり、呑もう。

 東武野田線で大宮へ。朝からうな鐵改め<小鐵>と決めていた。うなぎ串焼は関東、それも首都圏しか扱う店を私は知らない(2024年8月上旬当時)。しかも、めったに見かけない。

 瓶ビールをヤリながらお通し(モヤシナムル)と鰻骨唐揚を楽しむ。うなぎ串7本セット、バラが売切れて6本に。それでも大満足。無限に呑める。

 瓶ビールの後は熱燗。暑い夏に涼しい店内で鰻と熱燗。無双である。入口に近いカウンター席にしたので風が入ってきて気持ちいい。

 雷鳴が響いた。外を眺めると、雨が降り出した。雨脚が強くなりだした。雷鳴も凄い。店内の会話の声と雨音、雷鳴が同じ音量。天気予報をスマホチェック。2時間ほど止む気配なし。

 傘を持っていない。しかし時間にまだ余裕がある。雨脚が弱まるのを待つため、熱燗を追加。それと、奈良漬け。隣の男性はうなぎ蒲焼の特上を追加。差を付けられた気がする。奈良漬けは最安値の270円。特上は…5千円ぐらいか。

 店長が暖簾を仕舞った。ドアも締めた。早じまいか。客は誰も入ってこなかった。店から駅まで割と距離がある。雨脚、弱まるどころか強くなっている。引くほどの降りっぷりである。

 意を決した。会計を済ませて外に出る。路面はくるぶしまで増水。傘のない御仁たちが通り沿いの軒先で途方に暮れている。

 走り出した。濡れるというレベルでなく、バケツで頭から水をかぶるぐらい。私は普段、アーケードは空き店舗が多い商店街限定で不要論を唱えていた。撤回する。

 駅近くにアーケードがある。避難する。海に落ちたような濡れっぷり。そこに<富士そば>があった。思わずフラリ。私と同じようなどしゃぶりオヤジが2人ほどいた。

 券売機で「紅生姜天そば」。受け取る。七味をパラリ、出汁から。しみじみ旨い。温かい。

 しかし、びしゃびしゃの服が冷房で冷やされ寒い。これからひたすらエアコンの効いた電車内。日帰りゆえ着替えなどない。

 ユニクロ、無印、ドンキ…。私の中の大宮マップが広がる。問題は、0.1トン倶楽部の私が着ることのできるサイズが店にあるかどうかである。

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大宮呑みの5回に4回はココ。大好きです。

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赤星と鰻骨で幕開け。

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第1弾。

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第2弾。

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風が吹き込んできた。

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真夏の熱燗と奈良漬。

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警報発令。

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掛け値なしの土砂降り。

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緊急ピットイン。

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帰路の新幹線にて。

posted by machi at 09:47| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月23日

第3625夜:プールとサウナカー【守山(滋賀)】

 サウナカー。キャンピングカーのみならずキッチンカーもすっかり定着したが「サウナカー」はなかなか見かけない。

 数年ぶりに開催された近江守山最大最強の夏フェス「守山鉄人ギョーザ祭り」。このフェスにお招きいただけるよう日々精進を心掛けているようなものである。

 まだまだ西日が熱い夕刻。守山駅で石G氏らと合流。フェス会場「鉄人工房マツヤ」へ。

 我らが一番乗りだった。テントの下に家庭用の領域を超えた巨大プールに水が張られている。コロナ前の餃子フェスの際、フリチンで風呂代わりに飛び込んだことを思い出す。

 続々とフェス会場に人が集まってきた。初めてお会いする方が多い。しかも、若いイケメンばかり。彼らは守山市内で活躍する「農業男子」だった。最近、若者の農業就労が増えているという。日本という国の行く末に力強さと希望を感じさせる。

 20〜30代の農業男子と40〜50代のまちづくりオヤジたちがフェス会場に混在。酒だけは無駄にいっぱい呑むが炎天下の作業や立ち仕事が苦手極まりないまちづくりオヤジたちは彼らの眩しさに目を細める。不甲斐なさを噛みしめながら見つめるばかりである。

 フェス参加者に、まちづくりオヤジでも農業男子でもない第三の男が居た。空手道場を経営する傍ら、冒頭の「サウナカー」事業に乗り出した20代後半のN島氏。

 爽やかなイケメンの彼はサウナ好きが高じたらしく、サウナカーのレンタル事業に乗り出した。軽トラックをオーダーメイドで魔改造。薪で暖める本格派で、詰めれば6人収容できる。

 奥様の絶品手料理や宮崎から取り寄せた餃子に舌鼓。飲み物を冷やすことが間に合わないため、石Gらが買い出してきた大量のロックアイスをプラカップにぶち込んで鯨飲。

 日が暮れた。いい風が吹いている。虫もいない。サウナもいい感じに暖まったという。

 ファーストペンギンとして、私と石Gが短パン一枚でサウナに飛び込む…。凄まじく熱い。普通のサウナよりも思いっきり熱い。

 たるんだ体のアヅマ&石Gに加え、引き締まったボディの農業男子たちも飛び込んできた。4人でもキツい。何とか6人飛び込んだが、拷問レベルの焼けただれた石からの近さ。

 水をぶっかける。激熱の蒸気が顔を襲う。狭いサウナに野郎たちの悲鳴がこだまする。私はハイボールを持ち込み、頭からぶっかける。銭湯のサウナでは絶対にできない蛮行である。

 水風呂、じゃなくプールに飛び込む…。最高に気持ち良い。無限に入っていられる。プールの中で氷ギチギチのハイボールが旨い。

 サウナとプールを4回繰り返した。完全に整った。整い過ぎて神戸まで帰るのが面倒になり、鉄人ご夫妻から5Lサイズの甚平をお借り(頂いて)してお泊りさせて頂いた。

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フェスの始まり。

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サウナカー降臨。

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滋賀県初。

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夜も更けて。

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いい感じに暖まってきた様子。

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突入。

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整え。

posted by machi at 06:48| Comment(0) | 滋賀県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月22日

第3624夜:分断よりも密着【泉大津・高石(大阪)】

 北助松商店街。南海北助松駅前から広がる住宅地型商店街である。商店街は駅とかなり巨大な団地群との間で形成されている。

 北助松「駅」は泉大津市に位置する。ただし北助松「商店街」は商店街の中央(車道)で片側が泉大津市、もう片側が高石市。一部なんてレベルではない。商店街が完全に真っ二つに、二つの市に分かれている。

 酷暑厳しい8月上旬の朝。神戸の自宅を出て大阪へ。環状線で新今宮駅。南海電車に乗り換えて北助松へ。北助松だけでなく、泉大津も高石も完全に未踏。初上陸を果たした。

 正午という独特の時間に集合。商店街理事長、神社の宮司様、大学や市会議員の先生方に商店街をご案内頂く。

 夏休み期間中の正午ゆえ学生の姿はあまり見かけないが、周囲には高校が3校もあるという。堺市も難波も近く、住むには極めて便利そう。北助松駅、特急も快速も停まらないそうだが、南海本線屈指の乗降客があるという。

 銀行も2行あり、大きなドラッグストアがあり、団地だけでなくマンション、アパ―ト、戸建ても数多くみられる。1次商圏(調子に乗ってプロっぽいワードを使ってみました)に居住人口が担保されていることは最強クラスの強みである。

 13時から神社の社務所をお借りしてアヅマ漫談&掛け合い。泉大津市と高石市の2市からも関係者が参加。改めて、一つの商店街を両断する珍しさを痛感する。伊丹空港や富士山などは市や県が跨っている。しかし、商店街ではほぼ例がない。

 イベントなどは拡大許容されるだろうが、空き店舗の補助金などはどうするのか。泉大津市側と高石市側でルールや助成率が異なるのであれば混乱しそうだ。片側だけ条件が良くなったりしたら…それはそれで味わい深いのかもしれない(付記:3週間後に再度確認しましたが、その通りでした)。

 たっぷり2時間の漫談掛け合い。1回限定、一期一会の精神で北助松入りしたが、3週間後に再訪することに。御縁を大切に、ほんの少しでも役に立たねばならぬ。

 大阪駅まで戻る。空腹がピークになった。どこかで串カツなどを肴に冷たい生ビールをゴキュゴキュやりたかったが、駅の改札を出るのも億劫。

 改札内のコンビニの横にカレー屋があった。時間は16時半。こんな私だが平日は可能な限り17時までは酒精をヤラないと一応決めている。

 ハイボールのハッピーアワー200円を振り切り、シンプルな「プレーンカレー」。次回、もし状況が許すなら、北助松でイッパイやってから帰りたいものである。

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初上陸。

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何か決まりそうな予感。

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北助松商店街。左側が高石市、右側が泉大津市。

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気になる一角。

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ミッション会場である北助松神社。社務所ご提供の宮司様に感謝。

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JR大阪駅改札内。

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空腹に勝てませぬ。

posted by machi at 03:24| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月21日

第3623夜:神々の女将【出雲(島根)】

 女将。味わい深い2文字である。大将と異なり、かっぽう着や和装をキリリと、艶やかに着こなし、客を捌きもてなす。温泉旅館、割烹、小料理屋…。スナックなら「ママ」になる。

 8月上旬の、幾分暑さも和らいだ21時前。出雲駅からほど近い中町商店街ミッションを終え、ノドの渇きと空腹を癒すべく居酒屋に狙いを定めた。商店街は歓楽街と隣接しているが、まずはミッション先であるアーケード下のお店を選択したい。

 時間は21時前だが、どこも流行っている。満席で入れそうにない店ばかり。商店街の一番端にある<ミートショップ サイトウ>さんに一か八か飛び込んでみた。4人掛けテーブルが1席空いていた。ツイているが、30分後にラストオーダーという。

 店を選び直す気力もない。30分勝負を試みる。

 生で乾杯。瞬殺で体内に吸収される。2杯目からはメガレモンサワー。ずしりとした重さと保冷カップが心強い。

 ‘ミートショップ’というショルダーネームが入る前から期待を抱かせた。結果、期待を遥かに上回る感動が待っていた。

 大好物の「センマイ刺」は臭みなく歯ごたえ良し。コチュジャンタレにびったり合う。「チーズダッカルビ」のジャンク感がタマラナイ。思わず笑みが漏れる。「ホルモン4種盛」は肉系店舗の真骨頂。どの部位もレモンチューハイが進みまくる。

 「ハムカツ」の安定、「タコさん赤ウィンナー」の洒脱、タルタルたっぷり「チキン南蛮」の正義。他にもいろいろ頼んだが、ほうれん草と玉子の「ポパイ炒め」は白眉。箸休めなのに一品で勝負できる圧巻の旨さ。値段もリーズナブル。人気も納得である。

 ラストオーダーから30分店に居たが閉店に。正味1時間。メガレモを数杯ヤったが、呑み足りない。

 歓楽街である代官町へ。居酒屋。スナック、ラウンジが林立している。お腹は充分に満足。スナックや軽い小料理が望ましい。

 私の視界をとらえたのが、赤提灯に彩られた<寄道処 あずみ>。店頭のA型看板には「和風スナック?女将?」という文言があり、その下にフードメニューが羅列されている。暖簾は出ているが、全く店内が見えない。

 和風スナック、良いではないか。女将、という文言にもグッと来た。旅情気分も高まる。

 同行氏たちの承諾を得ず、暖簾を潜った。客は誰もいない。そして、奥からコワモテのオヤジさんが。1か月前に独りで飛び込んだスナックも、女将でなくムキムキのお兄さんだった。出雲のスナックは男性店主なのか。

 カウンターに座る。オヤジさんにシステムを聞く。「スナック」ゆえにテーブルチャージは発生するが(1500円)、ドリンクは統べて500円均一という。目の前に並ぶ総菜は別料金。

 店内のTVではオリンピックの熱戦。開催国のリネール選手が決勝で豪快な1本勝ちで金メダル。リネール選手、昔から出ていなかったか?

 ハイボールを鯨飲しつつ談笑。居心地が良い。気づけば24時を回っている。ふと気づいた。店頭のA型看板、「女将」でなく「女将?」と疑問形であったことを。八百万の国の夜はあまりにも奥深い。

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posted by machi at 07:29| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月20日

第3622夜:神々の神話セット【出雲(島根)】

 スサノオ。古代日本の暴れ神であり、出雲地方の英雄である。天照大神の弟でもある。歴史&伝奇ミステリ&マンガ好き(の私)にはお馴染みの大スターである。

 汗が止まらない8月上旬の夕刻。出雲市駅の改札を出た。ミッション開始まで2時間。駅前の定宿に荷物を預けても充分に余裕がある。腹も減った。

 改札を出てすぐに視界に入るのが<出雲の国 麺家>。1か月ほど前、この店で駅弁を買った。JR西日本駅構内やホームにある立ち蕎麦屋と同じ屋号だが、全くテイストが異なる。別の資本なのだろう。

 入口に貼られているメニューが気になった。「スサノオラーメン」。強そうである。地元産の味噌に麹をブレンドしたダントツの一番人気とある。‘スープがおいしいから他のラーメンより1,5倍スープ増量’と自信に満ちている。頼まない選択肢はない。

 このラーメンを軸にした「神話セット」がかなりの推し。日本三大蕎麦・出雲割子そばに飛魚がベースの高級かまぼこ「大社飛魚野焼き」も添えられている。

 大きく出た感のある商品名「神話セット」を注文。すると、オレンジジュースか烏龍茶がサービスという。オレンジを選択した。

 スサノオラーメンが980円、割子そば(1枚)がたぶん300円。野焼きが5ヶで400円。セットは3ヶなので240円と計算できる。オレンジジュースが300円。しめて1820円。セットは1400円だから400円以上お得。まさに神話級の振舞である。

 しまね和牛の丼もかなり押している。そばとラーメンが競うようであり、ツマミ系や酒もそこそこ充実している。朝10時から休みなしのようで、これから重宝しそうだ。

 目の前には「祝 夏の甲子園出場 島根県立大社高校」のPOPが。大社高校は初耳だが、大社という名から出雲市内の高校と推測可能(調べればすぐわかるが面倒なので)。

 神話が眼前に広がった。スサノオ、メニュービジュアルよりかなり貧相。しかしメニュー写真をよく見ると「大盛」とある。私が頼んだのは普通サイズ。深く納得する。

 ラーメンとそばを同時に啜った記憶がない。どのように攻めれば良いか分からない。ヤマタノオロチのように首を振り、まずはスサノオラーメンから全力で攻めることに。

 札幌以外でめったに味噌は啜らぬが、なかなか深い味わい。麹の味が分からぬが、何となく麹らしさも感じられる。半熟卵が実質1ヶなのも嬉しい。玉葱の甘みも効いている。麺は黄色い縮れ麺。スープと良く絡む。1.5倍増量スープが頼もしい。

 間に高級かまぼこ(野焼き)を挟む。わさび醤油で頂く。これ、好きな味。歯ごたえも強い。ビールや地酒がヤリたくなる。

 ついに対峙叶った出雲割子そば。出雲そばの店は関西や北九州でも見かけることはある。ただし、啜った経験なし。

 私の蕎麦は立ち蕎麦が99%。それも真夏でも熱い汁。ざるそば系は料理屋で出されたら美味しく頂くが、独りで店に入って単独で注文することはめったにない。皆無かもしれない。

 色は濃い。かなりの細切り。エッジが立っている。ツユをぶっかけて啜るとある。初の出雲そば…。私のバカ舌では蕎麦の繊細な味の違いは分からぬが、美味しかったです。

 残った味噌スープを飲み干す。〆のオレンジジュースを楽しみながら再度メニューを見る。出雲は「ぜんざい発祥の地」らしくメニュー化されている。出雲、さすが奥深い。歴史は神話レベルまで遡れる。深さの底が知れない。

 この店で次回は何を攻めようか。島根和牛丼か、島根和牛カレーか、思い切ってぜんざい、割子そば3段か…。うどんの割子3枚もあった。何故か蕎麦より100円高かった。

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JR出雲市駅改札正面の最重要施設。

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召還。

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おめでとうございます。

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懐かしいというか、まだこんな湯呑があったのね。

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ラーメンのビジュアルは少々写真指名と異なるが、熱いラーメンと冷たい和蕎麦の組合せは初めてかも。

posted by machi at 10:07| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする