2025年03月22日

第3624夜:分断よりも密着【泉大津・高石(大阪)】

 北助松商店街。南海北助松駅前から広がる住宅地型商店街である。商店街は駅とかなり巨大な団地群との間で形成されている。

 北助松「駅」は泉大津市に位置する。ただし北助松「商店街」は商店街の中央(車道)で片側が泉大津市、もう片側が高石市。一部なんてレベルではない。商店街が完全に真っ二つに、二つの市に分かれている。

 酷暑厳しい8月上旬の朝。神戸の自宅を出て大阪へ。環状線で新今宮駅。南海電車に乗り換えて北助松へ。北助松だけでなく、泉大津も高石も完全に未踏。初上陸を果たした。

 正午という独特の時間に集合。商店街理事長、神社の宮司様、大学や市会議員の先生方に商店街をご案内頂く。

 夏休み期間中の正午ゆえ学生の姿はあまり見かけないが、周囲には高校が3校もあるという。堺市も難波も近く、住むには極めて便利そう。北助松駅、特急も快速も停まらないそうだが、南海本線屈指の乗降客があるという。

 銀行も2行あり、大きなドラッグストアがあり、団地だけでなくマンション、アパ―ト、戸建ても数多くみられる。1次商圏(調子に乗ってプロっぽいワードを使ってみました)に居住人口が担保されていることは最強クラスの強みである。

 13時から神社の社務所をお借りしてアヅマ漫談&掛け合い。泉大津市と高石市の2市からも関係者が参加。改めて、一つの商店街を両断する珍しさを痛感する。伊丹空港や富士山などは市や県が跨っている。しかし、商店街ではほぼ例がない。

 イベントなどは拡大許容されるだろうが、空き店舗の補助金などはどうするのか。泉大津市側と高石市側でルールや助成率が異なるのであれば混乱しそうだ。片側だけ条件が良くなったりしたら…それはそれで味わい深いのかもしれない(付記:3週間後に再度確認しましたが、その通りでした)。

 たっぷり2時間の漫談掛け合い。1回限定、一期一会の精神で北助松入りしたが、3週間後に再訪することに。御縁を大切に、ほんの少しでも役に立たねばならぬ。

 大阪駅まで戻る。空腹がピークになった。どこかで串カツなどを肴に冷たい生ビールをゴキュゴキュやりたかったが、駅の改札を出るのも億劫。

 改札内のコンビニの横にカレー屋があった。時間は16時半。こんな私だが平日は可能な限り17時までは酒精をヤラないと一応決めている。

 ハイボールのハッピーアワー200円を振り切り、シンプルな「プレーンカレー」。次回、もし状況が許すなら、北助松でイッパイやってから帰りたいものである。

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初上陸。

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何か決まりそうな予感。

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北助松商店街。左側が高石市、右側が泉大津市。

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気になる一角。

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ミッション会場である北助松神社。社務所ご提供の宮司様に感謝。

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JR大阪駅改札内。

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空腹に勝てませぬ。

posted by machi at 03:24| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月21日

第3623夜:神々の女将【出雲(島根)】

 女将。味わい深い2文字である。大将と異なり、かっぽう着や和装をキリリと、艶やかに着こなし、客を捌きもてなす。温泉旅館、割烹、小料理屋…。スナックなら「ママ」になる。

 8月上旬の、幾分暑さも和らいだ21時前。出雲駅からほど近い中町商店街ミッションを終え、ノドの渇きと空腹を癒すべく居酒屋に狙いを定めた。商店街は歓楽街と隣接しているが、まずはミッション先であるアーケード下のお店を選択したい。

 時間は21時前だが、どこも流行っている。満席で入れそうにない店ばかり。商店街の一番端にある<ミートショップ サイトウ>さんに一か八か飛び込んでみた。4人掛けテーブルが1席空いていた。ツイているが、30分後にラストオーダーという。

 店を選び直す気力もない。30分勝負を試みる。

 生で乾杯。瞬殺で体内に吸収される。2杯目からはメガレモンサワー。ずしりとした重さと保冷カップが心強い。

 ‘ミートショップ’というショルダーネームが入る前から期待を抱かせた。結果、期待を遥かに上回る感動が待っていた。

 大好物の「センマイ刺」は臭みなく歯ごたえ良し。コチュジャンタレにびったり合う。「チーズダッカルビ」のジャンク感がタマラナイ。思わず笑みが漏れる。「ホルモン4種盛」は肉系店舗の真骨頂。どの部位もレモンチューハイが進みまくる。

 「ハムカツ」の安定、「タコさん赤ウィンナー」の洒脱、タルタルたっぷり「チキン南蛮」の正義。他にもいろいろ頼んだが、ほうれん草と玉子の「ポパイ炒め」は白眉。箸休めなのに一品で勝負できる圧巻の旨さ。値段もリーズナブル。人気も納得である。

 ラストオーダーから30分店に居たが閉店に。正味1時間。メガレモを数杯ヤったが、呑み足りない。

 歓楽街である代官町へ。居酒屋。スナック、ラウンジが林立している。お腹は充分に満足。スナックや軽い小料理が望ましい。

 私の視界をとらえたのが、赤提灯に彩られた<寄道処 あずみ>。店頭のA型看板には「和風スナック?女将?」という文言があり、その下にフードメニューが羅列されている。暖簾は出ているが、全く店内が見えない。

 和風スナック、良いではないか。女将、という文言にもグッと来た。旅情気分も高まる。

 同行氏たちの承諾を得ず、暖簾を潜った。客は誰もいない。そして、奥からコワモテのオヤジさんが。1か月前に独りで飛び込んだスナックも、女将でなくムキムキのお兄さんだった。出雲のスナックは男性店主なのか。

 カウンターに座る。オヤジさんにシステムを聞く。「スナック」ゆえにテーブルチャージは発生するが(1500円)、ドリンクは統べて500円均一という。目の前に並ぶ総菜は別料金。

 店内のTVではオリンピックの熱戦。開催国のリネール選手が決勝で豪快な1本勝ちで金メダル。リネール選手、昔から出ていなかったか?

 ハイボールを鯨飲しつつ談笑。居心地が良い。気づけば24時を回っている。ふと気づいた。店頭のA型看板、「女将」でなく「女将?」と疑問形であったことを。八百万の国の夜はあまりにも奥深い。

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posted by machi at 07:29| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月20日

第3622夜:神々の神話セット【出雲(島根)】

 スサノオ。古代日本の暴れ神であり、出雲地方の英雄である。天照大神の弟でもある。歴史&伝奇ミステリ&マンガ好き(の私)にはお馴染みの大スターである。

 汗が止まらない8月上旬の夕刻。出雲市駅の改札を出た。ミッション開始まで2時間。駅前の定宿に荷物を預けても充分に余裕がある。腹も減った。

 改札を出てすぐに視界に入るのが<出雲の国 麺家>。1か月ほど前、この店で駅弁を買った。JR西日本駅構内やホームにある立ち蕎麦屋と同じ屋号だが、全くテイストが異なる。別の資本なのだろう。

 入口に貼られているメニューが気になった。「スサノオラーメン」。強そうである。地元産の味噌に麹をブレンドしたダントツの一番人気とある。‘スープがおいしいから他のラーメンより1,5倍スープ増量’と自信に満ちている。頼まない選択肢はない。

 このラーメンを軸にした「神話セット」がかなりの推し。日本三大蕎麦・出雲割子そばに飛魚がベースの高級かまぼこ「大社飛魚野焼き」も添えられている。

 大きく出た感のある商品名「神話セット」を注文。すると、オレンジジュースか烏龍茶がサービスという。オレンジを選択した。

 スサノオラーメンが980円、割子そば(1枚)がたぶん300円。野焼きが5ヶで400円。セットは3ヶなので240円と計算できる。オレンジジュースが300円。しめて1820円。セットは1400円だから400円以上お得。まさに神話級の振舞である。

 しまね和牛の丼もかなり押している。そばとラーメンが競うようであり、ツマミ系や酒もそこそこ充実している。朝10時から休みなしのようで、これから重宝しそうだ。

 目の前には「祝 夏の甲子園出場 島根県立大社高校」のPOPが。大社高校は初耳だが、大社という名から出雲市内の高校と推測可能(調べればすぐわかるが面倒なので)。

 神話が眼前に広がった。スサノオ、メニュービジュアルよりかなり貧相。しかしメニュー写真をよく見ると「大盛」とある。私が頼んだのは普通サイズ。深く納得する。

 ラーメンとそばを同時に啜った記憶がない。どのように攻めれば良いか分からない。ヤマタノオロチのように首を振り、まずはスサノオラーメンから全力で攻めることに。

 札幌以外でめったに味噌は啜らぬが、なかなか深い味わい。麹の味が分からぬが、何となく麹らしさも感じられる。半熟卵が実質1ヶなのも嬉しい。玉葱の甘みも効いている。麺は黄色い縮れ麺。スープと良く絡む。1.5倍増量スープが頼もしい。

 間に高級かまぼこ(野焼き)を挟む。わさび醤油で頂く。これ、好きな味。歯ごたえも強い。ビールや地酒がヤリたくなる。

 ついに対峙叶った出雲割子そば。出雲そばの店は関西や北九州でも見かけることはある。ただし、啜った経験なし。

 私の蕎麦は立ち蕎麦が99%。それも真夏でも熱い汁。ざるそば系は料理屋で出されたら美味しく頂くが、独りで店に入って単独で注文することはめったにない。皆無かもしれない。

 色は濃い。かなりの細切り。エッジが立っている。ツユをぶっかけて啜るとある。初の出雲そば…。私のバカ舌では蕎麦の繊細な味の違いは分からぬが、美味しかったです。

 残った味噌スープを飲み干す。〆のオレンジジュースを楽しみながら再度メニューを見る。出雲は「ぜんざい発祥の地」らしくメニュー化されている。出雲、さすが奥深い。歴史は神話レベルまで遡れる。深さの底が知れない。

 この店で次回は何を攻めようか。島根和牛丼か、島根和牛カレーか、思い切ってぜんざい、割子そば3段か…。うどんの割子3枚もあった。何故か蕎麦より100円高かった。

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JR出雲市駅改札正面の最重要施設。

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召還。

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おめでとうございます。

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懐かしいというか、まだこんな湯呑があったのね。

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ラーメンのビジュアルは少々写真指名と異なるが、熱いラーメンと冷たい和蕎麦の組合せは初めてかも。

posted by machi at 10:07| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月19日

第3621夜:電光石火の陣【小倉(北九州)】

 公共施設。一般のオトナなら何のことか分かるだろうが、定義をご存じだろうか。「原則、24時間解放され、誰でも無料で利用できる施設」である。似たような用語に「都市利便施設」「建築利便施設」がある。

 冒頭で引かずにページを閉じなかった紳士淑女、この後もよろしければお付き合い下さい。

 亜熱帯な8月初日。汗ドッボドボで旦過市場事務所へ。そこで国交省とその外郭機関(MINTO機構)からたっぷり3時間レクチャーを頂く。

 今後の旦過市場の再整備、5年後、10年後、100年後の骨格づくりのための極めて重要なレクチャー。その本番は翌日だが、私は他県へ行かねばならず参戦が叶わない。

 そのレクチャーにおいて、冒頭の「公共施設」「都市利便施設」の違いや重要性をご教授頂いた。これ以外にも初めて目に耳にする知識、情報、制度ゆえ我が空気頭が萎んでしまった。

 ほぼ間髪入れず旦過市場の商店主や役所とのカイギ。ごりごりの2時間強。改めてコンセプトづくりの重要性や適性賃料と相場賃料のギャップ、熱量の増減を思い知らされた。

 濃厚な疲れがへばりついたまま、小倉で一番の人気店かもしれない<焼鳥本陣>へ。ビールの大瓶が380円。何度もこのバカブログに恥筆している。キンキンに冷えた琥珀の奇跡がノド、食道、胃に滑り落ちる。一瞬で体内に吸収される。4人で瓶ビールがどんどん滅失していく。

 お通しは「もずく」。私、酢のものが好物である。暑い夜の最高クラスのお通しである。

 瓶ビール、テーブルへの着瓶が注文後30秒ほどだった。お通しを堪能すると、すかさず巨大な洗面器サイズのボウルに海鮮サラダが飛来してきた。

 ニラレバ、雲仙ハムソテー、ポテトフライ、モッツレラシーズの油あげ包み…。これらの実力ある武将たちが疾風怒濤、電光石火でテーブルという名の陣を固めていく。消費スピードに追い付かない。ビールで乾杯し、武将たちが1分おきに着座。陣明け5分で鉄壁の布陣が敷かれた。

 4人で大瓶を10本ほど呑みつつ、時折レモンサワーを挟む。焼鳥の盛合せは圧巻。真打登場の迫力と華がある。

 気心の知れた戦友たちとの酒宴。昼のレクチャー、夜の会議では思いつきもしなかった発想の転換に唸る。昼と夜には見えなかった光明が陣に差し込んだ。

 <本陣>に当日予約せず4人入れたのは奇跡の行幸。桶狭間クラスの確率である。老若男女、<本陣>になだれ込む。スキなし。空白なし。何回転しているのだろうか。

 旦過ミッション終了後、N村氏のご配慮で2回に1度は<本陣>である。暑い夏、渇きをいやし、瞬時に空腹を満たす電光石火っぷり。もはや、公共施設であり、都市利便施設であり、建築利便施設である。

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posted by machi at 06:19| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月18日

第3620夜:独歩の手前【井原・岡山(岡山)】

 那須与一氏。北条早雲氏。渋沢栄一氏。ななつぼし設計のデザイナー氏。C鳥ノブ氏。この5氏の共通項は何か。岡山県井原市と関連がある点である。個人的には北条五代の創始者であり、小田原の雄・早雲氏が最も意外である。

 パリ五輪の熱戦が続き日本勢の大活躍で寝不足気味な7月最終日。前夜に栃木県から帰神し、睡眠時間を含めた自宅滞在10時間ほどで岡山県井原市へ向かう。同行氏らとRPGのごとく随時合流。井原は2度目の訪問である。

 1か月前にお会いした「トモツク会」の会長、副会長の他に新たに2名のコアメンバーも加わり、独立独歩を目指すミッションがより重層的に。長くて90分と思いきや、あっという間に150分。涼しい会議室といえ、ノドがカラカラである。

 井原駅から清音駅で乗り換えて1時間強で岡山。私の神戸の自宅まで1時間強。時間は17時半。翌朝は北九州小倉だが、気持ちに余裕がある。ノドの乾きが限界値を超えた。

 イッパイやって帰ろう。ただし、駅構内から外に出たくない。せっかく引いた汗を防ぎたい。

 岡山駅ショッピングモール「さんすて」へ。ここで何度か昼飯を喰ったことがある。呑んだことはない。とりあえず歩いてみる…。ラーメン、丼、ハンバーガー、パスタ、うどんなどあれど、居酒屋風は極めて少ない。

 ふと気になるPOPが視界に入った。「ほろ酔いセット」。<えびのや>という天ぷら屋だった。丼を推しているようだが、単品でもいろいろ頼めそうである。

 迷わずセット1,180(税込)に。プラス200円でオツマミが2品ついてくる(漬物2種とキノコ類の和え物)。生はエビスビールである。

 エビス、一瞬でジョッキから滅失。乾いたスポンジ状態である。発泡酒の缶やレモンサワーを招集。どれもあっという間に体内へ。

 天ぷらの盛合せも迫力だった。海老、南瓜、紅生姜、茄子、烏賊、穴子。ツユや塩、一味を駆使。ここは瀬戸内。穴子を再召喚。追加で玉子と竹輪も。どれも大きくてボリュームたっぷり。

 地ビールがあった。「独歩」。岡山駅構内の売店でよく見かけたが、呑んだことない。

 試してみる。わりとあっさりというか、クセが無く呑みやすい。「クセがすご」くない。

 ちなみに「独歩」、人名だと思い込んでいた。後日知ったが「独立独歩、個性ある信念のビール」がコンセプト故のネーミングだった。

 帰路の新幹線。新神戸まで30分。駅弁晩酌する時間はない。腹も満腹の手前である。売店で「しまなみ八朔」という冷えた缶チューハイ捕獲。岡山から神戸どころか、相生の手前あたりで呑み干してしまった。

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プラス200円セット。

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地ビール「独歩」と。

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追加第1弾。大きい。

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地ビールもいいけど大手も好き(発泡酒ですが)。

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追加第2段(玉子)。

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真夏の味噌汁。

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瞬殺。これ好きです。

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岡山駅改札内でしか見かけぬ逸品。ハマっております。

posted by machi at 06:22| Comment(0) | 岡山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする